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文月の値上げ

本日の日経紙一面には「食品の6割値上がり」と題し、原材料価格の高騰を背景とした食品小売価格の上昇が鮮明になってきた旨の記事があったがこの7月も値上げラッシュだ。既に月替りから食パンや菓子パンなど山崎製パンや敷島製パンにフジパン等が3~9%の値上げ、家庭用小麦粉等は日清製粉ウェルナや昭和産業にニップン等が約2~11%の値上げ、食用油も日清オイリオグループやJオイルミルズに昭和産業等が価格を引き上げる。

特に上記の山崎製パンやフジパンなどは今年2回目の値上げとなり、日清オイリオグループの食用油に至っては昨年4月以降実にこれで6回目の値上げとなる。また街中のコンビニや外食など今日からセブンカフェが、明後日にはケンタッキーフライドチキンも値上げとなるが、年明けから先月まで値上げ済みの商品は2022年上半期だけでのべ6451品目にのぼっている。

価格据え置き宣言を謳い心強かった大手スーパーのPBも据え置き期間としていた6月が終りこちらもいよいよ方針転換の時期だが、帝国データバンクの発表では今月に値上げされるものは1588品目にのぼり8月以降も現時点で7218品目の値上げが予定されている。特に10月はひと月では最多の3000品目超が値上げされる予定で、ますます消費者の財布の紐も固くなりそうだ。


PTS規制緩和

本日の日経紙金融経済面には「株の私設取引、規制緩和へ」と題し、金融庁が今夏にも国内の証券市場を活性化させるために、PTS(私設取引システム)の売買高の上限引き上げに加え認可基準の緩和など規制緩和の検討に入る旨が出ていた。東京証券取引所への注文の一極集中を改善させ投資家の取引コストを下げる狙いがあるという。

ところでPTSといえば当欄でこれを最後に取り上げたのはちょうど1年前くらいで、その時の末尾には「メガバンクも食指を動かして来ている~」と書いていたが、先月末にはこのメガバンク三井住友FGやSBIホールディングス等が出資する国内では3社目のPTS、「ODX」(大阪デジタルエクスチェンジ)が約12年ぶりの新規参入で開業している。

このODX、株式以外にも取引の記録をネット上に保管するブロックチェーン技術を活用した「デジタル証券」の取り扱いを2023年めどに始める事を目指しているというが、これまでも書いてきたように国内PTSの取引量はせいぜい7~8%水準と1割未満に甘んじておりこういった東証と被らない領域を持った新星の登場で市場間競争が促され活性化の一助となるか期待がかかる。


表裏一体のIoT

さて、周知の通りこの週末にはKDDIで大規模な通信障害が発生し、auやUQモバイル等で3900万人超え、最大3915万回戦の利用者に影響を及ぼした。この炎天下の中auショップには行列が出来て、発生から3日が経過した週明けの今日も復旧作業は終了したものの音声通話などではいまだに利用し辛い状況が続いている模様だ。

こうなるとIoT社会の現代なだけに、ザッと挙げても各所で電子チケットが使用不能になったのをはじめauユーザー以外でも宅配大手ヤマトでは荷物問い合わせシステムが機能せず、コールセンターやドライバーへの電話もつながらない等の問題が発生、日本郵便では配達に遅れが出たほか、一部の地銀ではATMが利用できない状態になり、更にはトヨタ車ではナビのサービスの一部が利用できない状況になるなど様々な影響が広範囲に出た。

斯様な混乱下では俄然頼りになるのが安定の公衆電話という事になる。そんなワケで使った事が無いと宣う若者が慣れない公衆電話を使う姿も見られたが、いざ公衆電話を遣おうと思っても電子マネーが普及している現代ではコインを持っている向きは少なく、ましてやテレカの存在自体知らない若者も多くこれまた公衆電話さえも使えないヤレヤレな事例も。

こうした光景を見るに昨年にドコモが全国規模で起こした通信障害が思い出されるが、上記の通りあらゆるものがネットで繋がるIoTの社会ならではの事例か。近年の大手キャリアは個人向け携帯事業が飽和状態なだけにIoT社会等の新分野に力を注ぎ今後も「5G」の普及で通信量は更に伸びてゆくだろうが、同時にこういったリスクも孕むだけに便利さと危うさは表裏一体ということも胆に銘じておくべきだろう。


株主総会2022

さて、昨日は3月期決算上場企業の株主総会の集中日であった。この日は全体の26%に当たる約600社が開催する集中日であったが、今年も多くの企業の株主総会招集通知には「~株主総会当日のご来場はお控えいただくようお願い申し上げます。」とか、「当日のご来場を慎重にご検討いただきますようお願い申し上げます。」等と謳ってあるものの、コロナ感染拡大の落ち着きを受けて出席株主数も増加傾向にあったようだ。

増加傾向といえば出席株主同様に増加傾向となっていたのが株主提案を受けた企業の数で、三菱UFJ信託銀行の調査では今年は昨年より6割増加し77社と過去最多を記録していた。とりわけアクティビストの提案はコーポレート・ガバナンス・コード改定後は増加を辿り、今年はこの77社のうちアクティビストから提案を受けた企業は41社となりこれまた昨年の2.3倍と大幅に増加していた。

