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マスクが外せる日?

周知の通り先週末に政府は新型コロナの感染症法上の分類を今春に5類に変更する方針を示している。これによって行動制限措置は無くなり医療体制も段階的に通常対応にむかうなど、暮らしに身近な制約を無くし正常化に踏み出すことで3年以上続いた新型コロナウイルスへの危機対応も転換点を迎えることになる。

斯様に経済活動の更なる正常化で観光やビジネス客による利用が回復するとの期待も重なり株式市場では空運株へ物色の矛先が向かう場面も見られたが、マスク着用なども屋内での着用を原則不要とするなど着用ルールの見直しが検討されている。このマスクも暫く前からTV等での海外中継では街中の光景やエキスポなどを見るに、マスクをしている人を探すほうが難しいくらいになっているが日本は依然として真逆の光景である。

思うに我々は罰則規定も無いのに行動制限がかけられればこれまで殆どの向きがしっかりとそれを遵守して来た。マスクも義務化されているワケでは無いが、専門家が警告を続けるなか空気を読むとか忖度がある種マナーになっているような中で形成された同調圧力のようなモノが蔓延しているところで果たしてマスクが外せる日が来るのか否か?

今週は通常国会が召集され、施政方針演説に臨んだ首相はわざわざ?マスクを外し新型コロナの5類引き下げにあわせマスク着用についても考え方を整理する旨なども述べていたが、上記のような背景で街を歩く人の半数以上がノーマスクにでもならない限りこれまで同様の政府の通知措置で果たして海外と同じ光景が訪れるのか甚だ疑問だ。


大量保有から見える多角化

さて、先に株式分割促進の件を書いた際に任天堂の10株分割についても触れたが、同社株といえばサウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンドが買い増したことが関東財務局に提出された変更報告書で明らかになっている。保有目的は純投資としているが、今回の買い増しでその保有比率は6.07%になった。

ところで同ファンドといえばこれ以外でもモンスターハンターで有名なカプコンを6.09%、ネクソンを9.14%、コーエーテクモは5.03%など多数のゲーム関連会社の株式も保有し、一昨年は日本と共同制作したアニメなど公開しているが、このアニメ絡みでは東映の株式もまた5%保有している。

サウジといえば言わずもがな石油産業ということになるが、原油価格に大きく左右される面が大きいこともあり原油依存からの脱却を狙いこうしたエンタメの育成にも力を入れ始めたとの指摘もある。国興しも多角化というところだろうが、今後のエンタメ市場の動向と併せ関連株の保有状況も引き続き注視したいところだ。


甘い?予想

先週末に総務省が発表した2022年12月の消費者物価指数だが、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数は104.1となって前年同期比で4.0の上昇となった。第2次オイルショックの影響で物価が上がっていた1981年12月以来、41年ぶりの上昇率となったが、品目別では電気代の21.3%や都市ガス代の33.3%等エネルギー関連が全体を押し上げている。

また同じく先週に日銀から発表された12月の国内企業物価指数の方は119.5と前年比で10.2%上昇し9か月連続で過去最高を更新、前年比での上昇は22か月連続で上げ幅も前月の9.7%から拡大し昨年9月以来の10%台を記録している。こちらも類別では電力・都市ガスなどエネルギーが前年比52.3%上昇と過去の燃料費上昇を反映する動きがみられた。

依然として米などと比較するに両物価指数の乖離は大きく今後も値上げ圧力はダラダラと続くとみられるが、直近の帝国データバンク調査では転嫁率が39.9%にとどまり全く転嫁出来ていない企業はいまだ15.9%あるという。事実上春闘がスタートしたが、賃上げの実現にはこの価格転嫁が必須なだけに今後の動向が焦点となってくる。

しかし上記のエネルギーや食品を除いた総合も着実に上がってきているだけに民間エコノミストが平均で1.73%に下がるとしている今年の予想も不透明極まりない。先に実質賃金が最低水準に落ち込んでいる旨を書いたが、総務省発表の家計調査でも実質消費支出が6か月ぶりに前年同期比でマイナスに転じており値上げ循環を阻む消費の落ち込みもまた懸念されるところだ。


