373ページ目   雑記

本来の使命

本日の株式市場は辛うじて小反発となったが、メガバンク一部などは依然として新安値ツラとなるなど弱い展開で、日経平均が小反発する一方でTOPIXが年初来安値更新となる重さはこの辺を象徴しているともいえようか。

このメガバンクといえば、本日の日経紙経済面「金融を問う」には「メガ化」の理想と現実として損害保険業界と共に、巨大になったメガバンクの組織の内部融合や一体化がなお課題として立ちはだかる現状が載っていた。

ファイナンス関連でも現況BIS規制の絡みで増資合戦が繰り広げられているが、何やらこう競争力維持の為に既存株主などまったく視野に入っていないようにも取れる。資本増強も結構だが、今後はそれらに付随する弊害も勘案する場面が訪れるか。

みずほFGなんぞは今月、テレビ東京の女性記者との不倫?が広く国民へ暴露されてしまった過去を持つ某会長を含む三人がそろって退任する方針を固めたが、株主に対する増資理解だけではなく、上記紙にも書かれていた通り業績回復の裏で顧客の満足含め本来の使命は果たせているか再考すべきであろう。


国策土地転がし

本日も日経平均は半年振りに9,500円割れと大幅続落であったが、昨日の上海総合指数は3.5%高と大幅上昇で取引を終えた。これは上海市などが検討している個人住宅の固定資産税導入などの不動産取引抑制策が先送りされるとの観測が浮上したものに因るところが大きいとか。

斯様にこの市場にとっては上海万博なども拍車をかけ不動産は切っても切り離せない関係が出来上がっているが、国単位で見れば実際のところ北京もそうであったように大規模な公共事業を行うに連れて不動産の価値が高まり、政府による開発事業収益はこの北京や上記の上海など既に50%程度にまで及んでいると何処かで見掛けた記憶がある。

もともとの構図が、国有の流動化事業のようなものであり、仕手株の如く右肩上がりで回っているうちはいいがこれらの回転が止まった時が恐く、容易に想像がつくだろう。

ちょうど本日の日経紙には、あのエンロン株の空売りで一躍注目を浴びたニューヨークでヘッジファンドを運営するジム・チェイノス氏の今の標的として中国で不動産開発をしたり、建設資材を輸出したりする世界中の企業を挙げていたが、またも同氏の「先見の明」が証明されるかどうか見守りたい。


色彩普遍性

本日は丸の内にて所用があったが、そういえば過日丸ビルで人と会った時には1Fのイベントホールの床に色とりどりのポロシャツを敷き詰めて作ったなんともユニークな、「ゴッホの自画像」が展示されていた。

最初は上層階から眺めていたのでポロシャツとは気付かず、もうすぐあのオルセーが始まることでこれのPRか何かでゴッホの自画像なのだろうと思ったが、下で帰り際に通り掛かった際に解った次第。ところでこれはオンワード樫山が印象派の絵画から抽出した色彩を服に取り入れるという「カラーミュージアム・キャンペーン」の一環で、主要ブランドでこれを展開しているという。

ゴッホの「ひまわり」、ドガの「踊りの花形」やルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」など誰もがよく知っている印象派14作品から、各作品に特徴的な数色ずつを抽出し、厳密な色合わせで衣料を製作したとか。しかし色ひとつ取ってみても作品名から指すなんてなんとも洒落ている感覚、そういえば月曜日に書いた米アップルなどもパソコンのカラーにシドニーのビーチの名前を冠したりまた車などのカラーにもこのパターンは多いが、これまたデザイン考察としてコメントした流れともいえるか。

思えばイタリアやフランス始めとして欧州系は昔から服などの色の背景にアートを込めるブランドが多かったが、こういった点で日本などまだまだ開発途上国であると思う。こんな発想が今後各所で広がってゆくのにも期待したいところ。


トコロ相場

昨日の日経紙夕刊社会面には高級果物である北海道夕張メロンの初競りの様子が載っていた。札幌市中央卸売市場での最高値は、2個50万円であった昨年とは桁違いで同150万円にて落札された模様。

さてこの手としては既に店頭に並んで久しい宮崎県名産の「太陽のタマゴ」もまた高級果物の類だが、先月行われたこの初競りは宮崎中央卸売市場では2個入り1ケースが20万円で競り落とされるなど相変わらずの高値で取引が始まったものの、大阪ではこれが5万円、そして東京に至っては十分の一の2万円であった。

なんとも極端なトコロ相場であるが、こういったフルーツとか海産物は時折相場のダイナミックさを見せてくれる。そういえば一寸前まで蟹などと共に雲丹の案内があったが、時化の影響で加工量が少なかった後の正常化で大量出荷があり需給バランスの崩れから僅か数週で相場が半値八掛け以下にまで落ちた時もあった。

トコロ相場といえば、昔は株式相場や商品相場もトコロ相場を利用して仕手戦めいた事例などあったが、今や一般が投資する金融界はそういった面での整備が進み、上記のような業者のマーケットでこれらを見るに止まっているあたり少し昔が懐かしく思える今日此の頃である。


デザイン考察

さて、本日の日経紙社説には「今の日本企業は手元の才を十分に生かしているだろうか」という提言?で産業等におけるデザインの重要性にも一部触れていたのを目にした。

この社説の中では独創性を生かした成功例として、日産自動車の「キューブ」や資生堂の「マジョリカマジョルカ」なども挙げていたが、少し前でもデザインの美しさに惹かれその煩い音にさえ目を瞑って「ダイソン」の掃除機などに手を出してしまった向きも多いはず。しかしそのヒットの継続性からもっとも分かり易い事例としてはやはり米アップル社の製品であろうか。

90年代後半に出した「iMac」のヒットで一時は経営危機説も出ていた同社の復活劇は有名な話だが、その後も2000年に入ってからの「iPod」、また一昨年の「iPhone」、そして周知の通りで今年に入ってからの「iPad」と立て続けにその機能性とデザインを武器に市場の話題をさらう快挙を成し遂げている。

スマートフォンの類に限らず今は製造技術の普及化などもあって、複数の会社から似たようなものがどんどん出せるようになったが、そうなると市場原理として競争要因にはコストくらいしかなくなり自ずと価格が崩れてくるのが一般的といわれる。そこで差別化としてはやはりデザインがキーとなってくるが、上記の米アップルなどはトップ陣から深くデザインに関りその他タクティクスも他とは一線を画している感がある。今一度同紙文中にあったデザイン部門を縮小している日本の大手企業など、この辺に再考の余地ありと思うが。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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