50ページ目   雑記

大型再編の号砲か?

当欄では昨年の10月に「再接近?」と題して、ツルハHDの株主総会で物言う株主が創業家役員の再任に反対し独自の社外取締役を設けるなどの株主提案をした一件を取り上げた事があったが、結局この時ツルハHDと資本業務提携を結んでいる大株主のイオンはツルハHD側に寄った格好で否決の決着となっていた。

あれから半年、先月末にイオンはこの時の投資ファンドからツルハHD株を取得する交渉に入ると発表している。新聞の折り込み広告でウエルシアHDが入っている日は必ずといっていいほどツルハの広告も同じく入るが、現在大手ドラッグストアの売上高は1位がウエルシアHDで2位がこのツルハHD、そして3位がマツキヨココカラ&カンパニーとなっているが、前述したようにウエルシアHDとツルハの大株主には共にイオンが君臨する。

上記の通り去年の株主総会ではファンドに賛同しなかったイオンであったが、当欄では末尾で「~場所によっては同社が出資するドラッグストア同士の競合も発生しており、今後も物言う株主の経営改善圧力は弱まる事はないであろうことを考えるとそういった圧力が結果的にイオンの背中を押し更なる再編に向けての動きが起きるかもしれない。」と書いていた。

結果的に前回当欄で書いたことが具現化した格好になったが、この度の経営統合が為されれば1超円規模同士の統合で実に売上高2兆円規模の巨大ドラッグストアの誕生となる。投資ファンドのオアシスがツルハ同様に株主提案をしたアオキスーパーも、年明け早々にMBOを実施すると発表しTOBが成立すれば上場廃止へ。飽和状態といわれて久しいこの業界だが、次のまた新たな再編劇が水面下では進行している。


市場席巻の生成AI

米巨大IT企業の2023年10~12月期の決算が出揃い、マイクロソフトは先の2023年10~12月期決算は売上高が四半期として過去最高を記録、アップルは2023年10月~12月期の決算が5四半期ぶりに増収増益となっていたが、昨日の日経紙社説には「AI時代に競争に入った米巨大IT企業」と題して、世界のテクノロジー産業に大きな影響力を持つ巨大IT企業の主戦場がスマホからAIに移り変わったと認識すべきとの旨が書いてあった。

それもその筈で生成AIの市場規模は2022年が推定で398億ドルであったものが、大手証券系ではそれが今後の拡大により2027年は0.4兆ドル規模の予想、2032年予想では1.3兆ドル規模に拡大が見込まれているとの試算を出している。実に2032年にかけて市場規模は約33倍、年率平均で42%の成長が予想されているからこれは凄い。

米の時価総額ランキング1位に君臨するのはマイクロソフトだが、同社の株価上昇率は1年で65%にも達し時価総額は24日に初めて3兆ドルを突破したのは周知の通りで史上初の4兆円企業が視野に入っている。2位はアップル、3位はアマゾンだが、元々本業で住み分けが出来ていた彼らも生成AIがこの領域に浸食し安定的な構図も変わりつつある。

大手が挙って新興生成AI企業に投資をし始め、更に大手から投資された企業がまた別の新興AI企業に出資するなどでこうした競争激化でAIはますます洗練化される構図か。経産省も国内の生成AI開発を支援する旨を表明、海外勢が先行する生成AI基盤の国産化を促すとしているが先行する米市場の背中はまだまだ遠く見える。


3年連続のスタバ

先週末にスタバが全体の8割以上のドリンクを今月中旬から4~28円値上げすると発表していたが、これで3年連続の値上げとなった。というワケで今月に値上げをする予定の飲食料品は帝国データバンクの発表では1626品目、前年同期の5639品目から大きく減少したとはいえ昨年10月以来、4か月ぶりに1000品目の大台を上回る。

身近なところで挙げれば、江崎グリコがプッチンプリンなど247品目を3~39%値上げ、また冷凍食品大手テーブルマークは家庭用冷凍食品やパックご飯など56品目を約3%~13%値上げ、そしてカゴメは家庭用トマトケチャップなど147品目を6.2%~16.4%値上げするが、このトマト関連製品は昨年の記録的な猛暑でトマトの価格が高騰した所謂“トマトショック”の影響が大きいか。

