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今年の一皿2020

さて、一昨日にはぐるなび総研が今年の世相を反映し象徴する食を選ぶという毎年この時期に恒例で行っている「今年の一皿」が発表され、今年は「テークアウトグルメ」に決まった。先のユーキャン新語・流行語大賞も「3蜜」が年間大賞に選ばれたが、果たしてというかこちらもやはり新型コロナウイルスを反映したモノとなった格好。

当欄でもたしか5月くらいに貴重な期間限定と題し、ステイホーム等で外食需要が激減するなかこれまでテイクアウトを逡巡していた高級店や名店などが挙ってこれを始めた旨を書いた事があったが、そのあたりから何となく今年はもしやというコンセンサスめいたものもあった。

また他には代替肉などもノミネートされていたがこちらの方も既に昨年あたりから老舗企業からスタートアップまで喧しい動きで、これまた地球温暖化への影響を睨んだESGを意識したここ近年の世相を反映しているモノで、そういった意味では焦点がボケてしまい易い食材や料理より今年はそれらをより色濃く反映していたような気がした。


積極的意思 

さて、約一ヵ月くらい前に「トップの嫌疑」として取り上げたところのドン・キホーテHDがファミリーマートにTOBを仕掛けた際に当時の社長が知人に自社株の購入を不正に推奨した疑いで東京地検特捜部が動いていた件だが、今月に入ってから同特捜部はドン・キホーテHD前社長を金融商品取引法違反の疑いで逮捕するに至った。

所謂(取引推奨)の部分が焦点となった事例で、前回この件を取り上げた時の末尾には「〜思えば前社長の突然の退任も謎だっただけにこの辺が絡んでいたのか否か何れも注目される。」と書いておいたが、以前も述べた通り上場企業の元トップが在任中に自社株の取引を巡る不正に関与した疑いで逮捕されるという異例の事態となった。

一店員からトップにまで上り詰め社長在任中に売上げを倍増させた功労者であった前社長だが好事魔多し、同じようなパターンでもっと大きなところでは日産のカルロス・ゴーン氏などまた然りだがコンプライアンスも形骸化しつつある昨今あらためて更なる整備強化が求められようか。


鬼滅ノミクス

先に取り上げた2020年ユーキャン新語・流行語大賞の受賞語にも選ばれた「鬼滅の刃」だが、先週はコミックの最終巻となる23巻が発売された。TVでもやっていたがどこの大手書店もズラリと長い列が出来いまだその人気ぶりが窺えるが、19巻発売時の4千万部超え以降、各巻発売時に2千万部ずつ伸ばしその累計発行部数は1億2千万部を突破しているという。

それだけでも経済効果は850億円以上という計算になるが、10月公開の映画「鬼滅の刃 無限列車編」の興行収入の方も昨日の発表では先週から13億円増加し288億円を突破、既に「タイタニック」を超えて歴代2位の座を勝ち取っているが、はやくも308億円で歴代1位に君臨する「千と千尋の神隠し」まであと20億円と指呼の間に捉える破竹の勢いだ。

これまた首位に躍り出た暁にはその経済効果は単独で500億円超えは確実とされるが上記と合せこれらでザッと1350億円、これにコラボ商品や関連グッズなどがほぼ同額と見積もれば実に2700億円という計算になる。エンタメ業界のみならず苦境に喘ぐ企業が蔓延するなかその波及効果はまさに救世主といえるか。


対策強化と懲りない面々

GOLD NEWSにも出ている通り、政府・与党は金地金の密輸対策として買い取り業者に写しの保存を求める本人確認書類から在留カードやパスポート等を除外、金地金の業者への持ち込みを防ぐべく消費税の仕入れ税額控除制度を見直し訪日外国人らからの金地金の買い取りを控除の対象外とする方針を固めた。

直近でも10月に大阪府警が関税法違反の疑いで複数の中国人らを摘発しているように依然密輸に勤しむ輩が絶えないものの、当欄でも何度か取り上げた通り関税法の罰則改正から罰金額の引き上げの旨などの効果もあったのか17年まで4年連続で過去最高を更新してきた摘発件数も昨年は激減したという。

とはいえ罰金一つとっても近隣国のそれと比較するにまだまだヤリ得?なマーケットと言えその成功率からの試算では国庫から年で約100億円が奪われているという計算もある。冒頭の件は2021年度の与党税制改正大綱に盛り込むというが、その現物資産としての価値の高まりからここ数年で金の小売価格は大きく切り上がってきているだけに予断を許さない状況といえる。


コロナが席巻?新語流行語

さて、先月末には三省堂の今後の辞書に掲載されてもおかしくないモノの「今年の新語2020」選好発表会が行われ大賞には「ぴえん」が選出されたが、一昨日には昨年12月から先月末までに発生した様々な新語・流行語中からトップ10を選ぶ「2020年ユーキャン新語・流行語大賞」が選ばれ、その年間大賞には「3蜜」が選ばれることとなった。

この新語・流行語だが、先月にエントリーされたモノを見てみると作品そのもののタイトルや誰かの名前といった固有名詞が多く、コロナ禍で積極的な会話が憚れるぶん会話などの言葉の候補が少ないのが特徴的で世相を反映してか実に半数以上がコロナ関連ワードとなっていたのが印象深い。

コロナ関連ワードといえば、昨日の日経MJ紙恒例のヒット商品番付も今年は巣ごもりを余儀なくされた暮らしのデジタル化の波を反映したモノが多く、オンラインツールや宅トレ等々がノミネートされていた。斯様に今年はコロナ関連一辺倒であったがさて来年はどんな物がエントリーされるのかというところだが、何れにせよコロナ禍は生活のデジタル化を一気に加速させ着手途上で逡巡していたモノを一気に後押したともいえるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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