287ページ目

調達と運用

本日の日経紙一面で目に付いたのは、早大が利付き学校債なるものを早ければ今夏にも発行する見通しとの件。

此処も他同様に金融情勢の混乱で外国債や投資信託を中心とする資産運用収入が3割程度減る見通しと記してあったが、先に日本私立学校振興・共済事業団が発表したところによるとこれ以外に私立大を運営する学校法人のうち65法人が08年度にデリバティブ取引を行っていたとし、13法人は運用状況の不振から「教育研究に大きな支障が生じる恐れがある」「現実に生じている」との答えを出していたとの発表があった。

話は戻って学校債で今回の件は利付きで発行するのが珍しいとしているが、もともとその与信に見合ったクーポンをがあって然るべきとは思うが、一昔前は保護者に対する購入圧力があったとかないとか?これで連想するのが融資先に暗に金融商品購入圧力を掛けたとの経緯で問題に挙がった事のある銀行か。

献金やら何やらで世間は喧しいが何処も調達と運用で苦心、投資家とのマッチングもキーになって来ようか。


3/30より新システム「相場ライフ」を開始、WEBもリニューアル

岡安商事は3月30日より取引システムを刷新し、「相場ライフ」として開始。併せてWEBサイトもリニューアル。

▼新オンライントレード「相場ライフ」について(PDF)


▼新オンライントレード「相場ライフ」の概要

相場ライフは「岡安くん」「ハーベストオンライン」を統合し、取引に関するコンテンツも整備。

続きを読む

NewDealいろいろ

さて、この週末にはまた一つ上場企業が市場から撤退させられるが、その名も最近俄かに話題になっている政策名にも似た「ニューディール」、ヒッソリと消えゆく企業は近年増えているが同社の場合なんといってもあの『東証マザーズ』上場第一号銘柄であっただけに関係者は感慨?深い。

しかしココも記憶では一時1,000万円超を付けていた時期があったはずだが、昨年の末くらいからは1円カイ2円ヤリの繰り返しとはなんとも変わり果てたものだ。

1カイ2ヤリといえばここ近年は値上がり率上位には100%とか50%とかものすごい数字が並ぶが、ランキングされるのはなんのコトはない1円、2円といった一桁銘柄が多く、昨年の9月だったかトランスデジタルの件で破綻前に1円を付けていた異色さを挙げた事があったが、これも恒常化してくると目に馴染んでくるから恐い。

しかし上場企業が退場させられるパターンにもいろいろあるが、とりわけ新興企業のそれはデパートのように多岐に亘りモラル・ハザードについてつくづく考えさせられる。素人でさえも何年も上場ポストに居座れる不思議さを感じる向きは居ると思うが、これも広く見れば主幹事とか取引所側も何かコメントがあって然るべきのところこれまたなるべく触れたがらないとくるから困ったものだ。


期末模様

本日の日経平均株価は方向感を欠く展開から小反落となっていたが、本日はもう早いもので権利付き取引最終日である。

例年この時期は配当狙いや株主優待に着目した話題が俄かに出て来るものだが、今年の場合半ば公約に近かった増配組も上場来初の減配始め続々とこれら覆し、また株主優待制度にしても野村IRによれば国内証券取引所に上場している企業のうち同制度を廃止した企業は直近で80社以上にも上っているという。

株価急落に加えて減配や無配、株主優待制度廃止のトリプルショックのうちここ直近で二割ほど回復した上昇した事で逆張り組のキャピタルゲイン系で少しお茶を濁した感もあるが、先に書いた年金運用ではないがリスク許容度の高さと相俟って最後に飛び付いた向きはトリプルショックのリスクを被る可能性も無い訳ではない。

ここ近年従業員の給与・賞与ダウンに対して配当金は約3倍以上にも膨れ上がってきたが、本日の日経紙財務面に出ていたTDKが賃金などとのバランスを考慮し今期の増配を撤回するなどの動きも出てきたように、この構図もまたこの環境で変ってゆくのだろうか。


思惑の相違

本日の日経紙経済面で目に留まったのが、東京証券取引所が09年中に予定していた上場計画を現況の環境下でのファイナンス含めた効果は疑問として同計画を来年以降に延期する方向で検討に入ったという件。

