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コマばかりの日足

昨日も一寸触れた「オリンパス」が怪しげな内情に本日も引続き乱高下となり、その売買代金も1,100億円超と商いの方もまたスゴイ。これだけで東証一部売買代金の軽く1割を超えているワケだが、こんな1銘柄で1割を超えられてしまう東証売買代金の方は8,400億円弱と連日で今年の最低を記録している。

この薄商いで動かないのが日中取引、毎度海外をそのまま映す形でマド空けのスタートが恒例で、引けてから日足を見てみれば一目瞭然でコマがパラパラと点在する有様。結果上記のオリンパスのような一部個別に一極集中してしまうワケだが、これらが平均を決めるというものでもなく要は海外が日経平均を決めているようなものである。

この辺に関しては、先週の12日付け当欄で「続く夜間の伸び」として末尾に「イニシアチブを取れる参加者が不在で、日本市場が自力でトレンドを形成することはないのが日中の実情であるとすれば、活況な夜間取引はその裏を見せられているようでもある。」としたが、まさにこれが実情。

しかし自国で動かない株というのも考えもので、この辺が改善しない限り証券各社の苦悩もまだまだ続きそうだ。


商習慣の壁

先週の日経紙一面には13日から「M&Aに賭ける」としてここ最近のM&A事情が載っていた。確かに恒常的な円高の影響もあって一寸したM&Aブームにもなっているが、週末の方の項にはこうした機運の中では外国勢の日本企業売りもまた誘発とも書いてあった。

斯様に環境で思わぬ出物が出て来るのはオークションと同様だが、この辺は株式市場で最近話題になったのが米投資ファンドのサーベラスが筆頭株主になっている「あおぞら銀行」か。相手として噂されているのが「ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)」で、その株価も思惑で一寸前には乱高下した経緯がある。もう一つこれも同紙に載っていたが、8月末に日本事業を撤退すると発表した英小売最大手「テスコ」等。

当時は鳴り物入りで登場したものだったが本国流経営方針が合わずに8年で撤退、また同じスーパー業界からこの手のパターンで撤退していったのが仏大手の「カルフール」がある。これもまた卸しを飛ばし直接仕入れを目論んだものの、上手くゆかずに撤退していったパターンだ。そうそう、本日も週末に続いてオリンパスが外国人社長の解任騒動で暴落しているが、これも相容れなかった部分があるのだろうか?

また上記のあおぞら銀の話とて今迄外銀が日本で大成功を収めた例が無く、こう考えると日本固有の商習慣とどう付き合うかが非常にキーとなってくるが、これは何も企業に限ったことでなく、例えば商品先物の新規上場商品なども或る面同じだなとフト思ったりもする。


新ジャスダック一年

さて、今週で大阪証券取引所のジャスダック市場とヘラクレス市場を統合させた「新ジャスダック市場」が発足してからちょうど一年が経過した。当時もこれについて当欄では触れたが読み返してみると発足当時1,005社あった企業数は直近で970社に減少、これは2001年8月末以来10年ぶりの低水準という。

週明けには増加傾向にあるMBOについて触れたが、このMBOはもとより震災後の株価低迷で時価総額基準額が未達になったりまた財務悪化ありでIPOを横目に上場廃止もまた多くなってきている。そのIPOだが、リーマン・ショック後に失速したものの今年は上場予定を含め9月末迄で全取引所合計は25社へ増加。うち約半数がジャスダック市場であり斯様に近年では漸増傾向にあるものの、やはりピークから比較してみれば9分の1以下と心許ないのも事実。

また月曜日記の話に戻るが「フランフラン」を展開するバルスは、他のアジア市場での再上場意欲に関して時価総額が東証の3倍は見込める感触というのも理由の一つとして挙げている。他のアジア市場に活路を見出し流出組が増加、結果として上場企業数が減少の一途というのもダイレクトに活力が削がれよろしくないのは一目瞭然。

一年前に当欄では「今後IRやスタープレイヤーの発掘が非常に重要になってくる。」と末尾に書いたが、この辺に関しては日経紙ではジャスダック市場が未上場企業対象に独自に成長性や上場意欲を調査し上場予備軍発掘を強化しているという旨が載っていた。誘致も大切だがこうした撤退企業鑑みるにその後のケアもまだまだ再考の必要性があるのではないかとも思う。


続く夜間の伸び

さて、約一ヶ月ほど前に株式先物やFXの夜間取引について当欄では「グローバル化の波」としてこれらが急増している旨を書いたばかりだが、先週末の日経紙一面でも「個人マネー夜に動く」として、株式先物やFXなど揃って個人マネーの夜間シフトが鮮明になっている旨が載っていた。

今月に入って大証が発表した平成23年度上期の売買状況によれば、デリバティブ取引高が22年度上期に継いで過去2番目の多さであったが、日中取引に対する夜間取引比率は過去最高の37.9%になった模様。この辺は先月も書いたが、当時比較した8月の過去最高水準が更新されていることになる。

同紙では「欧米金融市場の不安定な展開が続き、翌朝の東京市場が開く前に一国も早く売買したいという個人投資家が増えているためだ。」と夜間の活況要因を挙げていたが、この辺はどうだろう?知人のトレーダーの多くは結局日中取引を見てもその値動きが二桁程度、恣意的な板の中で個人が戦うにはトレード妙味が薄いとしている。イニシアチブを執れる参加者が不在で、日本市場が自力でトレンドを形成することはないのが日中の実情であるとすれば、活況な夜間取引はその裏を見せられているようでもある。


MBOでも地盤沈下

さて、忘れた頃にポツリポツリと挙げられるが、先週には去る8月に上場廃止となったワインのエノテカのMBOを舞台にして、SMBC日興証券の執行役員がインサイダー取引の疑いで証券取引等監視委員会から強制捜査を受けた旨が報道されていた。

まあ、やはりこのMBOやらTOBというのは会社破綻と同様にインサイダー取引の中でもとりわけリスクが殆ど無い情報だけに甘い匂いに集まり易い。ところでこのMBO、先に日経紙に出ていたところによると今年1-9月のMBOは15社と昨年実績を上回り2011年暦年では3年ぶりに過去最高を更新する公算が大きいという。

前にも一度触れたがこうした動きには上場維持に必要なコスト負担も大きく絡んでいるし、長年株価の不当評価に嫌気がさしている企業も出てきた。同じ上場するならと、MBOで現在買い付け期間に入っているあの「フランフラン」のバルスなどは東証から脱退して他のアジア圏での上場を予定しているし、他の含みを持つ企業などもこれを追う動きがないとも限らない。

また近年の株安で長いこと東証はPBR1倍割れ云々と彼方此方から割安がいわれてきたが、所謂二番手、三番手の銘柄などの中には保有資産との絡みでどう見ても説明が付かない低水準のまま放置されている銘柄も少なくない。こうしたモノにもまた防衛策の一環でMBO案も出てこようが、そんな動きが次々と活発化すればそれはそれでまた投資家の株離れを助長させそうである。この辺は当の企業、また上記の通り取引所も人事で片付けないで双方の課題と考えるべきであろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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