189ページ目   雑記

コードはRACE

本日の日経紙企業総合面には「フェラーリ、変革に媚びず」と題して、イタリアの高級車メーカー、フェラーリが今月発表した17年12月期決算で売上高が前期比10%増、調整後営業利益が23%増と所謂富裕層の絶大な支持を得て同業他社比でも突出した好調ぶりの様子が出ていた。

当然乍ら株価の方もこれに連動して上昇率もまた突出しており16日には上場来高値を更新、3年前に上場し16年から直近までの上昇率もまた同業他社を遙かに凌ぐ2.2倍の上昇率となっている。日本で年間僅か数百台の販売台数の会社の時価総額がそれこそスズキやスバルとほぼ同じというのも、やはりオンリーワンの存在で他とは一線を画しているのに他ならない。

同紙では創業70周年イベント競売のコメントで自動車ジャーナリストがもう二度と手に入らないの焦りが価格を吊り上げていると出ているが、差し詰めこの辺は値崩れするどころか中古でもモノによっては新品購入価格以上で幾らでも引き取ってもらえるエルメスのケリーやバーキンに通じるものがある。

今年は史上初めて9,000台超を販売する計画というが、同社会長は5年前には短期的な販売台数よりブランド価値の維持を優先するため生産抑制の姿勢を明確にした経緯がある。ブランド構築に勝負を賭け海外展開に打って出る本邦勢も多いが、変革に媚びない姿勢とは何か同社から学ぶべき点は多い。


ワンツーフィニッシュ

周知の通り冬季五輪第9日の先週末はフィギュアスケート男子の羽生選手が優勝、今大会の日本選手団に最初の金メダルをもたらしたが五輪連覇は66年ぶりの快挙、更に翌日にはスピードスケート女子500で小平選手が五輪新記録を叩き出し日本女子に初めての金メダルをもたらす快挙となったが、これでメダル数は最多であった長野五輪の10個に並んだ。

毎度のことながら大会前のTV等でのメダル獲得予想など下らない下馬評合戦には辟易する思いだが、実際に五輪出場が危ぶまれる怪我を見事に乗り越えて掴んだ羽生選手の二連覇や、三度目の挑戦で悲願の金メダルを掴んだ小平選手の姿を見ているとやはりその背景を想うに感動もひとしおである。

ところで五輪といえばやはりマーケットもその関連が取り沙汰されるが、夏季に比べるとこちらは今一つ盛り上がりに欠ける印象が強い。昨年から各所で関連銘柄は取り沙汰されていたが実際にこれまで家電や旅行関連が物色対象になる一方で、出場選手の所属企業やスポーツ用品関連は伸び悩むなど明暗が分かれている。

この辺に絡んでは先週末の日経紙でも「冬スポーツ熱よ再び」と題し、ピークの3割を切るまでに落ち込んだウインタースポーツの参加人口が平昌五輪でのメダルラッシュで再びウインタースポーツの盛り上がりなるかどうかと出ていたが、株式マーケットではまだ反応が鈍いものの今大会が市況回復の契機となるか否かそんな視点でも後半戦に注目しておきたい。


義務チョコ

さて、昨日はバレンタインデーであったが、今年もまた平日という事で世の殿方は改めて自信の評価が浮き彫りになる日だったか。とは言うものの近年は軽いお歳暮の如く義理チョコがその地位を確立しまたそれを全面に謳った商品も続々登場しており、恋愛イベントとしての重要性は総じて薄れてきているのは否めないところ。

ところで義理チョコといえば先週月曜日の末尾でも一寸書いたが、あのゴディバが今月始めの日経紙にて「日本は、義理チョコをやめよう」と題した全面広告を出し結構な話題になっていた。社長曰く義理人情や義理堅いのは好きだが、時間がかかるとか皆がやっているとかそれは本来の義理ではなく違和感があり、あげる人がハッピーではないと意味がないという事らしい。

バレンタインデーを控えた一番の書き入れ時にこの奇を衒った全面広告はなかなかのインパクトであったが、最近では年末に大人気の日本酒・獺祭が「お願いです。高く買わないでください。」と希望小売価格と正規代理店を記載した意見広告を出していたのも話題になるなどこの手の動きがけっこう出て来るようになって来た。

今から9年前の当欄で私は「奇異なる日本のValentine’s Day」と題し、「〜そもそも欧州等でバレンタインデーといえばお互いに思い思いの品を交換したりするのが普通で寧ろこの日本独特の習慣は以前からかなり奇異に見られていたのが事実。さて、次第にこの辺も国際標準の道を歩むのであろうか?」と書いたが、漸くというか商戦略から生まれた独自文化の過度な逸脱へ国際標準の視点から問題提議が為された感がある。


銀座プライド

この連休中日比谷方面に出掛けたが、銀座エリアに入る通りで泰明小学校を通り過ぎた際にこの小学校の制服を今年からアルマーニにするとの決定を巡って先週から俄かにザワついているニュースを思い出した。制服が一式揃えると約9万円と従前より高価になるという点や、一連の通達が急遽行われたのが物議を醸し出しているが要は公立というところが論点か。

同校の校長曰く、ビジュアルアイデンティティー育成はこれからの人材を育てる事に不可欠である服育という重要な教育の一環というのが持論のようだが、能書きは兎も角も保護者への周知徹底が甘かったに尽きるか。結局は採用を変える考えはないとの事だが、年齢を考えるに自身が退く前に有終の美となるべく何か語り継がれるようなものを成し遂げておきたかったのかも知れぬ。

そんな背景から制服をアルマーニにしたというのはインパクト大だが、これにしても同ブランドのみが前向きの商談だったのかも知れないものの、校長の言うように銀座の街の子どもになる自覚と言うのなら昔から銀座に根付いている老舗の英国屋とか、ジャスダックにも上場している山形屋等の選択肢の方が説得力もあっただろう。

この件の否定派は公立という観点から意見している点で共通しているものの、泰明入れたさに特認校抽選枠をわざわざ狙う動きも少なくは無く或る意味私立の色が無いと言えなくも無い。公立の概念を取り払ってしまえばそれこそアルマーニ一式が9万円で揃うなら破格の安さであるし、親は勿論子どももこれがいい思い出になるかも知れずこの制服着たさに同校を志望する向きも出てくるのは想像に難くはないが、何れにせよ暫く賛否両論は尽きないだろうか。


新事例難航気配

本日の日経紙経済面には納税難民と題し、今年の確定申告は仮想通貨の利益を巡る申告が増えると想定されるほか、医療費控除の制度変更もあって源泉徴収に慣れた会社員などを中心にこの手に不慣れな「納税難民」が日本中で彷徨う気配が漂う懸念などが書いてあった。

確定申告といえば先月に当欄では「雑所得の憂鬱」と題し国税当局が仮想通貨で多額の利益を得た投資家らの調査を始めた旨を書いたが、取り急ぎ?雑所得扱いとの御触れが出た以上ちょっとした小遣い程度の利益は株式程度の感覚で済もうが、こんな株式のように損益通算が出来ればいいようなものの多額の利益を計上した向きほど総合課税に税率など考えるになかなか気が重くなる。

日経紙でも書いてある通り仮想通貨の交換だけで課税となるが、現在問題となっているコインチェックのケースなど仮に表明している通り円での返金が為された場合はホッとするのも束の間これで利益確定とみなされ否応なしの課税対象になるのだろうか?そうなると元々の流出した仮想通貨のままの返還要求をする向きも出てきそうでまだまだ一悶着ありそうな気配だ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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