東証といえば所謂プロ投資家向け専用市場『TOKYO AIM』の立ち上げ課題等を抱えており、取り急ぎこうした件を最優先にするとしているが、指定アドバイザーの件一つ取っても業界関係者の間では所謂「労多くしてナントカ」ではないがけっこう好意的に受け止める向きは少数派とか。そうした会員サイドの事情といえばその件もさることながら、それよりもこれで昨年の夏だったか当欄で触れたこの上場を首を長くして待っている経営がキツくなっている一部会員の失望感は推して知るべしか。

さて取引所と言えば変って商品業界では逸早く嵐?の中を株式会社化したTOCOMが13年度中の上場を目指しているが、合併待望論が出ている東穀取に関しては「時宜を得ない」と素っ気無く、当の東穀取側も自主独立路線を依然として掲げておりこの辺は外部から?の決定待ちか。

余談だが一部取引員も数年前は主幹事を決めて上場計画したものの、市況環境もあってか結局マルにしたパターンもあったがその後数年間で業界は様変わり受託業務からも撤退、結果的によかったのか否かこの辺はいろいろ考えさせられる。


コンサバ回帰

昨日の日経紙一面にあったのが、株安で今年度の運用利回りが2月末迄で18%以上のマイナスに落ち込み、企業年金が運用資産に占める株式構成比率の引き下げに動いているという記事。

これで思い出したのが数十兆円という運用資金を持つJA共済連やそれに次ぐ規模の全労済が、従来の安全運用を基本とする債券中心の保守的運用から株式等へのリスクを取りに行く積極投資へ方針へ転換したものの、市況悪化が直撃し結局保守的運用へ戻ってしまった経緯があったという事。

この辺は約束利回りを下回る逆鞘状態を何とか解消したいという苦肉の策が垣間見られた訳だが、やはり背に腹は変えられないという事だったのだろう。

ところでもう一つ、同紙の市場アウトルックに出ていた某ストラテジストの「〜厚い壁を上回れば株をもたざるリスクも意識〜」という旨のコメントを見て思ったのだが、こうした考え同様に機関投資家というのは上昇相場でリスク許容度が高くなり下落相場で債券系シフトが進むというパターンが殆ど、生保も含め「順張り」と「逆張り」のカラーが分かれるところだが動きたい時に動ける余力を持つのはマイノリティの方か。


資産運用先としてのフェラーリ

本日は待ち合わせ先へ向かう際に普段は通らない道を歩いたのだが、先週の木曜日だったか日経紙夕刊の一面に珍しく?も春夏の新作スーツを挙げた広告を載せていた覚えが急速に蘇り、それでフト目に留まったのが紳士服『ブリオーニ』の店であった。

直近ではトムフォードに変ってしまったものの、同社はあの007シリーズにおいては馴染みが深いが、確か産経紙だったかこの不況の中においても一着数百万円クラスの同社スーツが相も変わらずの人気で売れているとの報道がある。

モノは違うがこれに限らず一貫してその強気姿勢を崩さない価格設定で売れている物といえばフェラーリか、自動車業界が軒並み減産体制を強いられる中を同社は増産体制に入り昨年は過去最高の販売台数を記録、これらの層にも結構人気な同じ伊のマセラッティも昨年は過去2番目の水準、国を変えてもう一つ英が誇るロールス・ロイスも世界販売が10%増と報じられている。

対してベンツやBMW、ポルシェといったところのドイツ勢は軒並みダウン、結局こうした部分でミドルクラスやせいぜいアッパーミドル迄の客層が総じて不況に抗せないという事からその縮図を垣間見る事が出来る。

ところでこれら資産運用先として普遍的な価値に着目する向きもあるとしているアナリストも一部に居るようだが、余談ながらあの華麗なる営業?で上場企業からまんまと資金獲得に成功したものの、最後は結局パクられてしまったプリンストン経済研究所の総帥が当時帝国ホテルでフェラーリも面白い資産運用先だと熱っぽく語っていたのをフト思い出した。


再生法に備えた一手?

祭日がある週などは最近特にマンション関係のパンフが折込なり投函なり増えているようにも感じるが、昨日の日経でもモデルルームに客足が戻り所謂アウトレットマンション市場が拡大している旨も記事であった。

なるほど新興ディベロッパーの破綻が相次ぐ中をこうした末端部分での市場創造も納得がいくが、不動産といえば度々触れているREIT市場はどうだろうか?

