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金商法の機能効果

週末の大手紙で一寸目に留まったのが、銀行や保険、証券などの金融の業界団体に寄せられた苦情が、08年度は3万3千件以上にのぼり過去最多を記録したという記事。お決まりのパターンで昨今の経済危機の影響で金融商品の損失が膨らみ、その販売方法を巡る問題が増えたという。

そもそもリスク限定商品とか安定運用なんぞは非常に使い勝手のよい文言で何処でも使っているが、これらを真に受け仕組み債やリンク債めいたモノを「目論見書」という漢字も読めない一部高齢者顧客層に売りまくった咎めが相場下落でジワジワ焙り出されての表面化か。

結局売り手や買うその顧客層によってこうした類の商品は後で欠陥商品などというレッテルを貼られるのだろうが、何やら第一類医薬品よろしく説明しないまでも全て理解したとして売る方も買う方も居るという部分、またその販売窓口や解約のカラクリこそ前段階で法としては考えるべきではないかと思う。

折しも株価回復等の影響もあって、5月度の投信への資金流入額は1年5ヶ月ぶりの高水準になったと直近でも報じられたばかり、はて投資家保護を謳う金商法は何処まで投資家を守れるか。


迷走と杜撰体質

さて、今週業界関係で目に付いた記事といえば昨日の日経紙商品面に載っていた東京穀物商品取引所がザラバ取引商品を全て板寄せに戻すという件であろうか。

新聞にはさすがに体よく取引手法を転換としているが、はてザラバから板寄せといえば最近では年末にザラバにしたら上手くいかなかったから板寄せに戻すという粗糖の話があったし、未遂?に終った件ではトウモロコシもザラバにすると発表した後やっぱりヤメましたとかのドタバタは記憶に新しい。

これをして「続く逆行」とタイトルした事もあったが、要は順次板寄せからザラバに切り替えていった作業を、トラブル続出な上にカネも喰うという事でまた順次ザラバから板寄せに戻すというなんとも労力と資金を無駄に垂れ流しただけという愚行にはまた呆れるばかり。垂れ流しといえば他にも此処は会員脱退の際の持分を資本余剰金から取り崩し過払い処理を繰り返しをしていたり、よくある官の杜撰さが随所に感じられる。

そんなわけで内側では既に法定準備金や積み立て金やらの取り崩しやら過払い持分も回収出来なかったりで、別な意味からも株式会社化は急務とも言えるがしかしどんな会社になることやら。公という事でこれまた幾つか蓋もされるのだろうが、しかし散々な目に遭った被害者の一つとも言えるのは、これらドタバタに此処まで付き合わされてただでさえ苦しい中を更に応分のカネも無駄にした取引員だろうか。


国策支援と自力増資

本日の株式市場で目に付いたのは、日経紙一面にも載っていたようにオリックスや全日空などの大型公募増資組の下げであった。

そういえばこの全日空、やはりというか例の日航支援に関して政策上公平性を欠くとして国土交通省に再考を申し入れていた件も昨日報じられているが、この支援に関しては直近で採り上げたように一企業への融資に政府保証が付くという異例の国策とも言える支援だろう。

スキームからして諸外国よりまだタチが悪そう?だが、こうした自国への支援を競うようになればまたぞろ保護主義が台頭で経済活性も失われようというもの。この日航と共に直近で話題になっているエルピーダも或る面そんな感じか、内外環境が変らないまま公的支援をバックに寡占等を目指すなら、形ばかりの事業計画はそれこそ意味を成さない。

さて日航支援は不公平としつつ自力で増資に臨んだ全日空だが、これや銀行や証券含めた主力の金融系始め続々と増資の傾向が目に付く。株価としては当初上記のように希薄化懸念で売られるのは致し方無いが、今後はこれらを如何にカバーする計画があるかどうか、これはこれで国策支援される企業の事業計画とは異質で形ばかりというわけにはいかないか。


