365ページ目   雑記

星と驕りと・・

昨年に続いて今年も先週末にはあの「ミシュランガイド東京」の2009年版が各所で一斉に発売になっていた。

今回は調査対象も広がり星獲得の店も前年の150店から173店へと星の大盤振る舞いは変らず、消えゆく店はあっても補充候補には全く困らずと、これでは本拠地フランスでも世界の美食の都はもはやパリではなく地球の反対側にある等の現地ヤッカミも報道されて然るべきか。

さて、一方で昨年星がバラ撒かれた後の一年を見ていたが果たしてお粗末な部分も露見、二つ星を獲得したヒルトンの「トゥエンティ・ワン」では流行?の産地偽装が発覚とは何ともお笑いだが、これ以外でも先月少し触れた「ブノワ」始めとして星を取った店の閉店も相次いでいる。

こうした背景には当然驕りもあったのだろうが、やはり一年前に書いたようにこの分野を星でランク付けするのは限界があるように思う。

アジア初の発行となった昨年2008年版といえば27万部が完売との報道があったが、今年はメジャーな処数箇所を見たがいずれもたまたまなのか否か巷の報道とは逆に見事なほどこのコーナー前は閑散そのもの、この時世下さすがに一般の食い付きも変ってきたか。


アンフェアな言い値商売

先週あたりから街を歩いていると旅行絡みのパンフを配っているスタッフの姿がやたらと増えてきたような気がするのだが、先に大手紙一面でもこの為替の急変で割引の動きが広がっている旨の記事があったように一つの商機なのか。

旅行業界といえば先週は近ツーリストの08年12月期連結決算見通しが発表されていたが果たしてなかなか厳しい数字、景気低迷は何処の業界も直撃しているが加えて燃料サーチャージの高騰から海外旅行が減少しているとのコメントであった。

さてこのサーチャージには8月だったか当欄でも触れているが、ここ原油価格の急落を背景に今月に入ってから直ぐにあのシンガポール航空が2回目の引き下げ、その後には格安航空アジア最大手のエア・アジアに至っては全ての便で廃止にしてしまっている。

一方の国内勢は四半期改定やら何やらの旧態依然の影響で正に原油暴落に拍車が掛かっているのを横目に最高値レベルの値上げ敢行で下げは来年とか、元売りの製品卸値も週単位導入が出て来ている昨今そろそろ一般が納得し易いものにどんどん変えてゆかないと自分の首を絞める事になるのは必至と思うが。


サブプライム本命国

さて、もともとが15日に設定された段階から何でそんなに先なのとの声が関係者から多かったが、いよいよ週末には金融危機対応を協議する国際的な緊急首脳会合、所謂金融サミットが開催される。

今回の金融サミットには中国・インドなど新興国も参加する予定となっているが、先にニューデリーで開いたインド含めた首脳会議では「我々は富裕国が引き起こした金融危機の犠牲者」等と欧米金融機関や金融行政不備を痛烈に批判、一方の中国も直近で発表となった7-9期GDP成長率が実質で9%と10%を超えていた前期までと比べて大幅に落ち込んでいる事が明らかになり、何といっても要の不動産が急速に怪しくなって来ている。

そんな訳で上記会議で採択した宣言も金融危機にあえぐ新興国も苛立ちを全面に出した内容となったが、実質的にサブプライム層のローンが米国を数の上で凌ぐこれらインドや中国の存在は考えてみると怖い。

今迄住宅価格の上昇で問題にならなかった中国のこの手のローンの綻びや、格差社会が広がるインドでの貸し倒れ率がバカにならなくなって来た金融機関の問題等々、余力も各国で差があり何処までこの大世帯が合意出来るか、潜む地雷まで見据えた具体策が果たして会議で協議されるか否か注目である。


Yes we can!

さて、今週のビッグイベントであったのはやはり米大統領選、もう周知の通りで民主党のバラク・オバマ上院議員が共和党のジョン・マケイン上院議員を大差で破り、第44代は米建国後初めて人種の壁を破って黒人初の大統領が誕生した。

これらの絡みで前週から各マーケットは追加景気対策期待やら不透明感の後退等々で株式・商品共に沸いた部分もあったが、明けて昨晩の株式市場は大統領選翌日としては過去最大の急落を記録するなど日替りで洗礼を浴びる格好となっている。

ところで北京オリンピックの時には当欄で「メダルと株価」なる件について書いた事があったが、早速民間の調査センターあたりが民主党大統領1年目の勝率が高い云々のコメントも散見、実際にこの米大統領選前後で株価の関係を見てみるとやはりサンプルの取り方によって如何様にでも解釈が可能で参考にはならない。

もう一つ商品の方はといえば、昨日は時事にフィスココモディティの「大統領選挙と商品価格」なる記事を見掛けたがこれによればコーヒーやシュガー等のソフト物が勝率高し、他は個別で何とも判断付かないものであった。

やはり総じて時世の前にはビッグイベントもファクターとしては隠し味程度、ましてや100年に一度の危機などと言われている現状ではアノマリーが通用するか否か甚だ疑問、混沌としているだけに「ご祝儀相場」で騒いでみたい一時のセンチメントか。


コンテンポラリーバブルも崩壊?

さて週中で何か文化モノのネタでもと思ったのだが、そんな時に目にしたのがあの競売大手サザビーズが来月上旬に米NYで実施予定のオークションにてピカソの幻の名作といわれる「アルルカン」の出品が急遽取り止めになった事を明らかにした件。

産経紙によればなんでも昨今の金融危機の影響で落札価格が低くなる可能性を恐れた為とかで、こうしたマーケットでは先月半ばにも高額落札が予想された喜多川歌麿の浮世絵に値が付かなかったり、今月半ばのウォーホル等の現代美術の競売で半数近くが売れ残りとなった模様とか。

この現代美術といえばついこの間までアジア勢中心に現代美術バブル景気到来とか騒がれていたものだが上記のような状況を見ると、まるでよくありがちな「昨今の株式市場の地合い悪化からIPOは已む無く延期する事にしました」とまさに環境が酷似しているか。

おりしも時節は芸術の秋、本日付けの日経紙「春秋」欄には「世界を日本を覆う暗雲をしばし忘れて芸術にひたるのは如何か」と出ていたが、それもこの世知辛い雰囲気の中には一考だろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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