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資産インフレ

さて二月末に世界連鎖株安の切っ掛けを作った上海の株式相場だが、連鎖安を越えてなお依然として破竹の勢いを保っている。

実に景気のいい話だが、秋口以降時価総額は2倍にも急増し本土市場が香港市場とほぼ同鞘になったのはやはり行き過ぎの感も強く、それは同時上場する銘柄の株価が本土の方が上鞘化している事でも証明されよう。

これらの背景には政府が株価を支えるという思い込みの強い個人パワーに因るところが大きいというが、最近の旬でもある会計不信等が表面化しないとも限らず、上記のように資金調達の部分でもこれでは歪が生じ易い懸念もあり資産インフレから来る上昇相場は止まる迄それには見て見ぬフリをするものである。


デイトレ型

新年度入りとなった本日は多くの企業で入社式が執り行われたが、その取り巻く環境が厳しさを増す商品業界も一様に社長の思い思いの入社式に於ける一言が幾つか出ていた。

依然として毎年同じ雛形から引っ張ってきたような抽象論から時代に則して厳しさを訴えるものまで様々であったが、ここ数年はその層自体が可也変って来ていると思うが取る側も変化しているのだろうか。

先に社会生産性本部は今年の新入社員の特徴を「デイトレーダー型」と命名しているが、景気回復局面を背景に他業種含め売り手市場であっただけにさて今後の“乗り換え”動向は如何にという事で注目である。


東京ミッドタウンオープン

さてにわかに報道陣も増えて来た旧防衛庁界隈だが、明日はいよいよ「東京ミッドタウン」がオープンする。

“都心の上質な日常”をテーマにしている通り、擁するテナントも錚々たる面子で例えばハリーウィンストン等はメンズに注力した構成等と新しい試み、アート系ではサントリー美術館も移転、六本木エリア内ではアートトライアングルが誕生の運びとなる。

他、注目といえば西で大成功を収めた「ザ・リッツ・カールトン東京」、昨年末のJDパワー・アジア・パシフィックでも上位に食い込む快進撃だが今回最上階のスイートは一泊200万を越える設定、スパは初年度700万円、またホテルのサービスを享受出来る居住区パークサイドでは家賃500万円越えが登場する等の話もある。

オープンとはいえある程度顧客層にハードルを掛けている分、売上等非常にマーケティング上興味の湧くところでもある。


関連株相場

さて今だ弱震が続く能登半島地震だが、例の如く連想買いで買われ週明け軒並み突飛高となった真柄建始め植木組や北電工は続落と早くも急速に萎んでいる。

災害復興関連系は通常メッキが剥がれるのも早いのだが、それを見越して信用取組も短期で厚くなる事が多く、逆にそれをテコに少し前ならば出世株が幾つか出たものだが、デイトレが増殖した近年は今回のような短期で降りる状況が本当に多くなった。

そうなると相場が長持ちし頃が懐かしくもなって来るが、そういえば同じ地震でも阪神大震災の折に不動建を筆頭に関西系もカラ売りをテコに大相場を演じた事があったが、取引員オーナー筋もセッセとこれに参戦していたのが思いだされる。


特定商取法

昨日経産省では業法が無く被害が拡大しているロコ・ロンドン取引・海外先物OP取引について、販売を規制する「特定商取引に関する法律」の規制対象とする方針を明らかにしている。

同取引に関しては年明けに一度当欄で触れた事があったが、規正法が無く現状はやりたい放題、FUTURES PRESSにて再度「ロコ・ロンドン業者、半数以上が過去にトラブル」と出ているように、同内容を見れば当初から考えられ得る範囲を網羅しておかねばイタチごっこは暫く続くであろう。

同実施は今夏以降になる見込みらしいが、先週の資金循環統計に見られるように現預金を減らし投資性商品が増加してきている昨今、以前にも書いたように自己管理が先ず大前提となろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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