今月目立ったもの

さて早いもので本日で6月も終り、そういえば過日銀座で降りたときそのメトロの柱には「MAUBOUSSIN」の広告が彼方此方に巻いてあったのを見たが、今月はこの老舗宝飾店が5,000円相当という0.1カラットのダイヤモンドを無料で先着5,000人に配るというキャンペーンで話題になった事を思い出した。

このモーブッサン、百貨店では見た事があるが路面店としては何時の間にかユニクロの隣にヒッソリと2月くらいだったかオープンしている。今回は大盤振る舞い?が画期的とかいう事で喧伝されたが同ブランドの知名度向上、新規顧客獲得が狙いとかいう事だが、当時の報道を見ていた限りでは失礼ながら凡そモーブッサンの顧客にはなり得ないであろう客層が何時間も長蛇の列に並ぶ姿や、費用対効果が逆鞘になるような遠方から来た等という輩には毎度やれやれという感じだ。

とは言ってもこのダイヤモンド、はたしてどの程度のクラスの物を配ったのか現物を見ていないので分らないが、使ったコストは単純に上記から2,500万円、他に警備関係も若干あるだろうが、この不況下でダイヤモンドをばら撒いて大手紙からスポーツ紙の紙面を賑わし、はてはTVまで放映されるとなると知名度向上という点ではこのコストでこちらの費用対効果はそれなりにあったのかなとも思えてくる。

フランス系ではつい最近にあのクリスチャン・ラクロワが債務不履行という衝撃的な報道があったばかり、銀座のこの旗艦店の立地は苦境の田崎真珠と飛ぶ鳥を落とす勢いのユニクロにちょうど挟まれている。さて、今後どちらに振れてゆくのだろうか。


かんぽの宿と政府株主

本日はなにかとお騒がせなあの日本郵政の株主総会があった。とはいっても株主は国なのだが代表という事で財務省理財局次長が出席し、20分そこそこで西川社長ら取締役9人の再認が承認された。

周知の通りで総務相の進退にまで発展した社長続投を巡る混乱はこれで決着するや否やだが、結局民営化という言葉を使って出来レースとも思える様々な仕業?からその後処理まで実態が最後まで有耶無耶にされつつ、国民資産が蝕まれたという点は一般論としてシコリが残る。

日本郵政に関しては以前に官の時代からの悪しき名残の浄化が必要かとしたが、この辺はまだ官の呪縛がはずれていないという表れとも取れるが、一部クレムリンの内の如くの部分が残り不透明感が拭えない場合は自ずと国民の目も厳しくなるのは当然。

今後はIRと言っていいのかどうか、一般への十分なディスクロが為されないとまだまだこれも前途多難になるのは必至と思うが。


7/1より電話による代行発注サービスを開始

ドットコモディティは、7月1日より注文専用コールセンター(電話による注文入力代行サービス)を開始。

▼注文専用コールセンター(電話による代行発注サービス)の開始について


注文専用コールセンター(代行発注サービス)概要について

1.代行発注サービス
代行発注サービスとは、ドットコモディティのすべてのお客様が、お電話により口頭で発注できるサービスです。お電話によりお客様の代わりに当社オペレータが注文を入力するサービスのことで、ご利用に関しての別途お申込みお手続きは必要ありません。

2.代行発注受付時間
当社営業日 9:00 〜 23:00 まで

3.代行発注取扱い銘柄
ドットコモディティ取扱い国内商品先物市場銘柄(CFD取扱い銘柄は除きます)

4.代行発注ができる注文の種類と注文の有効期間
成行注文、指値注文、ストップ(ST)注文、逆指値注文の4種類とし、注文の有効期間は当営業日(計算区域)と致します。

5.代行発注手数料
 お客様の手数料コースによる手数料+片道1枚あたり1,500円(税込み)

※代行発注による注文が成立した時点においてお客様の手数料コースに、別途手数料(片道1枚あたり税込み1,500円)が上乗せされます。
(例)一律手数料コースのお客様が決済時のみ代行発注を行った場合:(新規手数料)450円+(決済手数料)450円+(代行手数料)1,500円=2,400円となります。

