248ページ目   雑記

無感情が席巻

週明けの日経平均は中国経済への警戒感を受けて3日ぶりに反落となった。先週は日銀ラリー的な動きも未だ一部に残ったものの新しい成長戦略など政策の具体的な枠組みが今一つ不透明で、主力マネーの手控えから投資テーマが見えない中で大台を挟んだレンジが続く状況が継続される見方も多い。

斯様な状況で以前にもこんな相場展開がチャブつく動きの典型と書いた事があったが、先週金曜の日経紙マーケット面にはそんな中でプロを横目に淡々と押し目買い、利食い売りを続けるロボット運用投資の事が書かれている記事があった。

こんなレンジ相場下でTOPIXを上回る好成績組では、あらゆる状況下で収益を目指すロング・ショートファンドの存在があるが、ロボットはその上を行くという。先週は同じ日経の記事でコロケーションと呼ばれるサービスを経由した高速売買の比率が東証で初めて全体の約5割まで上昇した旨も載っていたが、ロボットの自動売買が市場を侵食し始めた様は未知な不気味感が漂う。


実用品との境界線

さて、本日は某サイトでファニチャーの案内を見かけたが、その中にはノルウェーのストッケ社が販売しているトリップトラップそっくりな椅子があったのが目に付いた。ちょうどこれに関しては先週の日経紙で「椅子デザインにも著作権」と題して椅子デザインに著作権を求めた知的財産高裁判決について書かれていた。

渦中の実用椅子がまさにこのトリップトラップだったのだが、日本に輸出販売しているストッケ社といえばこの椅子より大人目線の両面式のストローラーが有名だろうか。出始めの頃はその斬新なデザインから街中でもこれを押しているママなどけっこう注目されたものだが、今でこそ世界中のメーカーがこの高い目線のデザインを採用している。

しかし、この手のジェネリック品は同社に限らず例えば有名なヨーゼフ・ホフマンのソファーなどは今や多くのメーカーが「風」なデザインを無数に製作しネット上でも彼方此方で販売されている。裁判を巡ってはオリジナル側と所謂ジェネリック側で反応が対照的になったが実用品の区分をどう持ってくるのか、この辺は国でも解釈のカラーがあり一筋縄ではいかぬようだ。


休火山?

さて、先週末の日経紙マーケット面には「ひとまず去った嵐」と題して、週末のVI(変動制指数)が25.6となり8月21日以来の低水準に、また米国株のVIも節目の20を割るなど8月からの相場急変の嵐が一先ず去った旨が載っていた。

しかし当欄では先月に「変動率に商機」と題しリーマン・ショック以来の高水準を記録しているVIXを鑑み大手金融機関も変動率に注目した商品上場を検討する動きも出ている旨を書いたが、この手の話が盛り上がったところで一旦沈静化は定石通りか。そんな背景には米では年内の利上げ懸念が和らいだ上に、国内では先の緩和見送りで時価の月末会合では政策変更に動くともみられている事などがある。

全般に緩和トレードもいわれるなか個別も判で押したように緩和に敏感なポストが急速に息を吹き返し、またETF系でも8月中旬から9月にかけての近年稀に見るダイナミックな動きから、9月末から今月は急速に値を消し沈静化を辿っている。結局材料への感応度が都度の地合いでどの程度変わってくるかだが、今週も米中の重要経済指標発表や7-9月期決算が本格化する事もあり中央銀行政策期待と絡めその耐性が試されようか。


高島屋ウォッチメゾン

さて、8月末に当欄で「特定層への戦略」と題して高島屋が国内最多規模となる80強の国内外の時計ブランドを集めた時計専門店を日本橋地区で開設する旨を書いたが、はれて昨日に同店がオープンした。此処はたしか三井住友信託銀行があった場所だったと思うが建物の優美で重厚感のある外見はそのまま温存された格好になっている。

店内はさながら三越ワールドウォッチフェアが常設展?となったような感じにも見えるが、展開する全83ブランドのうちスナイパーはじめ3ブランドが日本初進出という。二階は所謂ハイブランドが揃い、フランクミューラーのコーナーには三越のワールドウォッチフェアでも見た事が無かった3億6千万円を超える値札が付くエテルニタスメガ4が鎮座するケースも聳えるが、その隣にはこれと裏腹に親近感?のわくリペアコーナーがある。

こうした部分から顧客のターゲットとして国内層を見据えての意図も感じられなくもないが、実際に高島屋は直近の6〜8月に前年比48%増にまで伸びた時計売上げのうち貢献したのが殆ど日本人で意外にもインバウンドは2%程度という。

確かに浮沈の激しい新興国勢の購買力も水モノともいえ本邦勢の安定感こそ重要なポイントとなろうが、それでも国慶節で再度爆買いが報じられているようなインバウンドの追い風があるうちに国内需要をどう取り込んでゆくのか、そういった次の展開を見据えた同社戦略の行方を注視している向きも多いだろうか。


次期システム

本日の日経紙マーケット面には昨年11月に上場したJPX日経400先物の累計売買高が昨日は1,000万枚を超えた旨が載っていた。投資指標として同指数を活用する投資家が増え9月の売買高は過去最高になった事が書いてあったが、内訳は海外投資家が72%、証券会社が24%を占めるという。

ところでこの先物といえば同紙週明けの風速計の頁にも「取引所システム、来年も難所」と題し、先の5年ぶりのアローヘッド刷新にホッとする間もなく来年夏にも導入のはこびとなる開発の難易度が高い次期システムへ焦点が向けられている旨が載っていた。

この辺に絡んでは同様のシステムを導入したシンガポール取引所が昨年末に2度の取引停止事件を起こした件が浮かぶが、コモディティーも視野に入れてとりわけデリバティブ分野の強化に関しては新CEOが世界標準に並ぶのを見据え課題として常々挙げてきただけにその動向が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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