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流出いろいろ

さて、ちょうど一週間前には日本年金機構がサイバー攻撃を受け約125万件に上る年金受給者や加入者の個人情報が今年5月に流出した問題に関する内部調査の報告書を発表しているが、背景には情報管理のルールが徹底されなかった事に加え、大量に送られたウイルス入り標的型メールへの対応に多くの問題があり情報流出を防げなかったとされている。

ところで個人情報流出といえばもう一つ、この年金問題報告書の発表と同じ日に問題になっていたものに、世界最大規模の既婚者向け出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」がハッキング被害に遭い盗まれた情報の一部がインターネット上に公開されるという事件が起きた事も報道されている。

日経紙夕刊の社会面にも「不倫SNSの会員情報流出」と題して出ていたが、「人生一度きり」という交際倶楽部系オーナーが言いそうな謳い文句に乗り世界48か国で約3,800万人の登録があり、うち日本の会員も約180万人も居るというからいやはや皆さん盛んである。

しかし上記の年金機構の個人情報流出では既に怪しい電話など果たしてというか悪用例が出ているが、早速こちらも金銭を要求する類の悪用が出始めているという。年金と違ってこちらは自業自得とも云えるがさぞ日本の会員も戦々恐々だろう。この運営会社は今年ロンドンで株式公開予定となっているというが、はたして無事公開の運びになるのかどうかこの辺も興味深い。


CRB指数12年8ヶ月ぶり低水準

本日の日経紙商品面には、シカゴ市場で大豆先物価格が一時6年ぶりの安値をつけた旨が載っていたが、斯様に国際商品価格が下げ止まる気配が無い。国際商品の代表的な指数、ロイター・コアコモディティCRB指数は直近高値だった昨年6月から40%も下げて実に12年8ヵ月ぶりの低水準を記録している。

このシカゴ大豆6年ぶり安値と同じ面には「原油相場、底値を探る」として専門家による原油価格の見通しも出ていたが、こちらも大豆同様に6年6ヶ月ぶりの安値に沈んでいる。この一年こうした原油安で世界の景気が拡大すると指摘した解説を彼方此方で見掛けるようになったが、中国をはじめとし足元の世界経済鈍化は周知の通り。

コモディティーの金融商品化でETFの運用残高も急増し有力ヘッジファンド勢も挙って資産規模を膨らませてきたものだったが、このところの商品安で運用成績が悪化しここへきて今夏は米カーギル系や英大手など主力どころが相次いで運用停止の憂き目に遭っている。その裏で一部システマチックトレンドフォロー業者の台頭が見られるというが、この市場もまた役者が変わってくるのだろうか。


アパレル今昔

さて、昨日の日経MJ一面には「ワールド 惰性のツケ」と題して、百貨店からショッピングセンターへの販路拡大をいち早く進めるなど先進的な企業と評され、かつてアパレルの雄を誇っていたワールドがリストラを進めるさまが載っていた。

アパレルといえば一部上場モノでも試行錯誤の日々が続いているがこのワールド、一昔前のDCブームを牽引したタケオキクチを擁しその他にも無数のブランドをぶら下げているものの、今思えば確かにその数の裏でブランドの境目が見えなくなっていたような気もする。

しかし同社といえば一頃株式市場でも有力筋として市場を席巻したのも今は昔、自社も10年前の2005年にMBOによる株式非公開化の選択をした際に当欄でこの件を取り上げた事があったが、株主と経営側では立場がまた違うもののこの選択がよかったのか否かいろいろと想いが巡る。


たった4日で450倍化!

先週から崩落が続いている世界の株式市場であるが、本日も日経平均は895.15円安と大幅に5日続落となった。まさに買い方にとっては戦々恐々とした週末であったがやはりショートしている向き以外は明けないほうが良かった悪夢の月曜日になった。

先週末の日経紙には市場関係者による年末までの想定レンジでが出ており、うち一人は下限19,000円を挙げていたが、本日はあっという間にそれを大きく割り込む始末。こんなプロでなくとも先週末辺りは値頃感からマル信で買いを入れた向きも多くこうした鋭角的な下げではこの手が一番厄介だ。

他、オプション市場も阿鼻叫喚の世界。9月物の16000プットなどちょど1週間飴の月曜日にわずか2円だったものが本日のナイトでは一時なんと505円に大化け、その一本前の15750プットに至っては先週の火曜日にわずか1円であったものがやはり本日のナイトでは一時450円と単純に450倍!にも化けている。当然ながらインザマネーだったコールなど4ケタをウロついていたモノがわずか50円以下まで暴落の憂き目に遭っている。

また為替なんぞも然りだが、こんな光景は東日本大震災やリーマン・ショック以来の事、語り継がれる記録がまた作られた感がある。


STAPを彷彿

さて、2020年の東京オリンピックがめでたく決まったものの、擦った揉んだの末にザハ氏による新国立競技場のデザインを白紙に戻すなど当局のお粗末報道が収まらぬなか、今度はオリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに関して模倣疑惑が表面化し渦中のデザイナーに関するニュースが連日にわたって報道されている。

もともとこれはベルギーの国立劇場ロゴの図案そっくりだという指摘から始まったものだが、これに対して記者会見で反論した傍から直近では国内でもサントリーのキャンペーン賞品であるトートバッグの一部のこれまたパクリが表面化し一部認めた事で取り下げから発送中止に追い込まれている。

ところでこんな一連の報道を見ていると思い出すのが、あの理研のSTAP細胞事件か。あの時も当初は論文の捏造が小さく報道されるにとどまっていたものだったが、彼方此方から検証結果が持ち寄られ拡散しあっという間に大事件に発展してしまった経緯がある。ネットが発達している現代は削除履歴始めとし彼方此方から膨大な証拠?が集められこれだけ見せられたらもう逃げられないだろうという気にさえなってくるから怖い。

しかし、これまで大手がバックに控え実績があるとはいえパクリがいわれているものがグッドデザイン賞を受賞したり、今回のオリンピックもまた然りで巨額の金が動くのは想像に難くはない。デザインに対しての考え方が全く違い意志が揺らぐことはないと会見では話していたが、常識的には最後はモラルの問題だろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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