329ページ目   雑記

新指数算出・公表

今週は週初より配当込みの日経平均の値動きを示す「日経平均トータルリターン・インデックス」と、日経平均が先行きどれくらい大きく変動するかを示す先物の価格を指数化した「日経平均ボラティリティー・インデックス先物指数」なる新しい2つの指数が算出・公表されている。前者は配当を含めた投資の成果を測る指標として有効で、後者は常に満期が1ヶ月先になる先物取引があると仮定、限月をまたぐような投資の評価がし易くなるという利点が狙いという。

もう一つ、株式関係の新指数と共に同じ日からコモディティ関連でも日経・東工取商品指数と日経・東工取サブ所品指数の値動きを対象にした新指数が出ている。即ち、「レバレッ指数」と「インバース指数」がそれで、前者は前日比の変化率が対称指数の2倍となり、後者は逆の動きになるというもの。

このレバレッジ型やインバース型などは既に株式の方ではお馴染みのもので、既にETFなどは先月の当欄で書いたように大手ネット証券の「ETFランキング」にて「日経平均レバレッジ」が1位に輝くなど今年登場の新顔ながら非常に人気の出ているものである。

既に商品指数は鳴り物入りで登場したものの、消えていった経緯があるがこんなレバレッジものを出してくるあたりやはり今の株価指数系の人気に肖るというところだろうか。当然ながらこの次の展開としてはETF組成など枝葉になってくるだろうが、現状TOCOMモノの連動型の商いは見ての通りでこれら今後の扱いがまた課題となってくるだろうか。


PTSも夜間も

このところ金が弱含み昨日まで期先など約2週間ぶりの安値を付けていたが、そんななかでETFも乱高下、昨日など寄りからの値上がり率ランキングには仕手系銘柄群に交じってETFS金上場投信などがあったのが目に付いたが、なるほど商いがまだ16株程度では斯様に値が飛ぶのも致し方なしか。

金関係で値が飛んだといえば、ちょうど1週間前のTOCOM夜間取引にてわずか5分間の間に金が50円安と急落したのが一寸した話題になっていたが、約7,000枚の爆弾などプログラム売買によるものと考えられている。

こんな乱高下ではもう一つ最近目立つものにコモディティーではないがPTS市場がある。けっこうマトモ?な銘柄が突如として急落したりするからこれもときおり話題になるのだが、システムも自動化や高速化の発達と共にやはりこうした問題は常に付いて回る。

このPTS、既に取引量増加については何度裳取り上げてきているが先月のSBIジャパンネクスト証券の月間売買高は月間で初めて1兆円を突破、もう一つのチャイエックスジャパンも先月の売買代金は10%増という。商いの薄いETFなどは当然ながら、ある程度のリクイディティのあるものでもこの手の執行リスクにはまだまだ注意が怠れない。


残存利益

昨日は中央自動車道・笹子トンネル天井崩壊事故でその関連株が急騰した旨を書いたが、本日も昨日の地合いを継いで日本橋梁など筆頭にそういった関連株がザラバで派手に値を飛ばす場面が見られた。

この日本橋梁といえば、トンネル事故が起きる先週から買われていたが、これは同業の橋梁メーカーのサクラダが先週パンクしたために「残存者利益」期待への思惑が募っていたもの。このサクラダの一件でもう一つ敏感に反応し激しい動きをしていたモノにやはり先週私的整理の発表をした中山製鋼がある。

この中山製鋼、当欄では今年の6月に「GOING CONCERN」と題し末尾には「〜業界大手が筆頭株主になっている企業も登場したところが興味深い。一昔前と違って近年は再編の嵐で不採算部門への見直しが顕著、上記の通り大手が筆頭株主でもウカウカしている場合ではないということか。」と書いたが、これは同社のことであった。

こうしたパターンでは海運市況低迷から同様に厳しい立場におかれていた第一中央汽船も筆頭株主である商船三井の支援を仰ぐ格好になったがどの業界も厳しさ満載、日立や三菱重工の事業統合も発表されているが今後も再編の流れが加速してくるか。


災いをテコに?

本日の日経平均はザラバで約7ヶ月ぶりに9,500円台を回復するも、一部達成感もあり後場はややダレるなど強弱感対立するなかで辛うじて3日続伸となったが、やはり師走入りということで今年も材料株相場の様相が出てきている。

中央自動車道・笹子トンネル天井崩壊事故で、トンネル熊さんこと熊谷組やハザマ、ピ−エス三菱や日本橋梁までその関連銘柄がストップ高含む急騰を見せた。もともと自民党政権復帰の可能性から国土強靭計画による公共投資拡大に期待がかかりこの先週までの上昇でカラをある程度呑み込んでいただけに、粘っていた向きの踏みも週明けから一役買っている模様。

またトンネル関連ほど派手さはないが、北朝鮮の人工衛星と称する長距離弾道ミサイル発射予告を受け、防衛庁もパトリオット搭載準備を進めるなどまたかという二番煎じながら石川製や豊和工、東京計器など防衛関連も軒並み高。何かこう災いばかりが好材料になっている感だが、強弱間の対立するところで平均の伸び悩みをカバーするために資金の回転を効かせるのにはこの手の材料は渡りに船でなんともタイミングが良いといったところか。

余談だが、トンネルというとやはり思い出されるのは佐藤工か。今も市場に上場していれば真っ先にストップ高コースだっただろうが、バブル崩壊と共に市場から消えてしまったいま当時の時折見せた大相場がなんとも懐かしく思い出されるものだ。


本領発揮

昨晩の米株式は反発、再度大台を窺う展開となっているが「財政の壁」回避へ年内合意の期待という他に今年もヘッジファンドの45日前ルールも健在といったところか。ところでヘッジファンドといえば週初の日経紙にはハイリスク・ハイリターンを求めるヘッジファンドが、南欧で最も厳しい状況のギリシャの債券や株式の投資に乗り出している旨も書かれていた。

リスク選好はこれにとどまらず本邦もターゲットにされており、不振を極めている大手家電や鉄鋼、紙に至るまでボロボロに売られた企業のCDSにも積極的な投資姿勢を見せているとも先に報じられている。上記などギリシャの動向如何では資産の毀損が著しくなる可能性もあるが、これら可也危機を折り込んだ水準と判断し上手くいけば1年で2倍に増えると見ている模様とか。

ちなみにユーロ圏が今週決定したギリシャ支援策では同国に自国国債を買い戻させることで合意、このまま行けば額面の遥かディスカウントで手当てしたファンドは思惑通り多額の利を手にすることになる。また、上記のCDSも取得以降の株価崩落や格下げラッシュによって既に倍以上になった模様。

このところ世界景気の減速で、ファンドもアジア含めて運用難から資金獲得にも苦戦し清算も増加傾向といわれていたものだが、しかしこうしたリスク選好型が増えてくると今では消えてしまったものの一昔前にパラジウムを買い占めたタイガーファンドのようなものも出てこないものだろうか?商社も挙って参入していた当時と違って商品市場も枯れてしまっているだけに話題性だけでも賑わいを期待してしまう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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