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リンク業界

さて、企業の信用リスクを取引するCDS市場では歪み補正の目的から一部銘柄の入れ替えを実施、これにより先週の指数は99と昨年6月以来の100割れとなったが、なんといってもその寄与度が高かったのは大手消費者金融である。

格下げから極端に一業種のCDSが高止まりし、正確な信用リスクを反映しにくくなっていたわけだが、株式市場でも「どうする?アイフル」とCMよろしくその動向が注目されていたアイフルなんぞ、事業再生ADRによる私的整理の手続きに着手した事で嫌気売りが殺到している格好だ。

この業界の環境も早くに株式市場から姿を消した中小組から斯様な一部上場の大手までADRをも待ち出すに至ってその厳しさも窺えるというもの。しかし、グレーゾーン金利問題がトリガーになり規制の一段の強化、残高の萎縮と一連の流れを見ていると、これに先駆け一足早く改正商品取引所法施行というのがトリガーになったと一般論としていわれている商品業界もその後の規制強化、取組高の急減などどうしてもこれとリンクして見えてしまう。

オマケにハイエナのように数年前からドル箱になっている過払い金請求の後には、商品先物絡みで悪質な被害者?予備軍が控えているとも聞く。まあ、何れの業界も黄金時代から襟を正していればこんな構図も変っていたのであろうが、適正なパイへの回帰がこうした事で進行しつつあるのはなんとも荒涼としたものを感じる。


人事と相場

さて、連休前に発足した鳩山政権では当初防衛相での入閣といわれていた亀井氏が一転、郵政・金融担当相への起用となるなど両党間の条件闘争の拗れも見え隠れしていたが、この人事で株式相場全般では新内閣発足のご祝儀気分があったものの、個別では前々から売りのターゲットとなっていた消費者金融株やモラトリアム発言もあって銀行や不動産株など冴えない展開も目立つ。

同氏を巡っては今迄の証券優遇税制廃止論から日経225先物廃止論(それにしても大証は全く動じず逆に堅調さが目立つが・・)などその発言も様々であったが、外為市場でも財務相に就任した藤井氏の発言を切っ掛けに円相場が上昇など敏感さを窺わせている。

一方で商品業界はどうだろう。先週の日本商品先物振興協会の市場戦略統合委員会の初会合後の委員長会見では「政権が交代し新政府の商品先物取引への取組や考え方がまだはっきりしない。」としており、TOCOMの社長も先週の定例記者会見では「軽油税制などの先行きには注目しているものの、具体的には全く不明」と述べこちらは不透明感漂う。

まあ、各方面で民社国の連立政権はこれら金融業界にどう影響するのか、まだまだ過去と照らし合わせて株式も為替も商品も個別の部分では様々なセンチメントが交錯しようが、とりあえず最初の関門としてはG20金融サミットというところだろうか。


LALIQUEの透明感

さて、生誕150年を迎えるということで先週まで開催されていた、「ルネ・ラリック、華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ」と題した主要コレクションを観に国立新美術館に過日行ってきた。

先月はエミール・ガレやドーム兄弟など観て来たがこのところ目の保養になる機会が多くありがたい限り。さてこのガレやドームと同様にラリックもガラスもので、この時代に高い芸術性を維持しつつも工場生産を両立していたという点では両者同じであるものの、前者の色で魅せる物の対で後者はガラスの透明性を活かした造形で魅せている。

こうした部分では今の花器「バコーントゥ」もいいが、これの絡みでは1927年「バッカスの巫女」の何ともいえぬ硝子感や、1926年電機置時計「昼と夜」などは裏から削った男性の陰刻と裏に盛り付けた陽刻の女性が面白く好きな作品の一つでもある。

またラリックを最もよく理解した顧客ともいわれた、実業家のカルースト・グルベンキアンのコレクションを集めた部屋も途中にあったがこれも圧巻。ところでこれら眺めて想ったのが、昨年のペネロペ・クルス主演の映画「ELEGY」の中での、「絵画を買う人は作品を所有していると考えるが、絵画が彼らを所有する。作品は所有者よりも長く生きる。彼らは一時期の管理者であり、自由に鑑賞し賛美するだけ。」とのセリフであった。

他の個人蔵モノにも素晴らしい物が数多あったが、当欄4/23付け「Lunariaの灯り」の末尾に「昨今の金融危機で出物もいろいろな向きからあるとも聞くが、こうした芸術品も所有者を転々とする中、今迄見てきた世に何を想うのだろうか。」と書いたのもまたフト思い出した。


高級魚も低級魚も

本日16日から地中海に面したモナコのモンテカルロ劇場では、市川團十郎、中村時蔵、市川海老蔵らが出演しての歌舞伎公演が行われる。歌舞伎も世界無形遺産に選ばれ、ここ数年積極的にパリやロンドンで公演を行っているが、モナコでも歌舞伎公演は初めてである。

ところでこのモナコといえば昨日の日経紙夕刊にも出て今話題となっているのが、乱獲で激減している大西洋と地中海のクロマグロの国際取引を全面禁止するように欧州各国に呼び掛けている件。欧州委員会はモナコの提案を暫定的に支持し、来春のワシントン条約締結国会議で三分の二以上の賛成が得られれば日本は輸入が出来なくなるという事で、流通業界や外食業界もざわめき立ってきた。

これに先駆けてブームのあおりから一転日本食文化への風当たりも強くなり、高級日本食レストラン「NOBU」などがヤリ玉に挙げられて英国では代替魚を顧客に勧めているらしいが、英国といえばあのゴードンラムゼイのレストランもクロマグロの提供を中止している模様だ。

さて条約締結国会議がどういった結果になるかだが、もう一つ乱獲で絶滅の危機に瀕しているのが高級魚クロマグロの対にある低級魚のホキだとか。マックのフィレオフィッシュと言えばわかり易いだろうが、各々高い魚も安い魚も食文化に振り回されいろいろと深刻な事情があるようで。


緩和と規制と懲りないバブル

15日の本日であのリーマン・ブラザーズの破綻からちょうど一年を迎える。当時はちょうど連休中であったが、既に六本木界隈の一部ではパンクが既定路線で外資の連中が情報交換に東奔西走していた光景が記憶に新しいところ。

このテーマ自体が広く金融を網羅する為に短い文章でこの一年の個々を纏められるものではないが、百年に一度という言葉まで生み出したこの危機ではアノマリーの崩壊や川上から川下までが盛者必衰というシーンがこれほど見られる経験もそうそう無かったのではないだろうか?

ここへきて世界の株式や商品相場が、リーマンショック時からどの程度の水準まで回復している等の比較モノが彼方此方で目立つが、この破綻そのものもそうであったようにリーマンショックといわれるものは様々なシーンでパラダイムシフトをより一層鮮明にし、またコモディティーなどを更に一段と金融商品の性格へと変貌を遂げさせたのは疑う余地もないだろう。

一周年を迎え経済、金融市場は表面上最悪期を脱したと巷では喧伝され、散々批判された金融界での高額報酬もまたぞろ復活しているが、これに準ずる金融商品もまた然りか。規制強化の気運の中で金融などは台頭してきた新興国に期待を賭ける向きもあるが、多くの火種が新たに燻る中で過剰流動性がキーとなるだけに金融安定化のバランスをこれらの中でどう図ってゆくか今後も試行錯誤か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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