16ページ目   雑記

セール状態な買収指標

さて、仮に実現するとなると海外企業による日本企業買収として最大級の案件になるといわれているカナダのコンビニ大手アリマンタション・クシュタールによるセブンアンドアイHDの買収提案が先週から話題になっている。同社といえば03年にサークルKの運営会社を買収しており、過去には仏カルフールの買収に乗り出したこともあるが仏政府の壁が高かった経緯がある。

ストライキにまで発展した西武百貨店問題や、大量閉店に追い込まれたヨーカドーなど問題が山積みな同社だけに物言う株主も喧しかったが、先週末の日経紙でも取り上げてあったように買収資金を何年で回収できるかの目安にもあるEV/EBITDA倍率等でみても同社は約7倍と米の半分以下であり、全体の倍率平均からしても依然安い“買い物”という事になる。

そう考えると日本の有名ブランド企業でも認証不正問題が燻りその値位置を大きく下げてしまったトヨタ自動車や、エスティローダーよろしく中国不振の影響をモロに受け株価もいいいとこ無しの資生堂など、大手外資から見るとバーゲンセール期間?が長く買収に名乗りを上げる向きが居るかどうかはともかく食指が動く水準が続いているのは間違いない。

とはいえ取締役会や競争法の壁があるだけに今回も簡単に進む話ではないと思われ、ストップ高スタートの株価もあとその行方に不透明感が漂う事で気迷いの動きを演じている。いずれにせよ日本のブランド企業を時価総額で大きく上回る外資系はいつでも買いたいと手を挙げられる状況なのは確かなだけに、経営陣も時価総額引き上げの努力が益々求められることになろうか。


金融経済教育推進機構始動

今月から金融経済教育推進機構が本格始動しているが、昨日の日経紙金融経済面には「金融教育、年代別に教材」と題し同機構が派遣講師による金融教育セミナーで使う教材を公開した旨の記事があった。年代別に取り揃え今後は学校や職場などのセミナーで活用するというが、下は小学生低学年から上はベテラン・シニア層まであるという。

下は小学生低学年ということだが、最近では港区の某幼稚園など目玉教育としてお金を稼ぎつつ株の購入や税金を支払い、最終的にお金持ちになったチームが勝利するというビジネスボードゲームで「金融」を学ぶ授業を行っているというからまさに隔世の感である。金融の授業では株の他にも会社の仕組みやお金の流れも学んでおり、ココにいる子は銀行の役割などを即答出来るというからなんとも頼もしい。

その辺はともかくも、金融庁の2022年金融リテラシー調査では金融教育の経験について、受ける機会は無かったが75.7%、わからないが15.4%、受ける機会があり受けたが7.1%、受ける機会はあったが受けなかったは1.8%という数字がある。金融教育を求める声については、金融教育を行うべきだと思うが71.8%、わからないが19.4%、思わないが8.8%だったという報告がある。

また日本の特異性の一つで家庭においてもお金の話をすることをタブー視する国民性があり、株式投資などもいまだにどちらかというと投機寄りの見方をされ易い。金融資産の国際比較でも日本では現預金が50%以上、株式・投資信託などが20%前後だが、これが米では現預金が13%前後、株式・投資信託などが50%以上とほぼ日本とは逆の構図。ハードの部分で新NISAの創設が為されたが、ここからソフトの部分として金融教育の重要性が増すところである。


総裁選混戦

現首相の任期満了に伴う自民党総裁選だが、昨日の総裁選管理委員会で総裁選日程を9月12日告示、同27日投開票する事を定めるなど日程が決まった。これに先立ちちょうど1週間前に岸田総裁は記者会見にて総裁選には出馬しないことを表明しているが、派閥の政治資金問題などの責任を取る形で2021年10月の政権発足から3年で退陣ということになる。

既に10人以上が名乗りをあげているが、斯様に派閥が崩壊した後の自民党の姿もまた面白い。その辺はさておき増税眼鏡と揶揄され史上最低の支持率を更新した岸田氏だったが、政権発足時に2万円台だった日経平均は曲がりなりにも4万を超え史上最高値を更新、その原動力になったのは半導体関連株だがTSMCの日本への誘致、また新NISAの拡充も市場のすそ野拡大に寄与し金融業界としては一定の評価となるだろうか。