10大リスクあれこれ

世界経済フォーラムは先週、国際社会に対する脅威を分析した2023年のグローバルリスク報告書を公表しているが、世界のリスクといえばこの世界経済フォーラムのダボス会議のセッションでも発言していた国際政治学者で米ユーラシア・グループ社長のイアン・ブレマー氏も年頭に政治や経済に大きな影響を与えそうな事象を予測する恒例の「世界10大リスク」を発表している。

今年の1位にはRogue Russiaを挙げ、ウクライナ侵攻を続けるロシアを世界で最も危険な(ならず者国家)と呼び、戦争に勝つ為の有効な軍事オプションはロシアに残っていないと指摘。そのうえで国際社会から孤立したロシア大統領が核兵器やサイバー攻撃を用いて欧米諸国への脅しをエスカレートさせる可能性を指摘している。

そして2位には中国の習近平国家主席への権力集中を挙げていたが、昨年ココが1位に挙げたのは「ゼロコロナ政策の失敗」であった。果たしてというかこの政策の崩壊は皆が知るところでこれを例に現在の一強体制によって意思決定の透明性が確保されずに間違いを認めて軌道修正する余地もないとし、世界経済に与える影響は過小評価されていると分析している。

このゼロコロナ政策失敗で昨年の中国の成長率は国家目標の5.5%を下回り今年も不振が続くとみられるが、同国に限らず止まらぬインフレにIMFでは世界経済の3分の1がリセッション入りと予測している。上記のロシアに中国、権威主義の台頭で民主主義を守ろうとする動きも顕在化し分断もより鮮明となったが、斯様な混沌とした状況下でどれがトリガーとなってもおかしくないだけに今年も注意が怠れない。


漸く本腰

さて先週金曜日の日経紙一面には「仕組み債販売、一斉調査」と題し、金融庁が複雑でハイリスクといわれる仕組み債の問題を十分に検証せずに顧客に販売してきた事を問題視し、地域銀行99行やグループの証券会社27社を対象に仕組み債などの金融商品の販売実態について一斉調査に乗り出した旨の記事があった。

当欄でこの仕組み債やリンク債の類に関して銀行や保険、証券などの金融の業界団体に寄せられた苦情が過去最多を記録したと取り上げたのがリーマンショック後の2009年だった。当時は「目論見書」という字も読めない一部高齢者顧客層に売りまくるなどその販売方法を巡る問題が増加と書いていたが、あれから13年以上が経過し漸く重い腰を上げたという感じか。

とりわけ冒頭の証券子会社などを持つ地銀グループなど、その販売構成を調べると実に4分の1にあたる23%が仕組み債であったという同商品への依存体質が浮き彫りになっている。背景には事業環境の厳しさ等が挙げられているが、これ以外では保険等も外貨建て一時払いなど最近の為替の急変動を考慮するに火種となりそうな商品も販売強化した経緯があり今後も動向が注目される。


あれから28年

ちょうど28年前の1995年、最大震度7を観測する阪神淡路大震災が起き6400人以上が犠牲となるなど当時としては戦後最悪の被害が出た。新型コロナウイルスの影響などで直近の2年間は各所で中止となった追悼行事の類も、今年は大きな被害を受けた地域などで犠牲者を追悼する行事が行われた模様だ。

当時テレビなどでは信じられないような惨状が放映されていたのが蘇るが、株式市場も週明けからこれを織り込むようなかっこうで1000円以上暴落、余談だがこの急落がトリガーとなってあの女王陛下の銀行とも呼ばれていた英投資銀行のベアリングス銀行がデリバティブ取引で経営破綻をするに至ったのは業界では有名な話の一つだ。

ともあれこの震災は多くの教訓を残し全国で耐震化が進められるなど防災、減災への取り組みに大きな影響を与えた。3月には東日本大震災から12年目を迎えるが、今後は震災を経験していない世代が増えるなかこの記憶や教訓などどのように次に継承してゆくのかこの辺が課題となるか。


抑え込みの限界

さて、日銀は昨年末の政策決定会合で長期金利の上限を従来の0.25%程度から0.5%程度に変更し金利上昇余地を広げるサプライズ政策を発表したが、先週末のマーケットではこの長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが上昇、一時0.545%と日銀が上限とする0.5%程度を上回った。水準としては2015年6月以来、7年7か月ぶりの高水準となる。

