330ページ目   雑記

分散と役割

さて、本来の予定であれば今週の月曜日からは東証が現物株の前場の取引終了時間を30分遅らせ、昼休み時間を午前11時30分から午後零時30分の1時間に短縮するはずであったのだが、周知の通り東日本大地震後の厳しい電力事情を受けて節電に協力という格好でこれが延期になっている。

他にもサマータイムを導入、ポロシャツなどの節電ビズ、マーケットセンターの電光表示板消灯、各種イベントの中止も併せて実施、証券取引所といえば西では大証も7月からの一部業務を大阪市の本社に移管することを柱とした節電策を発表している。

ところで先週5/3付けの日経紙では全国の都道府県知事に実施した東日本大震災に関する緊急アンケートで、首都機能の分散・移転が「必要だ」と答えた知事が27人と過半数に達し、東京一極集中に懸念を強めている旨が載っていた。この辺に関しては先に東京都知事も「首都機能のうち証券市場の中心は大阪に移すなど、大きな発想力で取り組むべきだ」と訴えている。

東京といえば国際金融都市を事あるごとに謳い永田町でもそうした議論が盛んに行われていたものだが、今となっては誰も口にしなくなるくらいジワジワとした凋落ぶりは各方面でも周知の通り。はたして国内でも今回をいい機会と捉えて経済系は西へと仕切り直しなどという気運になるのか否か、東西の役割分担などテーマが大きく直ぐには先が見えてこないものの今後もこの辺の論議には注目したい。


Egg Hunt

さて、本日の主要なマーケット関係は欧米がイースター休暇で閑散ムードであった。例年の事ながらエイプリールフールが終ると次はこのイースターで、街の欧州系スイーツ処や大使館が隣接する地域のマーケットなどには思い思いのイースターエッグが早くから並ぶ。

そうそう大使館といえば今回の震災で逸早く日本脱出を奨励していた原発大国フランスだが、個々ではカルチャーの啓蒙は続けられピエール・エルメなど今月中旬には原美術館の庭園で「エッグ・ハント」を開催している。そういえばこの時期TDRも「エッグ・ハント」をやっていたような記憶があったなと。

で、深夜はといえばお子様タイムのエッグハントとは一転雰囲気が厳かになって御茶ノ水のニコライ堂の「復活大祭」になるが、今年はあいにくの雨に見舞われあたかも震災の悲しさを物語っているようでもあった。目下のところ震災復興に向けて総力を挙げているところではあるが、そういった思いもあって今年の「復活祭」はかつてないほど誰もが重く感じたことだろう。


「FLYJIN」なる現象

さて、先の日曜付け日経紙中外時評には「鏡に映ったニッポン」と題して原発事故以降に外国人の東京脱出や帰国ラッシュが急増した模様等が書かれていた。確かに震災後入管や空港に外国人が殺到している様はさながら日本が完全に見捨てられている様以外の何物でもないような光景にも映ったが、一連の官民ディスクロをみればそんな行動も已む無しか。

一般はともかく、先に書いたように外資のビジネス関係は今回のような危機的事態下で企業トップがとっとと海外脱出して日本不在にしてしまうような向き(まあ、日本もその危機の根源となった東電のトップは体調が悪いとかでとっとと病院へ逃げてしまったが・・)と、残って陣頭指揮を執っている向きがけっこうハッキリ分かれたが、消費者はけっこうこういったところを見ているものである。

ロクなプレスも無しにいきなり店を閉めてしまう暴挙?に出たブランド系など一部ファンにはがっかりした向きも少なくない筈だが、一方で一応発表した向きもその理由が各社辻褄の合わない苦肉の言い訳が窺えてある意味面白いような残念なような複雑な気持ちになるものである。

しかし日本人でさえあれこれ裏読みしなければならないディスクロでは、異国の地で更に読み解きが難しい外国人には無理も無いか。日経紙文中に外国人ジャーナリストの話があり、「外国語に論理的に訳しようのない言い回しが多用されているが、もし悪意があればこうした曖昧な特徴を使って誰も責任をとらずに幾らで好きなことが言える。」との旨が書かれていたがまさに的確な表現。これほどの先進国にあって、その実体は官民揃って責任の所在が曖昧になりがちな日本社会の構造は海外から見ると相変わらず奇異に映っているものだ。


再試練

さて、先週末の日経紙夕刊一面には、都内の主要ホテルの客室稼働率が3月は49.8%と調査記録が残る1991年以降、過去最低となった旨が載っていた。平均稼働率は前年同月比33.6ポイント低下、国内主要ブランド含む3ホテルは40%を下回り、あのインペリアルは40.1ポイントの低下という。

これら東日本大震災の影響が出たのは一目瞭然だが、こうした老舗系?ではなく新興勢の中でも一際即決だったところには後発組の「シャングリ・ラ ホテル東京」がある。漸く先週から営業再開となったものの、此処は大地震一週間後から早々に営業を休止してしまった。出来たばかりで特に崩壊箇所も無かったワケだが、やはりその客筋を考えたらなるほど外資系ならではの決断の早さだった感もある。

話しは戻るがしかし関東のホテルは震災前であっても既に厳しい状況が続いており、各社生き残りをかけて時節柄受験シーズンを絡めたものとか、東京マラソンを前にしたランニング絡みのものから女子会モノまで個々でアイデア勝負を競い始めていたところ。

これらいずれも値下げを抑えて話題性で呼び込もうと図ったものだが、震災後さすがに背に腹はかえられなくラグジュアリークラスさえ最近は挙って特別宿泊プランなる案内を頂くが、中でもミドルとの境目が微妙なところは特別プランよりもはるか割高な通常プランで一般はリピートするであろうか?グルーポンなどもそうだが、この辺はそれほど極端ではないにしろそうした動き絡めて今後の成り行きを見守りたい。


詰まるところはその体質

さて、どの程度危ないものが飛散しているかわからないものの、天気も良かったので本日は久々に歩いていつもの所へ向かったのだが、徒歩だと日頃通り過ぎて気付かなかったものが目に入ってくる。そんなものの一つにあの東電の社員寮があったのだが、一寸見ない間に其処には「○○町寮」とだけ印字され、社名が入っていない真新しい表札へと付け替えられていたのが一際違和感を覚えた。

そんなことを感じながら暫し眺めていたら、関係者?なのか通りがかりの女性が、原発事故以降に社員への苦情や脅迫があまりにも頻発していることで、会社側が安全のために都内の社員寮の表札から社名を消すように指示したようですと話をしてくれた。しかし役員ならともかく一般社員までそんな事情があったとはなんとも悲しい限りだ。

そんなワケでここ数日東電モノが続くが、薄っぺらな演技で首相に怒鳴られて以降体調不良とかで雲隠れしてしまった東電社長が一ヶ月ぶりにノコノコ出てきて会見を開いていたが、やはりというか上から目線で答えになっていない答えに終始し核心には触れず終い。そもそも世界を震撼させた危機の最中、その渦中の企業のトップが体調不良を理由に不在などというのは前代未聞、こんな部分で企業の体質が現れるというものだ。

そうそう、体質といえば天下り斡旋禁止の気運の中でも、ここは今年の年明け早々に経産省OBを迎え入れている。過去数名が当初の顧問職を経て役員になっており、既に青写真が出来上がっているということか。しかしもともと今回怒鳴られて雲隠れしてしまった社長の起用はこうした官僚的な東電の体質を一新するとの策があったと一部指摘もあるが、朱に交われば赤くなる。ココの歴代トップは原発関連の不祥事で辞任に追い込まれた経緯があるが、またも同じことを繰り返す結果になるのは想像に難くないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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