240ページ目   雑記

サロン・デュ・ショコラ 2017

さて、今週も恒例のバレンタインデーがあった。バレンタインといえば例年この日に先駆けて開催されるものにサロン・デュ・ショコラがある。今年は東京国際フォーラムで開催され私は一般公開前の招待があったものの、初日は入場待ちで最大3,600人が並ぶなど年を追う毎に人気も過熱気味になってきている。

送られてきた本のような立派なカタログを先にザッと見てみたが、今年も初顔らしきショコラティエが登場の模様で、やはり先に書いたように産地生産者を謳ったビーン・トゥー・バーにより一層磨きがかかり数年前のビジュアルモノから或る意味本質に回帰したような感もある。

そんな傾向だけに今やトレンドはそういった蘊蓄が解る自分用おもたせといった感だが、バイヤー側としては日本に対する注目が極めて高くなり所謂THIS IS JAPANといったところと言う。確かに仏アンリ・ルルーなど去年のクリスマスケーキのテーマが「VOYAGE AU JAPON」と題し柚子をふんだんに使用した物を出していたが、果たして此処でも胡麻やほうじ茶といった日本食材の組み合わせを出してきた。

こうした背景には本家仏のサロン・デュ・ショコラ品評会や、ワールドチョコレートマスターズ等において金賞や総合優勝を勝ち取るなど、日本人ショコラティエの技術がここ十年の間にかつて仏料理でも歩んできたように世界の注目を集めた功績に因るところが大きいか。

そんな彼らもお家芸だけに別の日本食材で応戦、王道の抹茶はお約束としても今年は山椒や桜、煮切り醤油から果ては納豆や奈良漬まで登場させるなど縦横無尽の様相である。ただ其処にはシェリー酒など洋とのマリアージュではじめて絶妙な味を醸し出す技術が光り今後何所まで進化してゆくのか来年がすでに待ち遠しい。


短期需要

本日の日経紙マーケット面では「短気売買制限論の弊害」と題し、政府や企業の批判論者が投資家の短期志向を抑えようとしても決算発表後に乱高下する銘柄が目立つ旨が載っていた。その理由として順張り短期筋の横行ともう一つ、約1年前から証券会社のアナリストが決算前の企業取材を自粛するようになった事が挙げられていた。

アナリストといえば本来は企業の実力と株価の乖離を発見するのが役割というのが一般論だが、上記の縛りも元はといえば未公表業績情報を顧客勧誘のツールとした動きがあった事による行政処分を鑑みた措置で、ココにもやはり業績に関する所謂早耳を欲する短期的視点を擽るエサの需要が高かった事が窺える。

其処の部分を当局指導で縛った弊害?でサプライズ銘柄の乱高下が横行している部分もあるのは否めないところだが、既にビッグデータをAIを駆使して解析し決算結果と予想値の乖離をアナリスト以上に高精度で絞り込むモデルも開発されている旨が同紙には書かれており、モラルの観点からガイドラインの縛りが入る裏では粛々と技術革新は進行しているようだ。


一次放出から30年

本日の日経紙朝刊一面の市場の力学には「バブルの傷拭う新世代」と題してその冒頭ではNTTが初めて東証に上場した際の事が書いてあった。明日ではや30年といったところだが、今でも当選のハガキが当時住んでいたアパートの古ぼけたポストに投げ込まれていたのを見つけた時のある種ドキドキ感が鮮明に蘇るものだ。

当時は地上げ等が都内でも横行し始めた頃でまさにバブル序盤戦といった感じであったが、当のNTT株も上場して一月もしないうちに100万の大台が200万、そして300万円と二つも変わるなど土地と共にバブルの様相を呈することになり、これに味を占め同じ年には一時の2倍以上の価格で二次放出が行われる事になる。

そのNTT以来の大型上場とした先の郵政グループ株3社放出は日銀が決定したマイナス金利政策を背景に、ちょうど一年ほど前にはかんぽ生命などそれこそ半値水準まで株価が崩落する憂き目に遭っていたが、この二次放出以降の軌道に垂らし合わせる向きも多かっただろう。これら鑑み試行錯誤の放出をしてきた政府の次の手も注目される。


撒きと巻き

先週末は皆さんご存知の「節分」であった。節分といえば昔から豆まきが定番だが、近年は恵方巻なるものが少しずつ人気になりつつあるとか。豆の方は消費者庁サイドから誤嚥事故防止の注意喚起が為されるようになってきた昨今、これら含めて商機と見てかコンビニのマーケティングも奏功といった模様だ。

とは言え豆まきが廃れたワケではないものの、上記の誤嚥防止や果ては虐め助長意見まで出る始末で最近は撒くモノもゴムボールやマシュマロ、挙げ句にはエアーでやるところも出てきているという。しかし節分以外でも近年は子供虐待との苦情から秋田のなまはげが怖くなくなってきたとか、果ては除夜の鐘が煩いとかの論争が話題になってきたが伝統行事もやり辛い世の中になったものだ。

そんな裏で京都ではこの節分にコスプレで発祥の地を参拝するイベントが行われ、また東京でも約4トンもの豆を撒き使われた豆は肥料として再利用するなどエコもしっかり押さえている大イベント「すごい豆まき」が今年も行われるなど、こんな世相をバネにハロウィーンよろしくコトマーケティングの方は年々進化しつつある。


ポスト印象派

さて、先月中旬には「あの絵を思い出した週」と題して、日経紙文化面で取り上げていたジョージア・オキーフの絵について書いたが、ちょうど一週間前も同紙にて洋画家の奥西賀男氏がルソーの「蛇遣いの女」を取り上げていた。これまたオキーフと共に私の好きな絵の一つであり触れずにいられない。

氏は文中で「大きなこの絵を初めて見た時の衝撃は忘れられない。」と書いているが、私も今から7年前の国立新美術館で開催されていた「オルセー美術館展2010」にて念願であったこの絵の実物を初めて見た時は衝撃であった。

その時の感動を当時私は当欄で、「〜念願のアンリ・ルソーがある第九章の部屋へ。〜「蛇使いの女」はやはり圧巻、遠近法を無視したアウトサイダーの洋モノにあって何処かバリ島のプンゴセカンスタイルのテイストも持ち合わせており昔から好きであったが、本物を前にして幻想に溺れそうになる感覚はやはり魔術的な力を覚えた。」と書いている。

それだけに目を瞑ればいまだ鮮明に感動が蘇るものだが、しかし今思い出してもこのルソーはじめとしてモネ、ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャン等々が一堂に会したこの手の展は二度と出来ないだろうとも思う。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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