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株主の変遷と総会

先月あたりから株主宛には株主総会招集通知や議決権行使書の封筒が舞い込んでいたが、今年ももうそんな時期かという事で明日金曜日は株主総会が集中する日、信託銀行の代行部やら一部意見を元に総会用の想定問答集を作成したりやらでここ数日は関係各位の苦労が窺われるところ。

今年は減配更には無配も目立つ事から、議決権行使書の会社議案賛否表示欄の訂正印?の如く小さい賛否欄の否に丸印をつける反対票が例年より多かったらしいが、株主総会については連日主だったところの報道を見ていると横並びな開き直りなのか慇懃無礼なふざけた議長が未だ多く見られる。

金融危機の影響や締め出し?やらで一頃のモノ言うファンド系が減ったと安堵している部分もあるのだろうがそれも束の間、先の日経紙にも個人が20%を越すと出ていたように変わって個人株主や機関投資家の存在が再度際立ってきており、会社側もこれに対してはもっと真摯に向き合うべきであろう。

しかし昨今の金融危機で巨額の評価損を計上する企業が相次いでいるが、やはり持ち合いの部分の値洗い含め酷くこの辺も昨今の特徴。一頃バブル崩壊で悪しき慣習との声に解消が進んだ時期があったが、買収ファンド全盛時代から買収防衛目的等の基にここ再び増加傾向にありこの辺は今後の方針も含め経済的合理性が問われて然るべしか。


次は環境バブルか

昨日急落したあと本日の日経平均は小反発であったが、今日は野村アセットによる投信設定が二本あり一つはバイオ関連の「野村ピクテジェネリック&ゲノムファンド」、そしてもう一つは環境関連の「野村RCMグリーンテクノロジーファンド」であった。

別に個別の投信設定なんぞは興味も無いのだが、直近で「証券業界、環境バブルに期待」とかいうタイトルで、金融危機で大きな打撃を受けた証券業界がこの?環境モノのバブル化?で株式市場や関連金融商品への投資資金流入を加速させ再浮上を目論んでいるという旨の記事を見掛けた後だけに一寸気になった。

両者共に以前から組入れ思惑もあって既に関連銘柄が物色されていた形跡があるが、はて何故この期に設定なのだろうか?それこそインフル関連よろしく一部銘柄は何度もオモチャのように繰り返し物色されて、相場としては手垢が付き過ぎてもう老境、仮にこんなモノを大量に組入れたらそれこそていのいい解体紛いなどという疑義が出てくるとは考え過ぎだろうか。

明後日にも大和住銀がこれまた環境関連の「環境ビジネスオープン」を設定する運びとかだが、受け皿とは聞こえが悪いが結果如何ではまさにピッタリの形容ともなってしまうのでさて各社の組入れまた運用拝見というところか。


角を矯めて牛を殺す、か

最近何処の紙面にもFX規制の文言が登場する頻度が高くなったが、本日の日経紙には株・債券版?FX取引??としてCFD取引についても金融庁が規制強化に乗り出す旨が出ていた。

FX取引に則する形で来年6月までに信託保全の義務付けのほか、同様に倍率規制も検討するというが、もともとこれらの規制案はFXと並行して行われ早々に次はCFDとのコンセンサスがあっただけに成る程という感じだろうか。

ところで先月に矢野経済研究所が当社FOREX PRESSを通じて実施したFX取引規制に関するアンケート調査では、やはりというか投資家の反応は取引をやめるが2割以上にものぼり反発色が強い。100倍程度までが標準といわれる中でFXにしろCFDにしろ相対モノを絞めたいという独自の事情が見え隠れしないでもないが、商品選択肢や時間的なアクセスのよさを犠牲にし既定路線の上に日本だけ絞めがキツくなればこれまた取引海外流出を誘発するのではないか?

この辺はまた触れたいが、しかし最近の矢継ぎ早且つ強制色の強い動きはきれいに当局の既定路線に則している感もある。こうした内部管轄含めたグレーゾーンを巡るカオス?を度々繰り返しているうちに、所管の立場も次の総合市場へ向けて整備されてゆくようなイメージなのだろうか。


証券も自主独自路線?

