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今年の土用の丑

本日は皆様ご存じの通り「土用の丑の日」である。鰻に関してはここ数年前から稚魚の不漁がいわれだし、昨年の丑の日の当欄には「〜今漁期のシラス池入れ量は前年の75%にとどまり、価格は昨年実勢の2.5倍となりここ10年で約10倍に跳ね上がっている〜」等と書いてある。

そんな昨年の状況から今年は漁獲高が一転して大幅に回復し、稚魚の取引価格も今年は昨年比で十分の一まで下がったとされているが、その割には老舗店舗や大手百貨店の案内等を見るに今年も値段はH昨年と同じか場所によっては値上げまでされているところも散見される。この辺は高騰ピーク時の仕入れ交渉や価格転嫁のタイムラグもあり、なかなか我々が思うように即座に反映されるような状況ではなさそうだ。

というワケで今年の秋口以降落ち着くかどうかだが、ここにきて先月にはIUCN(国際自然保護連合)がニホンウナギを絶滅危惧種に指定し波紋が広がっている。これで将来輸入が制限されるような事になれば流通量が減少しまた価格上昇の懸念が出てくる訳で、一難去ってまた一難というところ。

先週は株式市場で発電所建設の(エナリス)が急反発する場面があったが、これは発電時に発生する温水で地元漁業者が鰻の養殖に進出するというコラボに期待買いが入ったもの。日本独自の伝統食文化を守りつつも、資源管理とのバランスも考えてゆく工夫がこれからも求められそうだな等と想いつつ今年の鰻を味わいたい。


今年の隅田川花火大会

さて、先週末は東京の夏の風物詩である第37回隅田川花火大会が滞りなく開催された。昨年はゲリラ豪雨のせいで途中から本当に記憶に残るようなまさかの史上初完全中止に追い込まれたが、今年は天候にも恵まれ綺麗な浴衣の花が彼方此方に咲いて会場の彩も一層鮮やかに映えていた。

というワケで昨年は各社のカラーが楽しみな花火コンクールが目前にして中止となってしまったが、今年のそれは昨年の鬱憤を晴らすようななかなか素晴らしい出来栄えだった。個人的には火薬を時間差で着火させグラデーションを創造する等今までに見たことが無いような面白さがあった株式会社イケブンの「WAVE!光のグラデーション」が圧巻であった。

思えばスカイツリーが出来た当初は殆どがこれを意識したテーマ作品ばかりの内容であったが、そのスカイツリーももうすっかりとこの花火大会の風景に溶け込み一体感を出すまでになっている。今年は比較的自由なテーマに分散していたが、オリンピックを見据えつつまた誘致にも熱が入ろうというもの。


大口目線

さて、一昨日に取り上げた通りで連休明けから東京証券取引所では呼び値変更第二弾として、「TOPIX100」に採用されている銘柄を対象に5,000円以下の銘柄の刻み値が0.5円、また1,000円以下は0.1円に縮小されている。

この辺は昨日の日経紙にも出ていたが、10銭単位に変更になった中では(みずほFG)が売買代金が130%へ、50銭単位に変更になった中では(ニコン)が同155%等に増えた模様。ただ当然ながらこのニコンと双璧の(キャノン)など見るにボラが非常に小さくなったのが目立つ。

当の東証ではCEOが「価格改善効果の恩恵が、幅広い層の投資家に及ぶ」と強調、投資家の利便性が向上し中長期的な市場活性化につながるとの考えのようだが、前述したように「幅広い層の投資家」ではなくて「機関投資家やヘッジファンド層」へ恩恵ではないか?順番待ち時間が短縮された裏で値幅が稼げなくなったデイトレ組など改善というより改悪のイメージが強い。

ともあれ胴元が機関投資家目線で決めてしまった事だから、こうした銘柄は早々に諦め個別では同じ低位でも呼び値変更対象外のモノが蒸し返しで物色される場面も見られた。ところでこうなるとこれはこれで幕間繋ぎで選好されてきた新興市場や二部への関心が一段と強まり、意外に暫くはこちらの循環物色が続く地合いになるかもしれない。


値決め変更


さて、ウクライナでのマレーシア航空機撃墜やイスラエルのガザ地区侵攻の地政学リスクへの警戒感が再度台頭してここまた金へ関心が向かっているが、金といえば先週末の日経紙に「金値決め 初の変更」としてロンドン市場で100年近く続いてきた金融機関同士が電話会議で価格を決める現行の仕組みから、第三者が設定する方式に改める見通しになった旨が出ていた。

この辺に関しては、先にドイツ銀行の商品事業縮小に伴っての値決め撤退発表を背景にした銀の値決めについての変更案が先行して報道されていたが、金の方もこのドイツ銀行の値決め撤退に加えて英銀バークレイズの金指標価格操作問題が発覚しその価格設定を巡る不透明さが指摘されていた背景がある。

市場の信頼回復を急ぐ狙いがあるとみられる今回の見直しだが、コモディティーの金融商品化へ伴いその取引形態も多様化しそれに絡む不正も横行、値決めではないがLMEも倉庫ファイナンスなる取引が横行しそれに伴う規制強化がこれまで多数浮上してきた経緯がある。この値決め全面的見直しも含めコモディティー系は取引慣行にもいろいろと影響が出そうである。


刻み値変更第二弾

今年のあたまには「TOPIX100」採用銘柄のうち株価が3,000円超の銘柄対象に刻み値が引き下げられ値嵩の板など見慣れない光景が展開されたが、投資家には周知の通りで連休明けの本日からこの第二弾として、「TOPIX100」に採用されている銘柄で且つ株価が5,000円以下の銘柄の刻み値が0.5円、1,000円以下は0.1円に縮小されている。

FXが主流の向きや株式でもPTS等中心にしている向きは違和感という意味ではあまり抵抗なく入れるだろうが、低位から値嵩まで本日から変わった板を見るに板読みしていたデイトレ組にはなんとも無意味な銭単位の数字がズラリと並ぶ異様な光景になった。

異様といえば、価格の似ている者同士で例えば日経平均高寄与度銘柄の京セラは同時にこのTOPIX100採用であるために5,000円近くの株価ながら末尾50銭ずつの歩みになるが、同じ225採用でもTOPIX100に入っていない同様な価格帯のTDKは従前通り刻み値が5円単位で、これを機に両社の変動幅には大きく差が出ることになる。

何れにせよそんなワケでこれらの対象銘柄は本日より板読みがほとんど不可能になり、構造的に値幅が稼げないことで短期目的の用からは除外されることになるか。本日始まったばかりだが総じてこれだけ見れば個人の利便性は低下、プログラム売買にはやや有利というところで機関投資寄りという感だが暫く様子を見てみよう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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