アクティビストといえば米では石油大手のエクソンモービルが気候変動対策を巡って経営陣と株主の対話が昨年から話題になっているが、今年の三井住友FGの総会でも株主の環境団体が気候変動対策の強化を定款に明記するような提案が為されていた。果たしてこの提案は否決されたものの、斯様に近年はアクティビストもESGに積極的な向きが目立ち提案内容も脱炭素系など新しいトレンドが出来つつある感もある。


低体温

先週末に総務省は5月の消費者物価指数を発表しているが、変動の大きい生鮮食品を除いた総合指数は101.6となり、先月に続き前年同月比で2.1%上昇した。先月の2%を超えた伸び率は7年1ヵ月ぶりの事であったが、原材料高で食料品の上昇も目立ち2ヵ月連続で2%超えの上昇率となった。

とはいえ食料とエネルギーを除いた総合指数で見ると上昇率は0.8%と米のそれが6%超を記録しているのに比べその鈍さは否めないところで低体温なのは明らか。依然として川上の資源高・原材料高があっても川下では値上げが浸透するという状況ではなく、何よりも米のように賃金の上昇が付いて来ている構図とは違うか。

日銀金融政策決定会合での主な意見の公表では金融緩和の継続は持続的な賃上げを後押しするために有効だとのコメントを出していたが、日本の名目賃金の上昇率はエコノミストの平均的な予想で22年度は米の5%に対し0.75しか伸びていない。昨日も厚労省が中央最低賃金審議会を始めているが、これまた諸外国のそれとは乖離幅が大きくここの政策はやはり喫緊の課題か。


【近畿財務局】岡安商事に対する行政処分について

本日、弊社は、近畿財務局より、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第 51 条及び同法第 52 条第 1 項の規定に基づく行政処分(業務改善命令並びに業務停止命令)を受けました。このような事態に至りましたことは極めて遺憾であり、本件に関しまして、お客様をはじめ関係者のみなさまに大変なご心配、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

▼【近畿財務局】岡安商事株式会社に対する行政処分について
▼岡安商事、弊社に対する近畿財務局 弊社に対する近畿財務局の行政処分について


IPO変調

本日の日経平均は2週間ぶりに27000円の大台を回復したが、そんな中をM&A総合研究所とヌーラボがグロース市場に新規上場となった。注目の初値はM&A総合研究所が買い気配で推移し後場に入って公開価格1330円を大幅に上回る2510円で初値を付けた一方で、ヌーラボの方は売り気配から前場早々に公開価格1000円を下回る955円での初値形成と2社で明暗が分かれる格好となった。

直近でいろいろあった主幹事のイメージが影響しているなどという事はないのだが、ヌーラボに限らず先週末の日経紙マーケット面でも書いてある通り今月の上場6社のうち3社で初値が公開価格を下回る「公募割れ」をおこしている。そういえば今年のIPO第一号リカバリー・インターナショナルも公募割れだったのを思い出す。

年間上場第一号の公募割れは実にブックビルディング方式が導入された1997年以降初めての事だったが、斯様な” 梯子外し”等のIPOの変質 で中小型株を手掛ける投資家の投資余力がそがれ新興市場全体に悪影響を及ぼしかねない旨も指摘されている。ただでさえ今年の上半期のIPOは前年同期から3割減となっており上場延期組の動向も今後気になるところではある。


ESGの潮流

本日の日経紙一面には「ESG推進 賞与へ反映」と題し、企業や投資家はこれまで企業のROEや利益を重視してきたものの、利益を追求する資本主義が地球温暖化などで限界を迎えて事などを背景に近年35兆ドルともされるESG投資が存在感を増して企業に意識改革を迫る旨が書かれていた。

先に国内では金融庁が昨年のガイドラインでESG課題などに取り組む体制整備を推奨、ESGを推進する社内委員会を設置する企業も昨年末時点で118社が設置し1年半で倍以上に増加した旨を書いたが、緩和マネーの受け皿となっているファンド等では実際に企業の取組を調べているか否か疑わしい事例もあり金融監督当局が厳しい目を向け始めた旨も報じられている。

またウクライナ危機でその潮流の変化もここ謳われており、人道的観点からタブーとされてきた防衛産業への投資も社会主義にかなうとして米軍事関連などは軒並み市場最高値を更新し化石燃料への投資需要も高まりつつある。斯様に逆風が吹いていると取る向きもあるが、何れにせよ個々では企業価値という成果に繋がってゆく重要な非財務指標となるだけに今後も重要視される流れは継続されるか。


時代の生き証人がまた・・・

さて、あずきバーで有名な井村屋は砂糖等の原材料の高騰や包装資材、物流コストの上昇を背景に同商品を含む39商品を9月1日出荷分から3.8~14.3%値上げすると先週末に発表している。ところで井村屋といえば同社が運営する国内で唯一生き残って?いた高輪の「アンナミラーズ」を来る8月末で閉店する旨の発表も先にしている。

