変わらぬ手口
さて、先々週の日経紙(日曜に考える)では、2006年のライブドア事件が取り上げられており当欄でもこれについて触れたが、先週のそれは1980年年代に世間を騒がせたあの豊田商事事件について取り上げられていた。
当時はちょうど彼方此方横行していた私設市場を懸念し商品取引所法の改正がありこの辺がこの手の業者が蔓延るようになった背景でもあったが、金だけでなく枝葉を広げてベルギーダイヤモンドや鹿島商事などダイヤモンドからゴルフ会員権まで扱う雑食企業、最後は会長が襲撃されその後事件の全貌が次々に明らかになってきたが今でも当時の様子は生々しく思い出される。
同紙の見出しには「悪質商法の源流 詐欺師の養成所」と題してあったが、企業名から始まりテレコール部隊やらそのシステム化された営業手法、異業種への進出意欲など今や消えていった業界大手も考えてみればまさにこれの映しだったような気もするが、そういえばこの豊田商事が商品なら時を同じくして投資ジャーナルという株式版もあったなとも思い出す。
それはともかく何れにせよ一見無数に見える詐欺手法も基本部分は今も昔も変わっていない。近年起きている詐欺的事件もカラクリは至極単純ながらそれでも実際に広い年齢層が釣られ被害者として毎回毎回多数出てくるのも不思議だが、今更ながら最大の防御は金融リテラシーを先ずは各々磨いておく事だろうか。