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ボージョレ・ヌーヴォー2022

今晩いよいよ年に一度のイベント、ボージョレ・ヌーヴォーが解禁される。今年はロシアによるウクライナ侵攻の影響で空輸ルートが制限され、遠回りになった影響で輸送コストが高騰した事や円安が背景となって価格が2倍以上になるモノも出て来ているという。そういった事で船便利用も拡大し、輸入期間の長期化から年末まで売り場を構える店舗も散見される。

ところでボージョレ・ヌーヴォーといえば、ワインに造詣が深くない私でも今年の出来栄えなるものが毎年興味深い。バブル期から「過去10年で最高」とか「ここ10年でも最高の出来」なる表現が目立ち、輸入量のピークを記録した2004年は「100年に一度の出来といわれた昨年に劣らない」と評され、その後も「50年に一度の素晴らしい出来」等々○○に一度の乱発で一体どれが当たり年なのかさっぱりわからなくなる。

それは兎も角もボージョレ・ヌーヴォーの輸入量は2004年をピークに長期減少傾向にあり、昨年の輸入量はこのピーク時の3割程度にとどまっている。こうした素地の上に今年のこの値段高騰でボージョレ・ヌーヴォー離れが加速し更なる市場縮小が危惧されるところでもあるが、販売側も国産新酒で代替需要模索などの動きも見られ各社戦略転換が今後の課題になって来ようか。


過去最大級

米FTXの破綻で各所が戦々恐々だ。周知の通り先週は世界最大の仮想通貨交換業者バイナンスが買収合意するも一転してこれを撤回した仮想通貨交換業大手の米FTXが、チャプター11の適用を申請との発表が為された。その負債総額は数兆円にものぼり暗号資産業界では過去最大の破綻になる見込みというが、エンゼルスの大谷翔平選手がCMをやっていた事もあって日本でも利用者が広がっていた矢先の出来事である。

斯様に有名スポーツ選手らへの影響も気になるところだが、上記の大谷翔平選手は昨年に3兆円企業の顔!と同社とアンバサダー契約を結んでおり、その報酬の全てをFTXの株式と仮想通貨で受け取る事になっている。またテニスの大坂なおみ氏もパートナーシップを結びFTXの株式を取得しアンバサダー報酬を仮想通貨で受け取る事になっていた他、NBAやNFLの選手からスーパーモデルのジゼルブンチェン氏等々数多絡んでいる。

仮想通貨を巡るこの手の騒動は半年ほど前のステーブルコインのテラUSDなどが記憶に新しいが、その前には当欄でも度々取り上げたマウントゴックス事件もあったが今回の規模は桁違い。毎度の事ながらこれを受けた代表格のビットコインの価格は年初比較で約3分の1にまで落ち込む憂き目に遭っている。同社はロビー活動も精力的に行っていたというが、これでまたこれまで度々出来て来た規制強化論が再度喧しくなるかどうか注視しておきたい。


春闘

先週は日銀の総裁と総理が国内外の経済情勢や金融市場の動向などについて意見を交わす会談がなされたが、ここでは賃上げを伴う経済成長や物価の安定を実現するため金融緩和を継続する考えが伝えられている。この賃上げに関しては経団連の会長も先週に来年の春闘に向けた経営側の方針を伝えている。

そこで経団連会長は「今回の物価高騰が一時的であれば例えば一時金という考え方もあると思うが、ベア中心に考えていただきたい」と発言していたが、連合は5%程度の賃上げを求める方針という。ちなみに野党の提案で国民一律インフレ手当などの案も出ていた一時金だが、既にIT大手サイボウズや家電大手ノジマなどでは一時金や月払いという形で支給が開始されている。

日銀総裁は先月の会見で3%ぐらいの実質的な賃上げが無いと2%の物価目標を継続的・安定的に達成出来ないと発言していたが、確かに物価の実力とも言われる基調分野は1%にも満たないのが現状で物価目標の半分にも満たないでいる。これに影響を与えるのが賃金だが、連合の5%はそれとして3%程度はないと上記の日銀シナリオとの整合性がとれない感だがいずれにせよ来年の春闘が天王山となるだけに注目される。


再上陸彼是

さて、ちょうど1週間前に毎年恒例の日経トレンディ特集では2020年ヒット商品並びに来年のヒット予測ランキングが発表され、今年のヒット商品で首位となったのは累計で約10億本を売り上げた「ヤクルト1000」が輝いた。コロナ禍による生活リズムの乱れやストレス増加を背景にこの手の保健機能食品の21年の市場規模は1.5倍に伸長し今年は更に拡大する見込みという。

2位にはSNS発のキャラが国民的キャラに成長を遂げた「ちいかわ」がランクインし、5位には意識高くないY世代の心に刺さった「完全メシ」がランクイン、そしてY世代の次のZ世代の支持を集めたのは12位にランクインした安くSNS映えする服がヒットしたファストファッションブランド「SHEIN」で、先月大阪に店がオープンした際には4000人以上が詰めかけたという。

ところでこのファストファッションといえば、2009年に鳴り物入りで登場したものの19年に日本市場から撤退した米国発の「フォーエバー21」が来年日本に再上陸する。東証プライム上場のアダストリアがパートナー契約を結んだというが、この度の再上陸では激安を脱却し平均商品単価を上げる方向への方針転換で臨むという。

過去の失敗をもとに戦略変更といったところだが、もう一つフォーエバー21と時を同じくして撤退したアメリカンイーグルも先に再上陸を果たしている。日本はやはりブランドが再活性してゆくのに重要な市場という事なのかどうかだが、何れにせよSHEINのようにZ世代の心に刺さり勝ち組となれるか否か予断を許さないだけに注目される。


COP27

地球温暖化対策を話し合う国連会議であるCOP27の首脳級会合が終了したが、今会議は仏大統領や英首相がロシアによるウクライナ侵攻のエネルギー危機は気候変動対策に遅れを取る理由にはならず迅速に行動しなければならないとしながらも、今はこれまで話し合った様々な目標を実行出来ないと開始前から気候変動交渉官らが明言するなどやはりロシア侵攻が状況を一変させた感は否めない。

実際のところロシアへの経済制裁でエネルギーの輸入をストップさせたヨーロッパの燃料費高騰の酷さは連日報道されている通りで、これまで脱炭素を牽引してきたEUは石炭の取扱量が急増、段階的に火力発電所廃止の方向に向かっていた国も石炭利用拡大が報じられるなど各所で石油石炭回帰の動きが各所で活発化、先進国にあっても耐えられぬ民が各地でデモ行動を起こすなど反発する動きが多発している。

そうこうしている間にも着々と温暖化は進行しており今年は我々も猛暑日の多さを本当に実感した夏であったが、上記のヨーロッパはじめとし各国では猛暑どころではない最悪レベルの干ばつ化が進行し、パキスタンでは実に国土の3分の1が水没する事態に陥るなど生活を脅かす被害が世界中で多発しているのが現状。

これまで世界の気温上昇を1.5度に抑える努力を各国が追究するとの合意であったが、この設定した各国の目標が全て履行されたとしても今世紀末までに気温は約2.5度も上昇してしまうとの見通し。会議の冒頭で国連事務総長は「人類は選択肢がある。協力するか滅びるかだ」と発言していたが、まさにいま試されているようにも見える。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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