この世代なら間違いなく頷くと思うがあの独特なデザインの制服が目当てで働く女子も当時は多く、甘党な私もアンミラの赤坂店はよく利用したものだ。そういえば赤坂で思い出したが斯様な海外の店を日本企業が国内に誘致した例として、このアンミラ前の外堀通りを挟んで向いにあったダスキンが運営していたストーン・クラブを食べさせる「東京ジョーズ」も数え切れないくらい使ったものだったがこれも残念ながら今はない。

こういろいろと思い出していると止まらなくなるが、アンミラが上記の通り当時の女子が憧れる「制服」ベスト1であり、その次あたりにランクインしていたのが今はなき「JACK&BETTY CLUB」であった。まだスクエアビルがあった時代には六本木のジャクベなどはディスコの営業終了後の次のステージとして男女の駆け引き?の場と化していたものだった。

というワケで今回は随分と話が逸れてしまったが昭和レトロがトレンド入りする昨今、アンミラのコーヒーカップなどを見るに上記のJACK&BETTY CLUBやらひいては表参道にあったキーウエストクラブなどまで思い出されてしまい、最後のアンミラが閉店するとのたった一件で数々の思い出が走馬灯のように過るものだ。


中間評価

記録的な物価高のなか迎える事になる参院選が本日公示され、来月10日の投開票に向けた18日間の選挙戦がスタートした。総務省では午前から比例代表名簿の届け出が始まり、1人区中心に野党候補が競合した事などを背景に果たして27年ぶりに500人を超える545人が届け出る事となったが、女性比率が3割を越え過去最高となったというのもまた注目すべき点でもあるか。
   
政権の安定に向け参議院での過半数を目指す与党と、反転攻勢への足掛かりにしたい野党が選挙戦を繰り広げることになるが、最大の争点となる物価高対策はじめ安全保障、憲法改正等々が争点となる。昨日は党首討論会が開かれ本日は物価・賃金・生活総合対策本部の初会合が開かれたが、節電に応じたポイント付与等なんとも微妙な発表が為されている。

先日のフランス総選挙での決選投票では進行する物価高騰で有権者の不満の矛先が与党に向った格好となり、与党連合が第一党を維持するも過半数を大きく割り込むこととなった。衆院選よりも関心が薄い?といわれる参院選はその投票率も気になるところだが、何れにせよ2021年秋に発足した岸田政権の信任を問う国政選挙となるだけに注目したい。


日銀VSヘッジファンド?

昨日報じられた件には日銀の国債買い入れ額が先週に約10兆9千億円に達し、その前の先々週の約2兆3千億円から急増した事が明らかになった旨があった。言わずもがな世界的な利上げラッシュに連れて日本の長期金利が上昇しないようにするための施策だが、この大量購入で日銀の国債保有残高の伸びが再度加速し金融政策の正常化がまた一歩遠のく懸念も出ている。

昨日も書いたように欧米の中銀が挙って利上げに動くなか日銀の独自路線が鮮明になっているが、世界の債券利回りが上昇するなかこうした世界の金融当局の方向性に反する政策で、円安によるインフレがいずれ日銀を政策修正に追い込むとみたヘッジファンド勢が日本国債売りに動いている件も彼方此方で報じられている。

さながら日銀VSヘッジファンドという対立構造を見ているようだが、規模の違いこそあれあのジョージ・ソロス氏が英イングランド銀行にポンド売りで挑んだ一件が思い出される。現状日銀としてはここで政策修正に及べば中央銀行としての信認が問われこの円安よりも払う犠牲が大きいのは想像に難くないが、何れにしろ軍配がどちらに上がるのか引き続き注目だ。


利上げドミノ

周知の通り米FRBは歴史的な物価高を抑える為に先週のFOMCで通常の3倍となる0.75%の利上げを決めた。その上げ幅は1994年11月以来、27年7か月ぶりの大きさとなったが、更にこの翌日にはスイス国立銀行が予想外ともいえる約15年ぶりの利上げに踏み切ったほか、イングランド銀行も5会合連続の利上げを決め、政策金利は約13年ぶりの高水準となった。

これを受け急激な金融引き締めによる景気後退への懸念が広がり、DOWは去年1月以来、約1年5か月ぶりに3万ドルの大台を割り込むなど各マーケットではマネー収縮の動きが見られた。一方で日銀は先週末の金融政策決定会合で現行の大規模な金融緩和策を維持する旨を決定、上記のように欧米の中銀が挙って利上げに動くなか日銀の独自路線が鮮明になっている。

一部世論や市場にも責められながらの継続選択となったが、景気を取るのか円安やインフレ対策を取るのか何ともジレンマな構図だ。確かに現状は受給ギャップが解消し賃金上昇という確かな証拠が掴めるまで継続止む無しといったところなのだろうが、足元で日銀の物価目標を上回っているなかでの緩和継続の諸々の副作用等に対しては政府と協調したそれなりの対策等も今後は求められようか。