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新事例難航気配

本日の日経紙経済面には納税難民と題し、今年の確定申告は仮想通貨の利益を巡る申告が増えると想定されるほか、医療費控除の制度変更もあって源泉徴収に慣れた会社員などを中心にこの手に不慣れな「納税難民」が日本中で彷徨う気配が漂う懸念などが書いてあった。

確定申告といえば先月に当欄では「雑所得の憂鬱」と題し国税当局が仮想通貨で多額の利益を得た投資家らの調査を始めた旨を書いたが、取り急ぎ?雑所得扱いとの御触れが出た以上ちょっとした小遣い程度の利益は株式程度の感覚で済もうが、こんな株式のように損益通算が出来ればいいようなものの多額の利益を計上した向きほど総合課税に税率など考えるになかなか気が重くなる。

日経紙でも書いてある通り仮想通貨の交換だけで課税となるが、現在問題となっているコインチェックのケースなど仮に表明している通り円での返金が為された場合はホッとするのも束の間これで利益確定とみなされ否応なしの課税対象になるのだろうか?そうなると元々の流出した仮想通貨のままの返還要求をする向きも出てきそうでまだまだ一悶着ありそうな気配だ。


相互保護の重要性

さて近所ながら暫く通っていなかった道を歩いていた際にいつの間にか小洒落たチーズ専門店が出来ていたのを見掛けたが、欧州チーズといえば一昨日の日経紙社説では「食品の地域ブランドの保護を混乱なく」と題し、日本とEUが昨年大筋合意したEPAに基づき、GI(食品ブランド名称である地理的表示)を相互に保護する具体策を決めた旨が載っていた。

このGIに関しては当欄でも昨年の夏に一度触れ、その際にアメリカ製のパルメザンチーズや、カマンベールチーズの名前も使用するのが危うくなるとのでは?と書いていたが、農水省によれば国内で粉チーズの総称として普及している「パルメザン」の使用は本来の欧州のGIと混同しなければ問題なく、「カマンベール」も欧州の地域名と切り離して使う場合は侵害とはならないという。

ただ○○県産ゴルゴンゾーラやオマージュなる言葉を絡めた例は侵害に当たるとしているが、この辺はレストランのメニュー表記一つとっても無数に存在している。既存食品名でGI侵害に当たる場合は協定発効から5〜7年の経過措置が終るまでに変える必要があるが、神戸ビーフなど粗悪な偽造品も相当数出回っており相互保護の重要性が益々問われる事になりそうだ。


商戦と食品ロス

立春を過ぎても例年より厳しい寒さを感じるが、先週末には近所の彼方此方の神社では豆まきなど節分行事が行われ結構な賑わいを見せていた。斯様に豆まきは昔から定番となっているが、近年でははや年明け早々からでは一段と立派になった恵方巻のカタログなど大手百貨店など中心に案内が喧しい。

実際そうした営業努力も奏功してか大丸東京店等は昨年の売り上げが三年前からの比較で約2.5倍まで膨らんだ模様で、今年は実に150種類の恵方巻を揃えその中身もかつてなかった高額モノから西洋銀座のガレットを使った西洋ロール、崎陽軒のシウマイ恵方まんなど和洋中の垣根を越え何所もこの商戦に乗ろうとの意欲が窺える。

さてそんな一方でコンビニやスーパー向け大量発注の弊害で、ノルマや売れ残り余剰商品の大量廃棄等の問題も昨年あたりから取り沙汰されるようになって来た。こうした問題に絡んでは某スーパーが出した「もうやめにしよう」との意見チラシも話題になっていたが、あのゴディバもバレンタインデーを前に日経紙で「日本は、義理チョコをやめよう。」との衝撃的な全面広告を出しており、今後市場が拡大するに連れこういった一石を投じる事例も増えてこようか。


サロン・ドュ・ショコラ2018

さて、はや如月に突入となり節分が過ぎるとバレンタイン商戦がスタートなるが、この前哨戦となる毎年恒例の「サロン・デュ・ショコラ」が今年も先週末まで開催されていた。当欄でも8年前から触れて来たこの祭典、実に16回目となる今回は世界15ヵ国から過去最大との108のチョコレートブランドが集結となった。

当初はフラリと行ってゆっくりとブース廻りが出来たこの祭典も年々熱気を帯び、次第に事前招待となり今年の案内は遂にネットでの時間帯別のチケット事前予約と有料化にまでなって来た。今回のテーマは「アバンチュール」というが、また昨年とは顔ぶれも新たに若手の出店が目を惹く。

ここ数年トレンドのビーン・トゥー・バー系から昨年の当欄でも取り上げた日本食材の多用などは相変わらずであるが、やはり昨年からの流行でSNS映えを意識したイートインならではの限定メニューも多彩になり、セバスチャン・ブイエのリップ型チョコや惑星を連想させるようなパトリック・ロジェ、食品にはタブーとされるブルーを操ったフランク・ケストナー等々アーティステックな物が並ぶ。

もう一つSNS映えといえば「萌え断」。昨年のクリスマスケーキあたりもこれが意識されてきた断面、日本やフランスを代表するようなショコラティエも口を揃え食感や見た目のバランスを取る為に如何に断面に拘りを持つかが重要とコメントしているが、はたして来年は何がトレンドになっているのか興味深いところ。


進化する資金調達

さて、以前にも触れたICOが資金調達の主役になれるのか否かが議論されている昨今だが、資金調達といえばもう一つ、一昨日の日経紙法務面には「ライツ・イシュー再び関心」と題し、国内では2009年から適用になった企業の資金調達手段の一つである「ライツ・イシュー」とよばれる株主に新株予約券を割り当てる仕組みの使い方をよくしようと工夫をこらす動きが出始めている旨が乗っていた。

思い出せば日本での第一号は不動産のタカラレーベンが実施したノンコミットメント型であったが、その後は数社の実施を経て大量調達を計画したJトラストのケースでは前後で株価も大きく動いた事で何かと物議を醸し出した経緯があるが、関係者側としては持ち株比率が下がったとはいえ概ね成功したファイナンスのケースともいわれている。

他にも中には意図不明な乱用や大株主が怪しかったりと噂されるモノもあったが、新手のもので錬金に使えそうな技であれば意欲的に利用されるのが黎明期の特徴か。こうした事例を踏まえて規則改正が為され証券会社との共存も考慮されるようにまでなってきた昨今だが、ICO然り一段と小粒な企業にもファイナンスの道が開けてきたともいえよう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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