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これはLAYOFF?

こうした世になると昨日触れた大型再編等いろいろな事が起こるもので、先週各紙既報の通りホンダがあのF1から撤退するとの報道には各方面から驚きの声が上がったが、自動車業界を襲う業績の悪化から年間500億円以上もの費用削減効果に何でもエコが重視される今の時代に逆行する投資も限界であったか。

ところでこのホンダは新たに国内4工場で来年1月末までに約490人の期間従業員を削減すると発表、トヨタやいすゞも然り、本日はソニーの8,000人削減やキャノンの1,000人削減の報道が為されるなど連日この手の記事が踊っている。

そんな折に先週末の朝日一面には日比谷の野外音楽堂で2千人の非正社員や労組関係者が抗議集会を起こした模様が出ていたが、期間内でさえこの容赦ない動き、製造業を中心とした派遣労働者の来年度の期限切れで期末までには麻生首相の雇用維持を求めた懇願も空しく3万人以上が職を無くすとも言われているが、これでは派遣会社の方も戦々恐々だろう。

不況下においてこうしたカットはお決まりのコースだが、過去の株暴落時に人員・設備・負債の三つの過剰を解消し体質は各段に改善していると今回の株安では割安感を推す声は非常に多いが、さてこんな事態になると今後の受け皿というか社会のセーフティーネットの整備は万全なのだろうか?

黒字破綻させられる向きも続出し見込み?税収の消滅が広がっている昨今、政府の役割というかその辺も大いに気になるところである。


和製メジャーへの道

さて先週は大手各紙で報じられていたように、国内石油元売り最大手の新日本石油と六位の新日鉱HDが来年秋をメドに持ち株会社方式で経営統合する事が明らかになった。

実にこの業界では99年の日石と三菱石の合併以来10年ぶりの大型再編劇という事から、この報道で株価こそ両社を筆頭に他の上場石油株も同日は軒並み上昇したが、国内市況はTOCOMのそれを見ても明らかなように依然として冴えない商状が続いている。

その生産調整と落ち込んだ需要とで需給バランスが崩壊し末端非業界は慢性的な赤字体質から資金繰りの悪化は推して知るべしで、そんな現状からこの統合で併せて約13,000箇所になろうかというS・S網は統廃合し余剰設備を解消して収益力拡大を目指すという。

さて斯様に直面している国内のこうした下流問題は同再編の切っ掛けになったかもしれないが、ゆくゆくの焦点はやはりその収益構造や国際的競争激化の観点から上流部分の問題か、そうした将来のメジャーという観点から以前SWFに触れた時に採り上げたコスモ石とか一度距離を置かれた経緯のある旧帝石の存在含め他に残った企業群の行方には大いに注目しておきたい。


ライトアップの涼感

さて、都内では夜間の消費電力を減らす地球温暖化対策としてネオンサイン等の広告用照明自粛など要請の動きも出ているようだが、クリスマスを月末に控えて街では各所さまざまなイルミネーションが出揃っている。

既に先月頭から恵比寿ガーデンプレイスで恒例のバカラ・シャンデリアがスタート、続いて六本木ヒルズや毛利庭園でもイルミネーションが点燈、ヒルズ繋がりでは表参道でもスワロフスキーのクリスマスツリーが登場、他に周辺ではグランドプリンス赤坂でもチューブライトのクリスマスツリーが夜空に輝き、また東京タワーは50歳を控え今週からダイヤモンドヴェールなるライトアップが始まった。

過日所用があって横浜へ行った際もランドマーク始めとして彼方此方ツリーが登場、そんなわけで年々各所でこの手の施しが拡大しているのは間違いの無いところだが個人的には何れも心なしか今年は地味めな印象を強く受ける。

これは東京ミレナリオが休止になって以降年々感じていた事なのだが、今年は金融危機もあったせいか震源地の一つ六本木でもけやき通りのブルーLEDが一層荒涼としたものに見えてくるから不思議なもので、何れにしても見てくれは其れなりに揃った今年のクリスマス、さて肝心の消費の方は如何ほどのものかに注目しつつこれを迎える事にしよう。


白トリュフの香り

ここ最近ポストにはご無沙汰しているレストランからの案内も今が旬なだけに白トリュフをテーマにした類のものが増えてきたが、昨日の産経紙には世界四都市で同時開催された白トリュフのオークションで1キロ以上もあるモノをあのマカオのカジノ王であるスタンレー・ホー氏が落札したと報じられた。

白トリュフといえば先月頭にも「ザ・リッツ・カールトン東京」で別に第十回ワールド・アルバ・ホワイトトリュフ・オークションが開催されていたが、この不況下キノコ一つになんとも景気のい値が付くものと感心。

さてホー氏といえばカジノ経営権がベガス資本にも付与されてもなお強しといったところで、昨年末にも1キロ超の大物を落札した事で話題になっていたのだが、このマカオに進出したベガス勢はと言うと例えば8月に当欄で触れたベネチアンマカオリゾートのラスベガス・サンズ社は昨今の金融危機で株価が一年前の140ドル台から暴落しなんと10ドル割れとそれこそギャンブル並の凋落価格、マカオで手掛けるカジノ開発一部も中止する意向とか。

マカオの行政長官は今後世界的な景気減速の為に賭博収入は減少してゆく可能性があると注意喚起していたのは以前書いた通りだが、こうした娯楽や観光収入など消費者の自由裁量の支出に依存する企業もまた今回の金融危機のあおりからキャッシュフローの危機に直面している。


続く逆行

昨日の時事で見掛けたのだが、東穀取は流動性の回復が狙いとかで粗糖のザラバ取引を早ければ来年2月の新甫発会を機に板寄せに戻す方向で検討に入ったらしい。

この粗糖といえば先の11月限納会は前日比11,000円高と暴騰を演じ55,240円と上場来の高値を更新したものの、先月の1月限納会ではたった7枚の買いハナが狙われ前日比7,450円安の暴落を演じ10,000円ドタと単位変更以来の安値を付けるという既に公正な価格云々を謳うのも躊躇われるマーケットになっている。

しかしこの東穀取も証券系などから言わせるとトンでもなくインチキな値付けが罷り通っていた時があったり、直近では度重なる延期に振り回された挙句にやっぱりヤメましたという事になったコーンのザラバ化があるがそもそも新システムなるモノはどういった意図で設けられたのだろう?

東穀取の「中期ビジョン」なるものの中にはTOCOMの新システムとゆくゆくは統合する方針と謳っているが、この先もこんな調子のまま紆余曲折な歩みしか出来ないのだろうか?TOCOMに続き株式会社化したら、それこそこんな失態は許されるはずもない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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