363ページ目   雑記

金色のマッチ箱

さて、昨日の帝国データバンクの大型倒産速報は一気に5件もの掲載とその多さが目立ったが、其の中でも目を引いたのが(株)東京シティークラブの破産手続き開始決定の報であった。

(株)東京シティークラブというより「シティクラブ・オブ・東京」と言った方のが解り易い向きも居ると思うが、ちなみにバブル経済ピークの頃にあのカナダ大使館のビル内に設立された英国式のクラブに倣った会員制プライベートクラブである。会員制クラブを謳うところはこの頃にそこそこ増えたが、ココは当初他とは一線を画しそれなりの客層が多く揃っていたのが印象的であった。

まあ、此処は食事などはそのコストからすると失礼ながら普通以外の何物でもなくポイント寄与は全くなかったが、それでも立派な調度品に囲まれた落ち着いた空間はやはり他とは異質であったという事もあって、私もかつては打合せなどで何回も使ったものだが、昨年から既にメンバー間では不審視されており果たして年明け早々には休業体制に入っていた。

他の破綻モノが主役なだけについ見落としそうであったが、名門云々問わずこういった二次的、三次的なモノも当然といえば当然なのかなと。ともあれ紙屑に向かう会員権、年会費その他であるが一部には外国人経営陣がとんずらという話も出ている、そう考えると会員権ならぬ劣後債?とか含め何やら年末に破綻してしまった某証券会社に構図が酷似しているなあとフト思った瞬間である。


垣根が復活?

NYでは株式が3日間で500ドル超の下げとなり、日経平均も本日は一時10,500円割れとなるなど引続き世界的な株安の流れが継続、この辺は周知の通り先週にオバマ新政権が新たな金融規制案を発表したものに因るところが大きいが、取り敢えずは消化不良で一旦巻き戻しておこうというところか。

この規制案、1930年代の「グラス・スティーガル法」の復活かといわれ、銀行・証券の垣根を高くする派の元FRB議長のボルカー氏や国際競争力の観点から難色を示すガイトナー氏やらと取り沙汰されているが、夫々の立場もあれば素材も大きすぎるということもあり、ハードランディングしないよう均衡を探るのは容易であはるまい。

また、成長著しい中国経済に絡んでチャイナマネーへの影響も懸念される。ここ最近のGM傘下のサーブを一部買収した北京汽車や、フォード傘下のボルボ等を買収した吉利汽車等を取ってみてもその背景には米投資銀行の影がチラついているし、これから双方にカネが落ちる青写真を描いていた彼らに取って可也厄介な話だろう。

今後は詳細を巡って議会との調整もあろうが、何れにしても思惑で株式、商品その他マーケットが揺れる機会が増える可能性もあるだけにその成り行きには注目しておきたい。


お上も投資家も右往左往

やはりどうしても素材が大きいのでJALネタに傾斜してしまうが、本日の日経紙で目に留まったのは企業総合面、「日航 法的整理-再生はできるか」欄か。冒頭では、TV番組にて2社体制の堅持を唱えてきた国交相の一転した軌道修正発言に対して波紋が広がっている旨の事が載っていたが、これに限らず整理に至るまで折に触れ彼のブレ具合は時系列で追われても仕方無いところだろうと思う。

昨日コメントしたようにこの手の事前予告型などは尚更自己責任を論ずるまでも無いが、中には素直に彼の数ヶ月前の発言である法的整理は考えていないとか、自主再建は十二分に可能とかの発言を頼りに右往左往した投資家も居よう。自己責任の範疇で株主責任を問われるのは当たり前だが、問題はリップサービスが多ければブレも多いその言動か。

一寸この辺の指摘が出るとまた庇う役目もしっかり徹底されていて、日証協の会長などはこれら一連について「発言や報道が交錯しても株価の動きに誰かが責任を持つという事はありえない」とし政府に責任はないとの弁、加えて06年の大型ファイナンスの件でも「当時の情報開示や、引き受けた証券会社に問題があったとは考えていない」とのオマケも付けている。先週もコメントしたように、こんなインチキ増資直前の株主総会で一言もこれに触れず突如として敢行する情報開示に問題は無いのであろうか?

