282ページ目   雑記

首位逆転劇

さて先週末の日経紙総合面には、「第一生命、日生抜き首位」と題して先週出揃った主要生命保険会社の2014年4-9月期決算において、売上高に当たる保険料収入で第一生命保険が日本生命保険を上回り、半期ベースで初めて首位になった旨が載っていた。

日生は戦後ほぼ一貫して首位の座を維持してきたものだが、4年前に業界初の上場を果たした第一生命にとっては悲願だっただろうか。ところで同日の企業面には「全日空、日航と相乗り難色」として経営不振のスカイマークを巡るJALとの共同支援にANAが応じない方針とも出ていたが、この両者も今年は航空会社の実力を測る指標の輸送能力を表す「座席キロ」でANAが86年の国際線定期便就航以来初めてJALを上回り、続けて売上高に直結する「旅客キロ」もJALを抜く逆転劇が見られた。

株式市場でもしばしば大手間で価格、時価総額の逆転劇が見られるが、近年では短期で解消されると見られていた逆鞘がそのまま定着している例も少なくない。大手間でもますます下剋上が彼方此方で鮮明になる時代になってきたか。


商品と需要

本日も引き続き外は冷たい雨模様でTVでは12月下旬相当の天気云々とも言っていたが、天気といえば昨日の日経紙には、三井住友海上火災保険が大雪など冬場の天候不順で生じる損失を軽減するデリバティブの販売を本格的に始めるとの記事が載っていた。

この商品、今年あたまの関東地方の大雪被害を踏まえ天候不順による減収リスクを回避したい中堅・中小企業の需要が高まったのに対応したものというが、この三井住友海上火災保険といえばかつて落雷を対象とした「雷デリバティブ」を発売したのが思い出される。またこの類では確か8年前だったか損保ジャパンも暖冬リスク対応デリバティブなる商品もあった。

今回の商品も含めてこれら上記の通り天候不順による減収リスク回避需要の高まりから出た物だが、近年地球温暖化の影響からか異常気象がますます顕著になってきている割にその利用状況は今一つという感も。そういえば東京金融取引所も9年ほど前には天候デリバティブ上場方針を固めていた事があったが、こちらも今後が気になるところ。


老舗と相乗効果

さて、先週の当欄では「フュージョン料理」と題してユネスコの無形文化遺産に登録されたことで更に世界中で和食ブームに拍車がかかっている旨を書いていたが、和食といえばちょうど先週末の日経紙一面には「老舗料亭「なだ万」買収」と題し、アサヒビールがなだ万を買収する事になった旨が載っていた。

アサヒは料亭経営参画で得たノウハウを外食産業への営業や経営支援に生かしてゆくというが、大手飲料の外食事業買収はサントリーくらいしか聞いたことがなく、アサヒの件はなだ万という名前と併せてけっこう新鮮なニュースであった。

一方のなだ万は営業基盤を安定させ海外への出店を積極化してゆくという。海外といえば日曜日の日経紙でもフランスで輸入規制緩和を受けて和牛が店頭に再び並び始め、国民議会の議員有志は日本酒愛好会を立ち上げるなど和食人気の裾野が広がっている旨が取り上げられており、この辺絡めて機運とみたようだが今後どのような展開になるのか楽しみである。


サンゴバブル

さてこのところ問題になっていた小笠原諸島や伊豆諸島周辺での中国漁船による赤サンゴの密漁だが、最多観測だった先月末から今週にかけてはこの泥棒連中の船が大きく減っている模様だ。この件、10日の日中首脳会談以降にこうした事が顕著になるなど潮目が変わった事でいろいろと思惑も出ている。

密漁対象になるほど魅力的になってしまったその価格だが直近では入札価格が3年前と比べて2.6倍に膨らんでいる模様で、とりわけ赤サンゴは白サンゴの100倍以上になるという。中国ではコモディティー投機でも毛色の違うものとして、ここ数年プーアール茶から新型インフルエンザが出てきた時には唐辛子やその価格が前年同期比で120倍以上になった大蒜が投機対象になった件が思い出されるが、儲かると思えば果てしなく煽るキャラが如実に現れている。

しかしこうした単純な投機熱なのか、上記のように政治的な背景があるのかその辺は不明だが何れにせよ相変わらず世界へ醜態を晒し続けていることに変わりはない。


フュージョン料理

さて、今週あたま迄にユネスコの無形文化遺産に登録された「和食 日本人の伝統的な食文化」の認定書をユネスコ事務局長が文部科学相に手渡すはこびとなった。こうした動きが世界で巻き起こっている和食ブームに拍車をかけ、なかでも寿司などは人気が不動のものになりつつある。

過日もTBS系で「世界に巻き起こる寿司ブーム」として全国寿司商生活衛生同業組合連合会と国際すし知識認証協会が主催する「ワールド寿司カップ」の模様が放映されていたが、今年は12か国が出場した模様で独創的な素材を用いたなんとも創造性のある作品?が並んでいた。

今や定番となっているアボカドをはじめとして、例えばチェコの職人はウニが手に入りにくい為にカボチャでウニを、グリーンピースでわさびを表現した軍艦を、またブラジルの職人は生ハムにチ−ズ、そして仕上げにコアントローを垂らすなど一度トライしてみたいと思わせるような作品もあった。

一昔前にはお笑いのネタになりそうな見様見真似の和食屋が世界各地で見られたものだが、今や隔世の感。既にアパレルでは世界同一規格を謳いつつも現地の嗜好性を取り入れたラインナップを展開するのが普通になってきたが、上記のように漸く食の世界も旨みの文化がその地の料理と融合し新しい物を創造してゆくという形態が整ってきたように感じる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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