国債といえば当欄では昨年の6月くらいから日銀VSヘッジファンドの対立構造を書き、ジョージ・ソロス氏が英イングランド銀行にポンド売りで挑んだ一件が思い出されるとしたが、連日の指値オペなどで昨年の購入額が6年ぶりに100兆円超えるほど大量の国債買いで日銀の防戦が続き長らく劣勢が続いた海外勢も漸く報われたという感じだ。

そもそも投機筋の挙っての参戦でイールドカーブが歪み企業の起債など金融環境に悪影響を及ぼすとの理由も背景に年末の修正となったワケだが、なお足元では債権市場の歪みが解消されたとは言い難い。早々の上限突破でこれの撤廃も視野に再度の修正に動くか否かというところだが、前回の例もあるだけに明日からの金融政策決定会合が注目されるところだ。


経営者が占った2022年

さて先週は都内で経済3団体の新年合同祝賀会が開催され、各社のトップが今年の注目事やリスク等についてインタビューを受ける恒例の光景が見られたが、恒例といえば日経紙の「経営者が占う」シリーズを今年も振り返ってみたい。昨年の日経平均の高値予想平均は32,850円でその時期は10~12月が多かったが、年間を通して3万円の大台を超えることは一度も無い厳しい結果となった。

一方で安値予想平均は27,175円でその時期は1~3月が多くを占めたが、ロシアによるウクライナ侵攻で時期こそ当たった格好だが安値は24,681.74円とこちらも大きく沈んだ。それに伴い個別の予想も昨年はボロボロで、有望銘柄3年連続でトップに挙げられたソニーは大発会翌日の15,700円台を高値に下げトレンドを形成し10月には9,200円台に沈むなど40%以上も下落の憂き目に遭った。

またこちらも毎年ベストスリーにランクインし2位に推されていた信越化学工業も、大発会の20,600円台を高値に一貫してダウントレンドを形成し、9月には14,000円台に沈むなどこちらも30%以上の下落を演じた。この銘柄以外でも需要増が期待された半導体セクターだったが、フタを開けてみれば景気悪化で世界的に半導体需要が弱まるとの懸念が株価を直撃した格好になった。

というワケで改めて今年の見通しでは日経平均の高値平均が31,200円でその時期は10~12月、安値平均は25,000円台でその時期は3月が最も多く、有望銘柄では判で押したように4年連続でトップに挙げられたのがソニーであった。いずれにせよ世界的なインフレやそれに伴う金融政策、米中摩擦に各所で顕著になっている分断、顕在化し得るまさかの地政学リスク等々今年も昨年以上に目が離せない身構える年になりそうだ。


総じてリバウンド

本日の日経紙商品面には「白金買い越し高水準」と題し、英国際調査機関のWPICから2023年の世界需給が3年ぶりに供給不足になると予想されている白金が中国需要の拡大観測も背景に米先物市場の買い越し幅が前週比24%増の3万503枚と2週連続で増加し、約1年9か月ぶりの高水準となった旨が出ていた。

確かに足元で約10ヵ月ぶりの高値を付けてきているが、これに限らず金も銀も総じて貴金属はここ切り返しの動きを見せている。世界的にリセッション入りの懸念が燻るなか安全資産へ資金が向かったか金も2022年5月以来、8か月ぶりの高値を付けてきている。そうした空気を感じ取り商魂逞しい業者などの金の買い取り強化という類の広告が最近また増えてきたようにも感じる。

また先週には米雇用統計の発表があったがその中で非農業部門の雇用者数は市場予想を上回る伸びを示したものの、民間平均時給の前月比上昇率は市場予想を下回っていた。人件費の影響を受け易いサービスのインフレが鎮静化に向かうとの期待が高まり米長期金利の頭打ち感が出てきたのも金利の付かない金にとっては追い風だろうか。明日に米消費者物価指数の発表を控えるが、結果次第でまたホットマネーが動く事になるかどうか注目だ。


循環実現のハードル

本日マックの前を通って思い出したが、日本マクドナルドは先週に原材料費や物流費の上昇、円安等の影響で16日から約8割の商品の店頭価格を10~150円値上げすると発表している。かつてコカ・コーラを買うと無料引換券が付いていた時期もあったハンバーガーなど110円だったものが去年3月に130円、去年9月には150円へ、そして今回の170円へとこの1年で約60%近く上がった事になる。

