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Egg Hunt

さて、本日の主要なマーケット関係は欧米がイースター休暇で閑散ムードであった。例年の事ながらエイプリールフールが終ると次はこのイースターで、街の欧州系スイーツ処や大使館が隣接する地域のマーケットなどには思い思いのイースターエッグが早くから並ぶ。

そうそう大使館といえば今回の震災で逸早く日本脱出を奨励していた原発大国フランスだが、個々ではカルチャーの啓蒙は続けられピエール・エルメなど今月中旬には原美術館の庭園で「エッグ・ハント」を開催している。そういえばこの時期TDRも「エッグ・ハント」をやっていたような記憶があったなと。

で、深夜はといえばお子様タイムのエッグハントとは一転雰囲気が厳かになって御茶ノ水のニコライ堂の「復活大祭」になるが、今年はあいにくの雨に見舞われあたかも震災の悲しさを物語っているようでもあった。目下のところ震災復興に向けて総力を挙げているところではあるが、そういった思いもあって今年の「復活祭」はかつてないほど誰もが重く感じたことだろう。


「FLYJIN」なる現象

さて、先の日曜付け日経紙中外時評には「鏡に映ったニッポン」と題して原発事故以降に外国人の東京脱出や帰国ラッシュが急増した模様等が書かれていた。確かに震災後入管や空港に外国人が殺到している様はさながら日本が完全に見捨てられている様以外の何物でもないような光景にも映ったが、一連の官民ディスクロをみればそんな行動も已む無しか。

一般はともかく、先に書いたように外資のビジネス関係は今回のような危機的事態下で企業トップがとっとと海外脱出して日本不在にしてしまうような向き(まあ、日本もその危機の根源となった東電のトップは体調が悪いとかでとっとと病院へ逃げてしまったが・・)と、残って陣頭指揮を執っている向きがけっこうハッキリ分かれたが、消費者はけっこうこういったところを見ているものである。

ロクなプレスも無しにいきなり店を閉めてしまう暴挙?に出たブランド系など一部ファンにはがっかりした向きも少なくない筈だが、一方で一応発表した向きもその理由が各社辻褄の合わない苦肉の言い訳が窺えてある意味面白いような残念なような複雑な気持ちになるものである。

しかし日本人でさえあれこれ裏読みしなければならないディスクロでは、異国の地で更に読み解きが難しい外国人には無理も無いか。日経紙文中に外国人ジャーナリストの話があり、「外国語に論理的に訳しようのない言い回しが多用されているが、もし悪意があればこうした曖昧な特徴を使って誰も責任をとらずに幾らで好きなことが言える。」との旨が書かれていたがまさに的確な表現。これほどの先進国にあって、その実体は官民揃って責任の所在が曖昧になりがちな日本社会の構造は海外から見ると相変わらず奇異に映っているものだ。


争奪戦回避

本日の株式市場は円高一服や米インテルの好決算を背景に急反発から全面高で引けたが、そんな全般高の中で一際弱かったのがパルコ。朝方でこそ全般の流れで5日ぶりに小高く始まったものの、後場からはズルズルと値を下げて独歩安の展開に終始していた。

ご存知、此処は日本政策投資銀行への第三者割当増資を巡っての確執から、途中でファンドからバトンタッチしたイオンも参戦して以来役員人事を巡って対立、直近ではイオンへの対抗策としてシンガポールのキャピタモールズ・アジアとも業務提携し、このまま行けば株主総会に向けて委任状争奪戦という構図が有力視されていた。

今回は一転、大株主の要求を受け入れたことからこうした争奪戦のプレミアムが後退、株価もそのプレミアム分が剥げたという格好になったワケだが、これで日本政策投資銀行が割当てられたCBを株式転換するような動きにでも出るとそれはそれで面白かったのだがなんとか穏便に収まってしまった格好。

しかしやはり時価総額というかカネの力は大きい。そういえば、一寸逸れるが先の狂乱オプション相場で多額の貸倒引当金発生懸念からネット系は軒並み新規ショートを停止してしまったが、そうした措置を取らなかった向きもありこの辺はいろいろ懐具合の深さが感じられる。


自社株買いに冷や水

さて、先に東電が資産リストラの一環として保有株式を見直し、それらを売却する方向で調整に入ったとして日経紙の一面にも載っていたKDDIが本日も続落、他も保有銘柄リストなどが出回りそれらに挙がっている銘柄は昨日から軒並み弱含みで推移している。

もともとは数年前だったか同社が東電の光ファイバー通信回線事業を買収する際に自社株を東電に割当てたものだが、昨年後半相場では自社株買いへの期待が膨らみ需給面での支えとなって上昇していたところ。直近でも震災ショックからの出直り局面であったがやはりここへきて冷や水となったか。

しかし最近はなにかこう自社株買いモノが冷や水を浴びるパターンが多い。このKDDI以外では七十七銀行も公的資金注入の申請検討の報で売られてしまったが、ここも直近では自社株買いを発表しており、また本日は大東建託が引け後に下方修正を発表しているがここも先に自社株買いを発表している。

これらも自社株買い余力の目減りになってしまうケースとそうでないケースで出直りに差も出てくるであろうが、昨今増えつつある自社株買いも初動を逃がすとチャブついてしまうパターンが増えてきているのでこの辺は注意しておきたい。


再試練

さて、先週末の日経紙夕刊一面には、都内の主要ホテルの客室稼働率が3月は49.8%と調査記録が残る1991年以降、過去最低となった旨が載っていた。平均稼働率は前年同月比33.6ポイント低下、国内主要ブランド含む3ホテルは40%を下回り、あのインペリアルは40.1ポイントの低下という。

これら東日本大震災の影響が出たのは一目瞭然だが、こうした老舗系?ではなく新興勢の中でも一際即決だったところには後発組の「シャングリ・ラ ホテル東京」がある。漸く先週から営業再開となったものの、此処は大地震一週間後から早々に営業を休止してしまった。出来たばかりで特に崩壊箇所も無かったワケだが、やはりその客筋を考えたらなるほど外資系ならではの決断の早さだった感もある。

話しは戻るがしかし関東のホテルは震災前であっても既に厳しい状況が続いており、各社生き残りをかけて時節柄受験シーズンを絡めたものとか、東京マラソンを前にしたランニング絡みのものから女子会モノまで個々でアイデア勝負を競い始めていたところ。

これらいずれも値下げを抑えて話題性で呼び込もうと図ったものだが、震災後さすがに背に腹はかえられなくラグジュアリークラスさえ最近は挙って特別宿泊プランなる案内を頂くが、中でもミドルとの境目が微妙なところは特別プランよりもはるか割高な通常プランで一般はリピートするであろうか?グルーポンなどもそうだが、この辺はそれほど極端ではないにしろそうした動き絡めて今後の成り行きを見守りたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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