末端レベルでこうした経緯があれば、それこそ間違いなく風説の流布やら開示義務違反やらで応分の処分という方向へ持っていかれるだろうが、上がやる分にはお咎めなしか。しかし市場もそうだが、もう一つ日経紙の春秋に出ていたように空港等に見られる政と官の有形無形の圧力でまともな規律が働いて来なかったという航空政策も本当に罪深い。世界から遠ざかってしまった日本が何処まで地盤沈下を回復出来るか、この際だからこの辺にもメスを入れるいい機会だと思うが。


GOLDの犯罪いろいろ

さて、先の連休中の日経紙にも金投資のための基礎知識として金関係の話が載っていたが、週明けのNYでも約一ヶ月ぶりに1,150ドル台を回復してくるなど、再度金価格の上昇が話題になる機会が増えている。

そんな人気者?だけにこの年末年始の犯罪でもこの金絡みの犯罪が目立ったが、先ず複数件挙げられて目に付いたのが金地金の密輸モノか。オーストラリアや近場では韓国や香港などから金地金を密輸しそれを国内で換金、その消費税分を抜いてしまおうという労多くしての原始的なもの。

同じ抜くのでも、この手の消費税法違反や関税法違反ではなくて値幅を抜いて所得税法違反というパターンもあった。まだグラム1,000円そこそこの時から数年間買い付けたものを、06年以降価格が2倍以上になったところで順次売り抜け国税に目を付けられたというケース、これは相場に乗れたマトモな方か。

果ては振り込み詐欺系、その振り込ませる先がインチキ口座ではなくマトモな貴金属販売業者の口座に振り込ませ、貴金属業者には金現物を私書箱宛てに送らせ、後にそれを転売し現金化というパターン。この辺は銀行窓口でも業者への商品購入代金を振り込むパターンから警戒感が薄くなるという効果も見越し、一回200万円を超えない範囲とこれまた犯罪収益移転防止法まで抑えているあたり悪知恵のセンスが光る。

しかし盗品でも何でもそうだが、マーケットというのはそれぞれ最低限の構成があれば成り立ってしまう。上記のパターンもそうだが、EXITが比較的容易に実行出来てしまうその環境も今後再考すべき事項であろう。


欧州流のIR

休みも短く年が明けた実感もそう鮮烈にあるわけではないのだが、街ゆくビジネスマンなど暮れと同様に企業のカレンダーなんぞ幾つも手に歩いているのを見るとやはり睦月だなあと感じる。

さてこのカレンダー、昨年は多くの企業が経費削減とやらで刷るのを止めてしまったところが散見される。JALのキャビンアテンダントカレンダーなどは私も長年使っているがこれも残念ながらもうお終い。ココはなんでもカレンダーのみならずエコノミークラスなどは今後新聞までなくすのを検討中とか。まあ、今が正念場のJALだけに仕方がないのかもしれないが、カレンダーなど名物であっただけに知人のキャビンアテンダント達の中にもこれを惜しむ声が多い。

ところでカレンダーもIRよろしく見てもらってナンボとの部分が多いが、お堅い日本と違って一寸海外に目を向ければ近年やたらと増えているのセクシー系か。JALのカレンダーではさすがにヌード版など無いが、同じ航空業界ではいろいろとお騒がせなあの某格安欧州系では慈善団体基金集めの為とかでキャビンアテンダントのヌードカレンダーが存在するし、バークレイズが触手を伸ばしたロシアの某銀行なども上級マネージャー始めとして女性行員をモデルにしたヌードカレンダーが存在する。

そこで日本、大手メガバンクなど株主を嘲笑うかのように巨額のファイナンスを繰り返しているが、せめてもの罪滅ぼしで微々たる配当と共に株主優待でこんなカレンダーを配る試みなど如何?株数に応じて内容も変化させたりとくだらないアイデアは尽きないが、まあそんな器量というか逆立ちしても無理だろうな。ただこの手の緩みを持たせるような部分も時には疲弊した金融界には必要かとも思うが。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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