234ページ目   雑記

白と黒のダイヤモンド

さて、一週間ほど前の日経紙・春秋には密漁で大きな利益が上がる事から、ナマコは「黒いダイヤ」、ウナギの稚魚のシラスは「白いダイヤ」と呼ばれている旨が書いてあったが、同じ食材でもこの時期「黒いダイヤ」といえばやはり世界三大珍味の一つトリュフだろうか?ちなみに旬の短い白は勿論「白いダイヤ」である。

菌茸類といえばこの時期彼方此方の店頭では松茸が誇らしげに鎮座している光景を多く目にするようになり、最近ではカナダ産やブータン産が出てきて国産より随分と安価で流通するようになったが、これらよろしくこのトリュフも一部安価な中国産等が台頭するも松茸と共に人工栽培はほぼ不可能とされる。

ところでかつては人工栽培が不可能なキノコとされた舞茸は、雪国まいたけの創設者による技術確立でこれが可能になったとされている。斯様に長年培ってきたお家芸の技術で今後は松茸やトリュフ等もしかしたらとの期待もかかるが、余談ながらそんな会社も内紛のゴタゴタを経て昨年には米投資ファンドの手に渡り市場からは姿を消している。昨日記の通り、さが美を巡る投資ファンド争奪戦に終止符が打たれた事でふとこんな事を思い出してしまった次第だ。


池坊2016

ハロウィーンが近いのでこのところ彼方此方でカボチャの出現率が高くなっているが、過日観てきた「池坊展」でも皐月展と時期も違うという事でハロウィンチックな作品も多く見られた。同展はここ暫くご無沙汰していたので一寸久し振りであったものの、「新風のきざし」をテーマに約450名の作品は何れも圧巻であった。

東京都美術館でやっていた頃に見たアンスリウムやストレリチアなどに竹や椿を組合せた斬新さに感動したものだったが、今回も上記アンスリウムにせいばんもろこしや満天星つつじを合せたりとこの辺の技は相変わらず。斬新といえば飲料ボトルに挿した花をフィルムで包んだモノが前回見られたが、これまた今年も国旗プレートやエンゼルヘアを花に絡ませたモノもありこの辺の創造は止まる事が無い。

また、花の種類も生け花では想像もつかないエアープランツを用いたり、通常は葉を多用するところで花の方はなかなか見ないオクロレウカ、これまたなかなか目にする事が無いブラックキャットなど珍しい花が見られるのも楽しい。ところで家元クラスの大作は毎度の事ながら感動ものだが、学生コーナーに見られた小学生の作品も立派なモノ多数で将来が本当に楽しみというものである。


オートファジー

周知の通り2016年度のノーベル生理学・医学賞は、生物が細胞内で不要なたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」の仕組みを解明した、東京工業大学の大隅栄誉教授に贈られる事が発表されている。この仕組みで新たな創薬の道が開かれる期待が掛かるが、日本のノーベル賞受賞は3年連続で計25人目という快挙であった。

毎年恒例行事ということで今一つ方向感が出ないマーケットにおいてこの手は恰好の材料になるワケで特にバイオ系はお約束ともいえる急騰、本日は一服したが先月後半から先取りで賑わっていたコスモ・バイオが昨日はストップ高比例配分、また医学生物研究も同様にストップ高比例配分と急騰、タカラバイオもザラバ急騰して年初来高値更新となっていた。

今年の風景を見ると昨年のパターンと重なる部分も多いが、今年も次の文学賞など今度こそ?の期待を織り込んで丸善HDの出来高が膨らんだり文教堂グループHDも年初来高値を取ってきている。ノーベル賞相場は一過性と揶揄されるのも恒例ながら意外に二番煎じも効き、一種のお祭り感覚で参加する向きは絶えない。


Kai-X設立

昨日は東商取を少し取り上げたが、取引所といえば本日の日経紙投資情報面には「超高速取引を排除」と題して、PTS(私設取引システム)を運営するチャイエックス・ジャパンが今月17日から主に機関投資家向けに東証と比べ売買スピードを意図的に遅らせるHFTを実質的に排除する仕組みを設けた新たな株式取引市場を設立する旨が出ていた。

この手で思い浮かぶものに既に米国では既に3年前から取引をスタートしている同じ私設取引所のIEXがあるが、今年6月には公式な取引所としてSEC(米証券取引委員会)に認可されている。ちなみに同所は受注から売買までの時間を350マイクロ秒遅らせているが、もともと超高速取引に対して疑問を呈していたCEOはこれを対抗手段として売り込んできた経緯があった。

HFTなど超高速取引に関してはこれまで幾度となく当欄でも触れてきたが、これらがリクイディティー提供に重要な役割を担っている一方で、米バーチュフィナンシャルに見られたような一般との機会不平等も混在する。この手の創設によって棲み分けが出てくるかどうかだが、何れにしろ東証を経由しない取引が何所まで普及するか今後に注目か。


ハイブランドの陰り

さて今月始めに「リシュモン先行」とし、カルティエがここ数カ月の為替変動を鑑みて平均で約10%の値下げに踏み切った旨を当欄で書いたが、これに続いて中旬からは先に終了したTBS系「せいせいするほど、愛してる」の舞台にもなったティファニーも約7年ぶりとなる値下げを行い、それから数日後にはボッテ・ガヴェネタも一部商品の価格引き下げに踏み切っている。

ところで、上記のティファーが約7年ぶりの値下げに踏み切った14日の欧州市場では、リシュモンの株価が8月迄5か月間の売上が13%減少との発表から3.9%の下落を見せ、同業のスウォッチ・グループまで連れ安となっていた。また、来年以降は年間売り上げ成長見通しを発表しないとした事を嫌気し、エルメスの株価も8.8%の大幅安をこの日は演じている。

エルメスの決定はリシュモンよろしくビジネス環境の先行き不透明感の裏返しともいえるが、来月もモンブランが平均で7〜8%の値下げを予定し、ヴァシュロン・コンスタンタンも値下げの予定など高級ブランドの値下げはまだ続く模様。インバウンド需要一服で国内高額消費にも陰りが見える中での相次ぐ値下げは決して円高のみが理由というワケではなさそうで各ブランドの匙加減が注目されよう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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