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夜間市場創設機運

先週に続き取引所関係だが、週末の産経紙では日本取引所グループのCEOが傘下の東京証券取引所が導入を検討している夜間取引について「前向き」との意欲を示している旨が載っていた。この創設検討に先駆けて既に昨年末にはネット証券大手3社が2万人以上の個人投資家にアンケートを実施しており、その結果8割前後が「利用したい」と答えていたことが判明している。

反面、大手証券等は欧米では私設による夜間取引は普及しているものの取引所自体が夜間取引を運営する例が無い事を挙げネット系とは逆に慎重姿勢になっているというが、取引所側は日本が極東に位置する等独特の問題を考慮、これ以外からも要望書が提出されていた経緯などを踏まえ創設検討に着手したと思われる。

その時間帯は現況では19時から23時半までが有力とされているが、当初よりマル信導入などあるかどうか。既にPTSではネット証券会社がアンケートのお願いとする項目の中で信用取引があったら便利に思うか等の質問が並ぶなどマル信検討をほのめかす項目を見掛けた事があったが、これらとの差を持たせるかどうか?機会拡大、売買の厚み等目指す方向性は同じだけに双方共に今後の展開が注目される。


刻み値変更第一弾

いつものように日経平均への寄与度の高い値嵩銘柄など見るに一寸ザラバの板が何時もと違う光景を目にするようになったが、周知の通り今週は連休明けから「TOPIX100」採用銘柄のうち株価が3,000円超の銘柄を対象に刻み値が従前よりも引き下げられている。

この辺は昨年の春先に当欄でも一度取り上げた通り、かねてより海外投資家等から日本市場は米英などに比べて刻みが大きいとの指摘があったものに対応した形でこれが具現化した第一弾となる。しかし当たり前と思っていた歩みも考えてみれば、近年では各所共に段階的に細かくなってきたものだ。

前にも書いたがFX系中心の投資家は株の刻みなんぞ見るに随分なスプレッド?だなと感じるのは想像に難く無いが、オプションなども当初はアウトもののプレミアムでも5円刻みで無価値へ向かうのは5円の売り気配が最終であったものだが、今では5円の幅でセルボラでも利益獲得の機会がある。

アルゴ系にとってどうかとか個人にはどうかとかこの後になってみなとわからないが、PTSなどは既にこの辺に関しては先行しておりこれが時代の趨勢なのはいうまでもない。


アノマリーの変化

本日の日経紙マネー&インベストメントでは「景気から金・白金価格占う」として、先物や現物を売買出来る代表的な投資商品の貴金属でも金と白金はまったく異なる顔を持ち、夫々が世界景気の行方を占う指標にもなる旨の解説が載っていた。

冒頭には「金が上回る珍現象」として2011年以降、これまでにない長期にわたって本来であれば金より高いはずの白金が金を下回る価格の逆転現象という珍事?が続いていた事が書いてあったが、リーマンショック時の憶えで初期の段階からストラドルなどエントリーした向きは鞘滑りでオプションのタイムディケィの如く思惑外れになった向きも多かったのではないか。

そういえばこの時は投資に限らずこれまでになくあまりに逆鞘現象が長期にわたった為に、宝飾品では金嗜好が強くなり果てはクレジットカードまで本来であればゴールドよりもクラスが上であるプラチナの影が薄いなどの冗談も所々で言われていたなと思い出す。

いずれにせよQE3スタートがこれを解き米はいよいよ出口戦略に着手、近年一段と金融商品色が濃くなってきた貴金属の世界経済の潮流変化を感じ取る鞘は今後どのような動きをしてくるのかETF等とも併せ見てゆきたい。


取捨選択

連休明け本日の日経紙特集「米国を読む2014」では、昨年の米シカゴの先物市場で日経平均先物が活況となり、売買高が過去最高を記憶した旨が載っていた。CMEグループによれば日経平均先物の13年の1日当たり平均売買高は前年の約2倍となり04年の上場以来の過去最高を記録した模様で、これを成長機会とみたCMEは4月に日経平均先物を対象とするオプションを上場させることも決めている。

ところで日経平均先物・オプションといえば本家大証、本日も日経平均急落でオプションと共に大活況であったが、一方で外国為替証拠金取引市場の「大証FX」は今秋にも休止の方針と報じられている。当初より店頭に対する優位性を欠き、また「くりっく365」との競争も激しく大証にとって成長分野ではないとの判断という。

この先物関係ではまた経済総合面に、政府が数ヶ月〜数年先の電力を売買できる先物市場を2016年度にも創設する方針とも書かれていた。電力先物といえばTOCOMでは度々触れたLNG先物と共に上場要請があった旨も書いたことがあるが、商品先物取引法の改正案を今月招集予定の通常国会に提出し成立をめざすという。斯様に各所で取捨選択が加速の気配でありこの辺もいろいろと今後は話題を振りまいてくれそうだ。


今年のよそう(うそよ)

本日の日経紙まちかどには「今年のびっくり予想は?」と題し米ストラテジスト、バイロン・ウィーン氏による年初恒例のびっくり10大予想が出ていたが、予想といえば週明けも書いたように年明けの日経紙「経営者が占う」では昨年とは一転して各項目の予想に強気な見方が並ぶこととなった。

ところで昨年同時期のこの欄を見返してみると、一昨年の株式は大納会を年初来高値で終えたことで、揃って判で押したような年末高という大半の予想が当たってしまった珍事?となったという旨などが書いてある。

これに続き、昨年の大納会も2009年7月以来の9日続伸から年初来高値更新で終えたことで年末高を予想した約半分の経営者はこのシナリオが当たったということになる。とはいえ12月高値を予想した向きでもその時の日経平均を11,000円から12,000円の範囲で挙げており、魑魅魍魎のアナリスト同様その乖離が5,000円前後にもなるからこの辺は全く予想不能だったといったところだろうか。

まあこの辺は例えば経済成長率や円相場も同様で、メガバンクの経営者でさえ対ドル円相場の安値を81円から86円の範囲で挙げていたワケで事程左様にアベノミクス第一幕の効果は凄かったという事だ。これら鑑み今年の予想は、日経平均では下は13,000円から上は20,000円の大台まで並び証券会社トップも定番である1月安値12月高値が復活した。メガバンクトップの対ドル円相場予想は上が102円から下は106円まで並んでいる。

これらとは対照的に冒頭のバイロン・ウィーン氏は「対ドル円相場は120円まで円安進行、日経平均は早い時期に18,000円まで上昇するが年後半は20%ほど急落する」と、まさに「午尻下がり」のような予想を出している。他にも同様な予想を出しているアナリストも居るがアベノミクスの真価が問われる第二幕、これら予想と共に興味深く見てゆこう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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