309ページ目   雑記

怪しさ満載の初期対応

さて半沢直樹が大ヒットとなった中、みずほ銀が不適切な融資を解消していなかった問題が燻り、直近では監督責任を追及し親会社の株主が歴代経営陣に賠償請求を求めるとの件もあった。この一連の問題で株主が経営陣責任を追及するのは初ということだが、何れにせよ大規模システム障害然りなかなか教訓が生かされない企業である。

前回もそうであったが誰が見ても不自然なのはその対応か。会見の度にその内容が前回を覆すように二転三転しとても信用業務を生業としている企業対応には見えないが、これを見ていてオリンパスの粉飾問題が明るみになった時の光景を思い出した。

そういう目線で見ると最近では他にもカネボウの化粧品問題、ソフトバンクモバイルの信用情報誤登録、中国産米問題が発覚したイオンのIRなどその初期対応には他の話題を立て話題を逸らしたい様子が満載で違和感を感じるが、各々その処理が容易ではない内容の問題というのは想像に難くない。

こんな体制では上記のみずほ含め利用者や株主の不安もより募ろうというものだが、当の株価は不祥事発覚後でカラを売っても薄利、こういったヤレヤレのカバーもあってか短期で回復を見せる旨みのない存在だがこれはこれで今の地合いなのかもしれない。


PB下克上

昨日の日経紙企業面には「高品質PB集客の目玉」として小売各社が好採算の品質、価格が高めのPB集品を増やし集客の目玉にする動きが広がっている旨が載っていた。斯様に従来低価格を武器にしてきた業態の一部高価格帯への進出が最近目立っているが、この辺はつい昨日も吉野家の一部高価格牛丼の提供について書いたばかり。

またこのPBについても今月上旬にネスレを取り上げた際の末尾で、「最近ではこのPBもセブンゴールドの「金の食パン」が大ヒットし大手の追随を喚起する等なかなか面白い構図になってきている〜」と書いたが、この時に書いたイオンのPBが大手ネスレの主力製品を模倣する等が通常の光景なら、昨今の動きはまさに大手がPBを真似るというこれの真逆の現象が起きているところが面白い。

ナショナルブランドながら低価格競争が足を引っ張る一方で消費者ニーズを汲んだPBの下克上現象が起き、これに他社が喚起されるというこれまでの通例が崩れる構図は食の新たなパラダイムシフトか。思えば今迄こうしたものが無かったのが不思議な感もするが、胡坐をかいている大手はほんとうにうかうかしていられない環境になってきた。ブランド下克上は今後の消費構図をどう変えてゆくのか、まだまだ目が離せない。


これも具現化

本日吉野家の前を通った際にふと思い出したのだが、先週末にはこの吉野家が永田町に店舗を新規出店している。出店自体は珍しくないがココには特別メニューとして1,200円の「牛重」が登場し、初日の昼過ぎにははや完売御礼となった模様だ。

この辺は今年の夏にマックがプチ贅沢路線を打ち出したのを取り上げた際の当欄で「同じファストフードの他業態では値下げ競争が激化して久しい牛丼があるが、これは専門を謳っている見せも少なくこうしたところこそブランドが浸透しているところは高価格帯のプチ贅沢路線は選択の一つと思うが〜」と書いた事があったが、これまた当時書いていた事が具現化した格好である。

この吉野家、既に高級路線の店舗はかつて赤坂に出していた時期があり、実際は今回が初めてではない。此処には私も行ったことがあるが今回のロケーションも国会と一般向けではないにしろ永田町とこれまた赤坂地区、アンテナの意味合いがあるや否や今後の戦略が興味深いところ。


新種RIET続々

先週の日経紙投資面には「基礎からのRIET」として、NISAの対称にも入っているREITの基本的な仕組みやポイントが連載されていた。以前にも何度か取り上げたが株式と共に債券等に比べて魅力的な利回りや、小口が利く当の利便性からこうして同紙でも連載が組まれる等注目度も近年高まっている。

このREITに関しては近年多様化が進み今年出たユニークなパターンとして春先に当欄で取り上げた星野リゾートの所謂「旅館REIT」があったが、この時にも末尾で一寸触れたショッピングセンター等を組み入れたイオンのREITが来月後半にもこの手では初の上場となる見込みだ。

ショッピングモールの積極出店や、アジアでの小売シュアを確立するためにも効果的な資金調達が求められこのREIT等はその辺の試金石ともなる存在なのはいうまでもないが、初モノといえば更に来年には老人ホームや病院等介護・医療施設に運用対称を限定したREITも始めて上場する予定。

斯様に政府が創設を解禁することを受けて上記の通りRIETも多様化が加速しているのが現状だが、これに伴いこの分野でも投資家の選択肢が一段と広がってくる事になりそうだ。


日進月歩の技と趨勢

ベルギーのアントワープで開催されていた世界体操選手権において週末の種目別決勝では、白井選手が男子床で、亀山選手が男子あん馬で、そしてベテラン内村選手が平行棒でそれぞれ金メダルを獲得する快挙の報があった。

中でも今回は世界で彼しか成功例がなく、特に注目されていた白井選手の金を取った床運動は圧巻であった。金を取る決め手になった今回のF難度「後方伸身宙返り4回ひねり」は既にFIG(国際体操連盟)に新技申請しこれではれて「シライ」と命名されることになったが、あのミュンヘンオリンピックで生まれた「ツカハラ」から約40年、今では若干17歳の高校生が自身の技を国際的に刻む時代になったということか。

実際上記の世界を驚かせたツカハラこと「ムーンサルト」も今では高校レベルでは普通に大会練習等で彼方此方でお目にかかれるし、先のロンドンオリンピックでのオランダのゾンダーランド選手のD難度以上3種の連続技を見るに末恐ろしい感さえ覚えるが、個人的には停留することの無い流れに美しさを見出していたあん馬の近年の倒立系や、ロンダードから入る跳馬等にはやや違和感を覚えるところ。

斯様に体操界も本当に日進月歩を感じざるを得ない。一昔前の体操といえばやはり美しさが要であったが、今や前人未到の大技を繰り出してDスコアを吊り上げてメダルを狙うのが趨勢になってきている感じがする。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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