食品系ではこのトマトショック以外にも鳥インフルエンザによるエッグショック等もあったが、双方共に今は価格も落ち着きを取り戻している。一方5月迄で人件費を理由とする値上げ品目数は約2割を占めているというが、賃上げ分を確保する為の値上げが広がってゆくのかが今後の焦点で、そういった意味では春からの所謂「物流2024年問題」等もどういった影響を及ぼすか注目しておきたいところである。


モノづくり日本

周知の通り、先月は無人探査機の「SLIM」が世界初となるピンポイント着陸に成功しているが、その後太陽電池が発電できず電源を切った状態にしていたものが一昨日には太陽の向きが変わり太陽が当たった事から太陽電池パネルが復旧、地球との通信が確認されてその運用が再開したことが明らかになっている。

それにしてもこの度のピンポイント着陸、その誤差はこれまで数キロメートルとされてきたが、今回は目標地点からわずか約55メートルと前例のないピンポイント着陸であり大きな成果であったのではないか。このスリムを支えているのが搭載されている日本製品だが、三菱重工のエンジン、三菱電機のコンピューター、シャープの太陽光パネルに古河電池のバッテリー等々だ。

まさにオールジャパンといった感じだが、個人的に感心したのが着陸直前で月面に投下され月面を撮影したのがボール状のSORA-Qか。これをJAXA等と共に共同開発したのがこれまた玩具のタカラトミーだったが、月面に降り立ち変形する部分で変形型玩具のトランスフォーマーの技術が使われているということで、日本のおもちゃ技術が宇宙で活躍する時代が来たとは何とも夢のある話ではないか。

昨年末には宇宙ビジネス展示会「NIHONBASHI SPACEWEEK」を書いた事があったが、今や宇宙はこれまでの調査する場から様々なビジネスの場に移りつつある。世界的な競争のなかで日本企業が存在感を示す機会はまたとないチャンスともいえるが、今回の件では上記の通り宇宙という舞台で日本のモノづくりの力を改めて示す事が出来たのではないか。


世界10大リスク2024

今週は国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる米調査会社ユーラシア・グループが、年初恒例の「世界10大リスク」を発表している。昨年の1位は「ならず者国家ロシア」であったが、今年の1位には「米国の分断」を挙げている。11月の大統領選に向けて国内の政治的分断は悪化し、米国の民主主義がこれまでになく試される年になるとの予測だ。

成程、今年は大発会の日にも書いた通り世界規模で史上最大の選挙イヤーである。今週の台湾総統選を皮切りにして、来月のインドネシア大統領選、そして3月には昨年1位に挙げられた「ならず者国家ロシア」でも出来レース?の大統領選がある。このロシアも米大統領選でバイデン氏の再選か「もしトラ」かで命運が大きく変わって来る可能性があるが、その結果如何で世界のあらゆる問題にも大きく影響してくるであろう。

そして2位に挙げられたのが「瀬戸際の中東」、ロシアによるウクライナ侵攻もこの現代にあってまさかの出来事であったが、にわかに勃発したイスラエルとハマスの衝突も衝撃であった。いずれも今なお終息が見えないが、斯様に世界各地で落ち着いていたかに見えた紛争も活発化の可能性の高まりで世界は更なる紛争に戦々恐々とする事になってゆくのか不気味である。

また3位に挙げられた「ウクライナの事実上の割譲」もなんともやるせない感だが、この辺は上記も書いた通り米大統領選の結果次第か。そして4位にはAIのガバナンス欠如が挙げられているが、世界経済フォーラムも国際社会を取り巻く2024年の報告書にて誤情報と偽情報を短期リスクの1位に挙げている。昨年2位に挙げられた中国の不透明感も一段と増す事も予測されているが、いずれにせよ今年もまた各方面で予期せぬ事態に身構える1年になりそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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