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本年第一号の名門破綻

さて当欄で昨年の雛祭りの時期だったか一度スペインの高級陶磁器「リヤドロ」について書いた事があったが、今年も桃の節句に先駆けて先週末の日経夕刊には全面広告で限定数の素敵な雛人形が載っていた。

ところでこの手の陶磁器といえば今月ショックだったのはあの「ウェッジウッド」が破綻したという報道、ジャスパーウェアなど実にヒットし個人的にはそのお酒には全く興味が無くてもボトル欲しさにグレンフェディックを購入したりした時期もあり、他の有名陶磁器どころも挙ってこれを模倣した逸話もあったのだが、そんな250年の歴史も世界的な景気悪化の下に幕を閉じる事態になった模様だ。

連鎖的にドイツのロゼンタールもこの余波から直近で破綻報道があったが、この欧州圏の企業が今年借り換えを行わなければならない社債と融資は約5,300億ユーロ相当とか、スプレッドも大きくなってきており企業負担も相当厳しい年となる筈。

そんな折、直近ではS&Pが僅か4営業日の間にユーロ圏の4カ国を格下げ対象にしユーロもここ再度急落してきたが、これらの爆弾を抱えそうそう安穏とはしていられない雰囲気もある。


ワイドの恒常化

昨日の日経紙経済面だったか東京証券取引所が、CDS指数を作成し投資信託として上場する所謂損失肩代わり商品のETFを検討するとの報道があった。

このCDSも昨年あたりから俄かに脚光を浴びて有名な固有名詞?の一つになったが、直近でこれに関連した銘柄として思い当たるのは株価暴落から一転急騰の乱高下をしているソフトバンクが挙げられ、他にも似たようなボラタイルな金融株があるもののマトモ?なところで600円そこそこから二ヶ月の間に1,000円以上も戻したのだから何とも凄い。

この背景にはCDSを組み合わせて構成する合成CDOという債務担保証券に絡んだ思惑があったのだが、構成銘柄のデフォルトが一つ出る度に数百億円の損失となって表面化する訳だからそのディスクロのあり方も今後の課題として問われようというもの。

その辺は兎も角としてこのようなエッセンスを汲んだ商品が個人レベルにまで降りてきたのには時世の流れを感じるが、金融危機の狭間に咲くあだ花?はまだ今後数多く出てくることになるか。


急場凌ぎ措置

連休最後の昨日の日経紙一面には東京証券取引所と大阪証券取引所が、株価急落企業の増加から上場廃止基準を緩和する方針が載っていた。

この上場廃止基準に関しては当欄で年末にモラトリアムを設ける事で一時凍結する旨一度触れているが、結局年が明けても状況がさほど改善しないので取引所同士で足並みを揃えた措置となったとか。

その緩和の中身としては時価総額下限を4割前後下げるという内容だが、昨年の日経平均が年間で約4割の下げであるから概ねそれに則した内容となったというわけか?

ところで年末に取り上げた時も最後に「猶予期間が延びた事による延命がはたして良いのか否か、いろいろと考えさせられる。」とコメントしたがIPOもこの地合いで不振、東証撤退の外国企業も続出という状況下これ以上の地盤沈下を何とか避けたいとの思いも少なからずあると思う。

そう考えてしまうと何とも後ろ向きな措置は否めなく、もともとこうした企業は個別ではリクイディティー始めとして幾つもの問題点を擁しておりそうした点では問題銘柄を抱える商品取引所も似たようなものであると改めて感じる。


砂上の楼閣なのか?

さて、年が明けてからここ一週間はそうした絡みから例年の如く世界各地の友人知人から思い思いの近況報告含めた便りが相次いで届いた。

何処もまあ昨年は明るい話題は少なく沈滞ムード漂うものが多かったのだが、そんな中だけに今どきバブリーな写真は一際目立つもので、中東系某航空会社でフライトアテンダントをしている知人は先にドバイにオープンしたホテル「アトランティス・ザ・パーム」のパーティーの様子を送ってきた。

なんでも2,000億円近くかけたパームの一角、パーティーの予算だけでも数千万ドルであったそうで送ってきた写真を見る限りそれはそれは絢爛豪華、中には大型水槽に直結しているスイートルームや専用エレベーター等々目移りしてしまうが、そうそうこの辺のホテルといえばあのパラッツォ・ヴェルサーチも現在着工に入っているとか。

しかし斯様に華やかな様子を呈しているこの一角だがここも決して例外ではない、此処最近では借入金依存での開発にも陰りが出て来たともいわれ直近ではドバイの不動産金融大手二社を連邦政府系銀行が救済する事を決めたばかり、早くも文字通り「砂上の楼閣」と一部に揶揄されているが原油価格が昨年一年間で53.5%の暴落をした中を中東もその行方が注目される。


Euforia

本日も日経平均は続伸し06年の春先以来実に2年9ヶ月ぶりの7連騰となった模様、また商品も方もリスク資産への一部流入からか殆どの銘柄がストップ高も交えここ最近は高くロイター・ジェフリーズCRB指数も昨日まで約5週間ぶりの高値まで回復してきている。

素地として相場が枯れていた折に個別の多くは各種指標が11月〜12月に掛けて既に陽転していたという事もあって別段「懐疑の中で育ち」というわけでもないのだろうが、ボンヤリとやはり背景には「オバマ・ユーフォリア」の指摘も一部には為されている。

折しも丁度円安に振れている事で指数に寄与し易い主力が先導し、上記の点では次期米政権の景気対策が8,000億に届こうかという莫大な規模だけに骨子が明らかになるまでの真空地帯は安心感も出て来ようというものだが、しかし円安といっても今だ多くは下方修正が出かねない水準でなんとも慣れの感覚は好い加減なものである。

肝心の財源も焦点になってこようが、パンクした向きの社債オークションのディスカウントを見ても明らかなように架空の資産バブルなるものもCDS含め時限爆弾のようなもの、第三四半期決算でブレる向きも多くなりそうで次第に選別化も出てくるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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