もう一つ、株式市場のアノマリー?として衆院解散は買いというのがある。アノマリーといえば1968年以降の五輪で金メダルを10個以上取った夏の大会期間中の日経平均は上昇するというのがあったが、今年は史上最大の暴落の憂き目に遭い見事に崩れた。話は逸れたが、新政権がマーケットにフレンドリーかどうかも注目したいが、支持率の回復出来る日本の変化を期待させるような政権が望まれるところだ。


代替競争激化

本日の日経紙ビジネス面には「苦いカカオ不足チョコ再値上げも」と題し、一向に先が見えない供給懸念から関連商品の更なる値上げも予想される旨の記事があった。このカカオ豆といえば今から10年以上も前だったか、ロンドンのヘッジファンドの共同創業者が年間生産量の7%にも相当する先物スクイズを仕掛けた事で相場が30年ぶり高値に暴騰した件が記憶にあるが、近年の相場はベースに不作等供給懸念も根強い事でこれを凌ぐ状況となっている。

国内の商品値上げも当初甘く見ていたものだが値上げに次ぐ再値上げが相次ぎ併せてカカオ豆の使用を減らした商品の開発まで検討し始めているが、プライム上場の大手では明治HDがチョコレート原料のカカオを細胞培養し、そのカカオパウダーを使った食品を来年度にも売り出す予定、また不二製油Gも傘下がココアバターの代用でパーム油脂等を使った業務用チョコの販売を始めている。

両社共に株価の方も好調な業績が背景に控えるとはいえ、そんな一連の動きも関心を寄せたのか明治HDは日経平均が過去最大の下げ幅を記録した週に年初来高値を更新、また不二製油G本社株も同じく5日暴落後に往って来いで切り返しを見せ、先週には年初来高値を更新し3年ぶり高値に躍り出るなど急落前水準に戻り切れない個別が大半のなか堅調さが際立つ。

その辺は兎も角も、こうした代替モノ開発の動きは先に書いた植物性原料による謎ウナギの開発でも見られた。すなわち特定の物の供給不安が話題になる中において近年は代替品開発でそれを供給する事で持続可能な世界に貢献する企業の姿勢というものが窺えるが、こうした取り組みは各企業に取って同時に商機でもあり今後も拡大してゆくのは想像に難くないか。


五輪スポンサー明暗

昨日はパリ五輪に出場した日本選手団の解団式が行われたが、今大会で日本選手団が獲得したメダルの総数は45個となり海外開催では最多を記録している。事前のメダル獲得予想も近年精度が高くなってきているが、スポーツデータ分析の米グレースノートが開幕1か月前に予想していた日本勢のメダル総数は46個と今回も見事な僅差具合でほぼ的中、またJOC日本オリンピック委員会が目標としていた金メダル20個もピタリ達成となり海外開催では2004年アテネ五輪の16個を上回る最多の快挙となった。

ところでこのメダル、今大会のスポンサーを務めているのが「LVMH」だけあってそのデザインは傘下の高級宝飾ブランドの「ショーメ」が担当しているがジュエリーブランドによるメダルはオリンピックの歴史で史上初の事だという。同じく傘下の「ルイ・ヴィトン」も今大会ではメダルやトーチを収納・運搬するトランクやメダルの専用トレーに、ベアラーのユニフォームまでルイ・ヴィトンが担当している。

東京五輪でパナソニックなどがスポンサーを務めたのと同じパターンだが、今大会の開会式でのムービーではヴィトンの工房まで流されまるで同社のCMを見させられているようなある種違和感を覚えた。ところでこのスポンサー、上記のパナソニックに加えトヨタ自動車やブリジストンはこれまで最高位スポンサーとしてIOCと契約締結していたがトヨタ自動車など今回のパリ五輪でその契約を終了予定という。

その背景には年々加速してきているスポンサー料金の高騰に見合う費用対効果があるのか疑問というところがある模様だが、上記のパナソニックなど開会式でDJがパフォーマンスを披露したシーンで使用されたミキサーがなんとライバル企業のものだったというから同社もトヨタ自動車に続きスポンサー契約を見直す可能性は十分にあるか。斯様にブランディング向上の為ワガママを通せた企業とで明暗が鮮明だが、今後のスポンサー各社の動きが二極化してくるかどうか注目しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

4

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30