278ページ目   雑記

如何に持ってもらうか

さて、一昨日の日経夕刊一面では「個人投資家と対話拡大」と題して、有力企業が「対話拡大」などIRの強化に動き自社の株を長く持ってくれる個人を増やし株価の下支えを狙う動きが出てきた旨が載っていた。

この自社の株を長く持ってくれる個人という絡みでは、先週の同紙にて2014年度の株式平均保有期間が8.9ヶ月と前の年度比で3.3ヶ月長くなった旨も出ていたが、14年にNISAが始まったうえ日本企業が増配など株主還元を強め長期投資が報われやすくなってきたためとの指摘もされている。

振り返ってみれば個人の株式保有期間はリーマン・ショックの年まで長期間傾向にあったものだが、この事件以降は「羹に懲りて膾を吹く」の風潮から回転も速くなった事でこれを境にして年を追う毎に短期化が続いていた。この間に企業側も増配など株主増を図る動きを模索していた事が昨今具現化してきた策などから窺える。

こんな機運が背景にあるのかどうか、期末の権利付き最終売買前には先物ショートに現物ロングを組みその後の解消で配当部分を狙う取引も最近では増えてきたという。権利を確保し6月の株主総会に向けての増配思惑が実るかどうか待つといったところだが、今後はキャピタルゲインをもカバーする魅力的な保有特典をどう打ち出せるかこの辺が課題になってきそうだ。


コーヒーカルチャー

さて、暫く行かなかったうちに近所のスタバがいつの間にか改装し小奇麗な店に変身していたが、こういった所謂シアトル系に続いて最近では米国生まれとされるサードウェーブ系のお店も都内ではジワジワと広まってきている。

ところでこのコーヒーといえば約1年前に当欄でもコンビニコーヒーについて取り上げた事があったが、こうした影響も一部にあってインスタントや缶コーヒーが冴えない中でもこの手は拡大を続け、こんなサードウェーブの波に大手飲食企業もグループの子会社や孫会社経由で続々と参入してきている。

もともと淹れ手が手間暇をかけて出す喫茶文化は前から日本にはあったが、こんな光景を見ていると逆輸入のように見えなくもない。確かにこういった中でベリー系の芳香が漂う変わり種などに初めて出逢った時などなかなか新しい感動を覚えたものだったが、こんな広がりで市場拡大の伸び代はまだまだありそうだ。


上場ゴール終焉?

さて、昨日の日経紙・風速計では金融機関が太陽光事業への融資に慎重になってきている旨が載っていた。この太陽光事業と言えば電力関連のベンチャーとして注目されてきたエナリスがあったが、ココは昨年発覚した不適切な会計処理の問題を巡って東証から1月末に特設注意市場銘柄に指定されている。

先の東証記者会見では最近のIPO銘柄の中には数か月で黒から赤に転落させてしまう例もあるという愚行に苦言を呈していたが、既に昨年発覚したこのエナリス問題のあたりから取引所側として何かしらの対策が必要との雰囲気が所内では出ていたようだ。

確かにやり玉に挙げられた企業の他にも数か月で業績を下方修正したり、不明朗な資金の流れが発覚したりした新興企業が多く最近では幹事にまで風当たりが日増しに強くなっていると報じるところもある。既に胴元はもとよりVC等関連機関も厳しい対応に変わってきているというが駆け込みで滑り込んだ向きがこうした部類にならないことを願うところ。


時を経て再び

さて、昨日は太平洋戦争末期にアメリカ軍の攻撃を受けて戦艦「大和」が鹿児島県沖で沈没してから70年の節目の日で、広島・呉市では追悼式が、また奈良・天理では慰霊祭が行われた。ところで戦艦と言えばこの「大和」の他に、同じくこの太平洋戦争で米軍に撃沈された戦艦「武蔵」も最近話題になった。

これは周知の通りで、先月マイクロソフトの共同創業者で、8年前から武蔵の船体探索を始めたという資産家のポール・アレン氏が、先月に武蔵の船体を比中部の水深1千メートル地点で発見し、船体の潜水調査の様子をインターネット上で生中継した件。映像を確認した日本の軍艦に詳しい専門家も間違いなく大和型の戦艦で武蔵であると指摘している。

これまで武蔵が撃沈された場所は戦闘記録から判明していたが実際に沈んでいる場所は確認されていなかっただけに奇跡の発見となったが、奇跡の発見といえば同じ3月には100年以上も行方が知れなかった江戸時代後期の浮世絵の巨匠、葛飾北斎の傑作「隅田川両岸景色図巻」も発見された件も報じられている。北斎壮年期の肉筆画の傑作ともいわれるだけにこちらも一般公開が待ち遠しいところである。


伝統的モデルからの移行

本日は日本取引所グループがCEOである斉藤氏が退任し、東京証券取引所の清田社長が次期CEOに昇格する人事を指名委員会で内定した旨を発表している。月末の取締役会で決定し6月の株主総会を経て就任というスケジュールだが同取引所の発足から2年余り、アジアの中核的市場構築を進める狙い。

アジア中核的市場構築という事だが現状で時価総額は昨年半ばで世界7位、同じアジアでは香港取引所が世界2位である。また昨年の現物株売買代金は世界6位で同じアジアの上海や深圳の中国主要取引所を下回っているのが現状。関係強化も視野に入れつつ海外マネー誘致もキーになってくるが、これに先駆け同氏は出遅れたデリバティブ分野の強化を急ぐのが課題という。

確かに欧州等を見ても上記時価総額で世界第4位だったドイツ取引所は、傘下に擁するデリバティブ部門の売上高全体に占める割合は4割に達し、現物株の売り上げは1割に満たないなどデリバティブで先行している。新CEOの経歴は大和で伝説の債券トレーダーだったという事だが、マーケットの精通者としてどうマネージメントしてゆくのかその手腕が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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