拠り所の変遷
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本日の日経紙金融経済面には「投資 先生はSNSの功罪」と題し、資産形成の機運が高まりNISA(小額投資非課税制度)の口座数が6月末時点で約2700万にのぼるなか、金融(Finance)とインフルエンサー(Influencer)を組み合わせた「フィンフルエンサー」がXやTikTokで発信した情報をみて投資に踏み出す若者が多くなっているなどデジタル化の浸透から投資判断で頼る先が変質している旨の記事があった。
かつて80年代のバブル期には兜町に街の投資助言業者が犇めいていた時代で、今やその言葉さえ知らない向きも多い「ダイヤルQ2」などでも銘柄推奨などしていた時期もあったが、そう考えるとこれらの媒体変遷は隔世の感を禁じ得ない。従来投資助言業者は金融庁が登録制として確認してきたものだが、これらSNS等を媒体としているもの等は実際の部分が曖昧なものが多くグレーゾーンとも見える。
新NISAで投資機運が高まっているなか今は斯様に多様な選択肢がある一方で、投資詐欺の類のツールにも使われるなど弊害も並行して急増している。以前に行った金融庁の金融リテラシー調査では金融教育経験について、受ける機会は無かったが75.7%、わからないが15.4%という数字があり嵌める標的予備軍が世にあふれているだけに、投資環境の制度が形骸化しないで本来目標としてきた実効性を持たせるようにする為に基本を押さえた金融リテラシーが不可欠などは言うまでもない。
同頁で「ネット系金融を利用する若者の情報源」として挙げられていたものではトップが冒頭の通りSNSで51%、次に動画サイトが44%であったが上記の金融教育に力を入れる大手勢も、若い世代やマーケット情報に馴染みの無い人にも身の回りのものから投資関連の情報に気軽に接してもらう等の工夫が今以上に今後必要になってこようか。