まあ、先月「萎縮から再編」のタイトルで書いた件を裏付けるかのように本日の日経紙では3割が期末で評価損を抱える結果となっているが、直近では傘下二社を擁するパシフィックホールディングスの破綻では昨年まで見られた破綻前に受け皿が出現するパターンとは異なる事態となっている。

今後も破綻が出て来る可能性もまだ高い中でも会社更生法では回収不能の貸出金に対し引当金を積み増す必要があり、その前に何処かのノンバンクではないが貸出金の回収を急ぐ動きが出ないとも限らず、これらの思惑も十分で急落急騰を繰り返す価格はさながら仕手株そのものの様相を呈している。


4月よりNY金・原油先物などの商品CFD取引の提供開始

ドットコモディティは2009年4月から、日本の商品取引会社としては初となるNY金先物(ニューヨーク・マーカンタイル・エクスチェンジ・ゴールド・フューチャーズ)や原油先物(WTI)などの、商品CFD(コモディティ・シー・エフ・ディー)取引の提供を開始。

▼オンライン専業商品取引会社として日本初の商品CFDをスタート

取扱銘柄は金・銀・銅・プラチナ、原油(WTI、北海ブレント)・天然ガス、小麦・砂糖・綿花等20銘柄、取引システムはGFT社を利用。また当該CFD取引に関しては日証金信託銀行での信託保全を導入。


続きを読む

官製相場懸念

週末に大証のイブニング・セッションではサーキット・ブレーカー措置が発動になり、週明けもこの日経平均は続伸しているがこの株式、週末の日経紙一面には政府が「銀行等保有株式取得機構」の機能を拡充し、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)の買い取りを可能にする方向で検討に入った旨を伝えている。

まあ期末を前にしたPKO復活というところで公的資金の市場への直接介入が為されようとしているが、ここ続伸している不気味な株価も更に実態経済や企業業績がこれらでベールに包まれてしまい、ますますこれがはたして公正な価格なのか否か一層その不気味さが増した感ありだ。

相場勘定がマイナスになったら要は税金負担だろうというオチもさる事ながら、直近ではプット等含めたヘッジという部分の必要性が薄いという歪な認識の変化が蔓延してくるのも怖い気がするが、これらが材料視されて株価が続伸する限りそうした増殖は自然だろう。

期末を睨んで重要なインフラである金融の核心部分を保護する意図も理解できるものの、日経でも指摘しているように「官製」相場のレッテルを他から貼られてしまったりしたらそれこそ「完成」市場にはほど遠いという事になるだろう。


人材バーゲンセール

さて先週末の日経国際面にて目に留まったのは、あのCIAが世界的な経済危機が地域紛争やテロ活動に繋がる可能性がある為に、外国企業の動きや資金の流れを分析できる金融のプロ確保が課題で、リストラで放出された米ウォール街からの有能な人材獲得を本格化しようとしているという記事。

なるほどねと思っていた矢先に似たような報道として今週出て来たのが、金融庁と証券取引等監視委員会が行った中途採用募集において枠が十数人のところへ100人以上の応募者が殺到したという記事。

こんな不況期でなくとも証券業界や商品業界で暗躍?した?害務員?が新天地としてその悪知恵を生かして様々なビジネスを創造する話はよくあるが、こうした紙一重でマトモな向きの増員は彼らにとっても今後脅威となって来るだろう。

以前は高給取りの「高嶺の花」と日経紙では表現していたが、これらもまた以前書いた「不況であるが故にM&Aやまた人材面においてもチャンスが巡ってくる可能性があり」としたそのものだろうか。


政策の呪縛

FUTURES PRESSでも既報の通り、先月末には日本ユニコムが関西商品取引所の全銘柄含めた他全17銘柄の新規売買を停止したのを始め、今週は岡藤商事が同じく関西商品取引所の受託業務を休止と発表、また昨日は岡地がやはり関西商品取引所の全銘柄の新規受託を廃止と発表している。

何れも流動性の急激な低下を挙げているが、僅かに商いのあるとうもろこし以外はそれこそ意味があるのか無いのか値付けで辛うじて生かされている感じで、なるほどよほど奇特な向き以外は撤退してゆくのが自然な流れだろうか。

これに限らずもはや此処まで流動性が低下してしまった銘柄においては八方塞な状態は想像に難くないが、何にでも理由があるようにここまで残っているにも相応の背景も其れなりに存在するのだろう。

公正な指標価格の提供というものがもはや形骸化し、機能不全の市場放置下でも諸々のコストが垂れ流されてきたのもまた上記の通りなのだろうが、ある種の聖域が崩されてゆく衰退の中での統合論も荒涼とした感があって実に虚しい。