本日の日経紙には「苦悩する地方の証券取引所」として札幌、名古屋、福岡の3証券取引所の苦境の様子が載っていた。それも其のはず、先に関西商品取引所の全国4取引所の売買高に占める割合が1%にも満たない旨を書いたが、こちらも上記3取引所の株式売買代金を合計しても1%に満たないという惨状である。

そういえば昨年末だったか、大阪証券取引所がジャスダックの買収を決めた際に名古屋証券取引所の社長が「ジャスダックが単独で運営する事が出来なくなったにすぎない」と述べ、同取引所が他の証券取引所と経営統合する考えが無い意思表示をしていた事を思い出したが昨年は名証だけに新規上場した企業は6年ぶりにゼロを記録し、また東証重複上場の数社が上場廃止となっている。

ここ10年くらいで覚えのあるところでは新潟、広島、京都などの証券取引所が吸収等で消えていったが、今やこの3取引所の新興市場なんぞは失礼ながら外務員試験問題で重箱の隅を突付くような設問に使われる程度ではないか。

まあ、確かに国内株式売買代金の9割を占める東証でさえ相次ぐ海外企業の撤退等の地盤沈下問題を抱えている折、他は推して知るべしで斯様な現状で今後も上記のようなスタンスを貫き通せるかどうか各所手腕が問われるところ。


温暖化と果物

本日の産経紙だったか梅雨入りが発表されてからも近畿中心に降雨量が少なく、こうした空梅雨の影響で傘や除湿剤の売上がダウンしている旨の記事を見かけた。おかしな気象といえば今年は桜の時期から各所で夏日が観測されたりして、やれ蛍の見頃が早まったとか扇風機や日焼け止めも異常に売れたらしいが、量販店からコンビニまで異常?気象で品揃え調整は困難極めたのは想像に難くない。

そういえば過日、大変美味しいブラッドオレンジを御裾分けして頂いたのだが驚いた事にこれは国内産だという。なんでも近年の温暖化現象で今迄栽培の難しかった同種の栽培が可能になり、この手は今後増えてゆくとの事だ。温暖化でも斯様に世界中の果物が食せるようになってきたのは歓迎だが、それにしても日本は世界でも突出して果物が高い。

今年もマンゴーや夕張メロン等々の初セリが終ったがこんな時世でも数十万円の落札は出るし、先日も大手百貨店に入っている某フルーツショップで、外国人観光客と思われる向きが「これはクレイジーだ」と言いながら各種果物とその値札を面白がって写真に収めている光景を目にした。

まあ確かに完璧なデザインに加えてトンデモなく高い糖度やらで完成度を高める恐らくもうこの辺は日本の御家芸だろうが、海外ではそうした事例を見ないし、結局は贈答品で果物など独特な文化などからここまで派生したのだろうなとフト思った次第。


引き摺る鶴丸時代

本日は朝から一寸所用で成田空港へ。ちょうど通って来たチェックインカウンター近辺ではカートやら壁のパネルやらで何かと目に入ってくるクリック証券の広告が目立っていたが、インフル騒ぎも一過となったか地上スタッフや搭乗者やらマスクをしている人を探す方が難しいくらいで何時もと変らぬ光景であった。

さて中央塔の方ではJALのArtwinds25周年記念美術展など催されていたが、このJALといえば先の日経紙でも触れていたように、政府系金融機関の日本政策投資銀行などが月内にも1,000億円程度を融資する見通しになっている模様。

先にも急転直下の下方修正が痛々しかったが、そういえば株価の方もANAの下鞘がもう恒常化しており今やこちらの方が常識として固まってしまった。社長が電車通勤とかその年収がどうのとか話題になった時期があったが、失礼ながらそうしたパフォーマンスを以ってしても根本は特殊法人体質からの脱却遅れという部分が一番の問題点だろうか。

その辺は同紙でも指摘している通り政投銀による同社支援は過去10年で3回目という部分が物語っているだろう。そういえばつい先日もフライトアテンダントと食事をしていた際にも「ウチほどそっちの依存色が強い会社はないわね」と彼女が言っていたのをフト思い出した。