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インバウン丼も新高値へ?

いよいよ師走入りだが、月初め恒例の今月の値上げ動向は帝国データバンクによる主な食品メーカー195社における飲食品値上げはコメ高騰の影響を受けたパックご飯など加工食品の91品目はじめ109品目となる。2024年通年では駅1万2520品目の値上げとなり、昨年の3万台から61%減と過去3年間で最も少ない水準となる模様だ。

ところで食品値上げといえば例年今頃が旬の所謂“冬の食材”も高さが目立つ。先ずここから多用されるであろうイクラだが、豊洲市場の北海道産イクラ卸値は不漁の影響で先月中旬時点では1キロ当たり前年同期比8割も高くバブル景気の頃の水準になっている。ホタテも海水温が高かった影響で振るわず東京都中央卸売市場ではむきホタテの平均価格が前年比1.5倍と上げが加速、ここ10年でも2.64倍の上昇上だ。

海産物ではタコも主要産地の明石市では漁獲量がここ約10年で約5分の1までに激減するなどなかなか深刻な状況だ。それに伴い東京都区部の今年10月のタコの小売価格は100グラム当たり513円、ちなみにマグロは同492円であるからタコがマグロより上鞘になったことになる。2000年には両者の価格差は2倍ほどあったワケだからまるでかつての「プラチナ」と「金」の価格逆転劇を見ているようだ。

イクラやホタテも上記のような状況から今年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされた「インバウン丼」も日本人が呆れる値段に更なる拍車がかかりそうだが、これとは対極のタコ焼きを過日近所で買ったところ中身は既にイカになった「イカ焼き」になっていた。国際的に食習慣など時代の流れと共に変貌を遂げているなか、日本は円安の影響もあって各所で馴染みの食材も“買い負け”が目立つ場面が多くなって来たとつくづく。


米年末商戦2024

米では感謝祭が明け今週ブラックフライデーがスタートするが年末商戦の前哨戦となるこのセール、日本でもこれを倣って早くから先鞭をつけたイオンほか各社が先週から日本版ブラックフライデーをスタートさせアマゾンも今週からこれがスタートする。米に倣えの日本だがこちらも年末商戦のスタートとして国内消費の盛り上がりにつながるかどうか期待のかかるところ。

さてその本場のアメリカだが、NRF(全米小売業協会)によれば、今年の年末商戦の売上高予想はトランプ関税を見越した駆け込み需要が増加する見込みもあり前年比で最大3.5%増となるものの、2021年以降から鈍化傾向にあるその伸び率自体は6年ぶりの低水準になるとの予測を発表している。ただ、そういった中で昨年10%を超える伸びを見せたオンラインの勢いは今年も期待されそう。

先に第3・四半期決算を発表したアマゾンはネット通販事業の改善が寄与し利益と売上高が市場予想を上回り、また先週に決算発表を行ったウォルマートも既存店売上高が予想を上回り1株利益、売上高とも予想を上回っていたが、うちeコマースの売上高は前年比で27%増を記録するなどここでもオンライン分野の成長が目立つ。

今年の年末商戦は例年より期間が短くEC業界は中国の新興勢が勢いを増してきているという中でも、上記のNRFは今年もオンライン販売の売上高は前年比で最大で9%増の2979億ドルになると予想している。そういったことで今後もオンライン販売における戦略等で企業間でも明暗の分かれる場面も出て来ようか。


ボジョレ・ヌーボー2024

さて先週はワインの新種“ボージョレ・ヌーヴォー”が解禁されている。昨年は円安の影響こそあったものの航空運賃の下落や地政学リスクの顕著化前に輸送などヘッジしていた事などもあって一昨年より店頭価格が1~2割ほど安く14年ぶりの値下がりとなったが、今年も輸入量が減少傾向である市場を活性化するため、販売価格を据え置く動きが見られている。

ボージョレ・ヌーヴォーといえば毎年の如く「〇〇年に一度の」「〇〇年で最高」と最高の評価が恒例となっていたものだが、今年は産地が日照に恵まれ例年以上にフレッシュな仕上がりになっているとのTV等の控えめなコメント以外には上記のような専門家が絶賛する類の言葉は見当たらず、週末に立ち寄った家電量販店でも特設コーナーはここ数年で一番小さく感じた。

それもその筈今年の日本全体の輸入量としては昨年並みになるものの、近年はワインも種類や価格帯の多様化で新酒だけを“売り”にしたボージョレは相対的にその魅力が薄れてきていることなどを背景にここ10年間は輸入量の減少傾向が継続され10年ほど前に比べれば約7割減少しているという。こうした需要減少を背景に企業側も対応が割れてきている現状だが、秋の風物詩も次第にその風景が変わりゆくか。


私鉄統合思惑再燃

本日の日経紙投資面には「物静かな株主対話動く」と題し、アクティビストが台頭する一方で信託銀行や地方銀行の存在感が低下している旨が出ていたが、冒頭では昨日の株式市場で旧村上ファンド系投資会社が株式を買い増しているとの観測報道が背景となって突飛高を演じた京成電鉄と京浜急行電鉄が取り上げられていた。

村上ファンドに鉄道株といえば同頁にも出ていたが2006年の阪急・阪神経営統合が記憶に新しい。当時同ファンドは最終的に阪神電鉄株を実に5割近くまで買い進んだものの、例の村上ファンド事件も絡むなか阪急ホールディングスのTOBに応じ両社は株式交換を行い経営統合型の私鉄の再編劇が為されてこの件は幕を閉じた経緯がある。

本日の市場では京浜急行電鉄が反落する一方で京成電鉄は続伸となっていたが、この京成電鉄は当欄でも取り上げたことのあるように持ち分適用のOLCの時価総額が10倍近くにもなる資本捻れが顕著で、既にこの辺に目を付けられ英投資ファンドに一部株を握られている。本日はOLCの実施する自社株買いに応募した報道があったが、なお出資比率は20%を超えファンド側が求めている水準を上回る。

仕手株のような上昇軌道を描いた当時の阪神電鉄のような派手さこそないもののにわかに再燃した令和の私鉄再編劇思惑だが、資本効率等に関して具体的な発信力の無い企業にはアクティビストが虎視眈々と狙い隙をついて群がるマーケットになって来た今、私鉄に限らずビッグバンに繋がる構図も多いだけに企業側の資本政策が一層問われることになりそうだ。


3度目で上場

先に東京メトロが上場した際に当欄では末尾にて今後はまだキオクシアホールディングスや非鉄大手JX金属の大型上場も見込まれている旨を書いていたが、この半導体メモリー大手キオクシアホールディングスは先週末に東京証券取引所から上場を承認され、来月18日に東証のプライム市場に上場する運びとなった。

このキオクシア、もともとは2020年に東証から上場を承認されていたものの新型コロナの影響で半導体市況の見通しが不透明なことや米政府の取引規制を懸念し上場を延期、今年に入ってからも半導体関連株下落等の影響も懸念され10月に予定されていた上場が延期と2度にわたる延期を経ての今回だが、目論見書では1株あたり公募・売出価格は1390円ということで、上場時の想定時価総額は約7500億円が想定される。

そんな紆余曲折を経ての今回の上場だが、上記の通り約7500億円の想定額は当初に掲げていた目標額の1兆5000億円の実に半分という数字になる。来年のデータセンター需要拡大を当て込み想定額を退けて挑んだ格好ともいわれるが、米ウエスタンデジタルとの経営統合協議には次期大株主の韓国SKの壁が立ちはだかるなど課題も数多ありこれが吉と出るか凶と出るか?上場後の動向にも目が離せない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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