マックに限らずこの1月も食品・日用品等で値上がりは続く。今月出荷分から日清製粉ウェルナはパスタソース製品、パン粉製品等を約3~25%値上げ、はごろもフーズも同缶詰など計65品目を値上げ、ピエトロもドレッシングを最大で7.1%値上げし、王子ネピアなどはトイレットロールを20%以上値上げする。

帝国データバンク調査では2022年末までに決定した23年中の飲食料品における値上げ品目数は4月までの予定を含め累計7390品目に上るといい、ペースとしては去年の1.5倍以上で再値上げや3度目の値上げも目立つ。この1月単月の値上げは580品目というが、来月は22年以降で2番目に多い規模となる4000超の品目で値上げが控えるという。

生鮮食品を含む消費者物価の総合指数は年末で前年比3.8%の上昇で31年10ヵ月ぶりの高さになったというが、一方で同じ3.8%という数値ながら減少となったのは厚労省が今月に発表した22年11月の1人あたり実質賃金。この実質賃金は既に最低の水準に沈んでおり、これに政府側はインフレ率を超える賃上げを要請しているが一部大手以外の中小には縁遠い話で物価上昇の影響を賃上げで吸収する循環の実現は容易ではないか。


年始の風物詩

さて今週から2023年の初売り商戦が本格的に始まったが、3年ぶりに行動制限のない新年を迎え初日の都内大手百貨店では開店前から多くの客が並ぶ光景が見られ入店客数は前年比で約20%ほど増加した模様。また売り上げも公表されている主要店では松屋銀座の前年比50%増をはじめ新宿高島屋が同約40%増、新宿京王百貨店で同約20%増、西武池袋本店で約10%増といずれも伸びた模様。

何処も物価高のなかでお得感を謳ったセールや福袋が好調だった模様だが、この福袋もここ数年のコロナ禍での巣ごもりに焦点を合わせたモノから今年は円安や物価上昇に抵抗すべく食品など家計応援的なモノへ焦点を合わせたモノへ変化し必需品への意識が高まっていることが表れている。

ところで初売りと並ぶ年初の風物詩、マグロの初競りも豊洲市場で本日行われた。今年は大間で水揚げされた212キロのクロマグロが、去年の1688万円から2000万円近く高い3604万円で競り落とされた。2019年の過去最高額から見れば約3億円も安い値段とはいえ、昨年からは約2.1倍でコロナ禍以降では最高額の競り落としとなる。

共同で競り落としたのは一昨年、昨年に続いて3年連続で銀座おのでらと仲卸のやま幸であったが、お祭り視点としてはやはり好勝負を繰り広げてきたマグロ初セリの代名詞的存在であったすしざんまいの喜代村の戦線離脱は寂しい気もするのは否めないところ。これまたコロナ禍を機に変わってしまった光景の一つといえるか。


卯跳ねる

皆様、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

一昨年は経済活動の再開などを背景にマーケットは記録ずくめとなったが、昨年はそれに輪をかけて記録ずくめの相場展開となった。何といってもその背景となったのはインフレを抑制すべく世界的な利上げ機運で07年以来の高水準となった米金利の年間上昇幅は2.3%強と遡れる1954年以降で最大となった。

これによって株も売られ米株式はダウ工業株30種平均が3月末から8週連続で値下がり世界恐慌期以来およそ1世紀ぶりの連続下落を記録、S&P500種も下落日の割合が6割弱と1974年のオイルショック時と同水準となるなど、MSCI全世界株価指数は21年末比で2008年のリーマン・ショック以来の下落率となった。

また為替も一昨年は円が主要25通貨で最弱の値動きとなり115円台へ対ドルでは15年以来の下落を演じるなどその兆候を見せていたが、今年は一時151円台後半と約32年ぶりの安値へ沈み、その値幅は38円超と35年ぶりの大きさとなった。2008年のリーマンショックの時でも約25円幅であったから今年が如何に歴史的な大きさだったかがわかるというもの。

千里を走る虎の昨年は大発会が急反発のスタートとなり29000円の大台に乗せるものの年間では9%安と4年ぶりの下落となった。今年の干支は卯。相場格言では「卯跳ねる」と昨年に続き勢いは良さそうで、1950年以降6回の勝率は4勝2敗。本日の大発会は昨年とは逆に急反落スタートとなったが今年も波乱の展開が続くのか、はたまた卯年の先に控える辰巳天井に向かって尻上がりに跳ねる展開になるのかどうか注目したい。