PayPay上場

先週末にスマートフォン決済大手のPayPayが米ナスダック市場に新規上場している。中東情勢の緊迫を背景にして仮条件の下限を下回る公募価格に決まったわけだが、そんな悪環境下でもこの公募価格を割れること無く初値形成しこれを13.5%上回る価格で引けた。とはいえ時価総額は2月にこれを取り上げた時の想定時価総額3兆円超には及ばず、約1兆円減の約1兆9000億円となった。

このPayPay、現在の利用者は7300万人にのぼるわけだが、先にクレカ大手のビザと提携し米でのタッチ決済とQRコード決済双方に対応したデジタルウォーレットの展開を検討している。現在米でのキャッシユレス決済比率は約86%、これが2027年までに94%に伸びると推測されているが、内訳はクレカがダントツでそれにタッチ決済がシェアを獲得しているなかでここからどの程度牙城を崩してゆけるかだろうか。

ともあれこのIPOでPayPayは9億ドル近くの資金を調達したわけだが、仮に東証だったらこの金額が調達出来たか否かで、ナスダックを選んだ背景には2月に当欄でも少し書いたように、機関投資家が評価し易い環境が整備されているハイテク企業が多く集まるナスダック市場の方がフィンテック企業としての将来性で高い評価を得られバリエーションを最大化できるとの判断があるという。

ちなみに米でこの業界のガリバーとして君臨するペイパルの時価総額は408.4億ドル、また決済サービスのスクエアなどを運営するブロックのそれは358.9億ドル、今後PayPayがこれら大手にどれだけ攻勢をかけられるかが焦点だが、先ずは2028年のロスオリンピックなどを見据えてどの程度アウトバウンドを取り込めるかどうかというところに懸かっているか。


ペット様様

先週末の日経夕刊マーケット・投資面では「医・食・住で広がるペット市場」と題し、ペットの健康に配慮する飼い主が増えペットフードやサプリの需要が拡大、保険から医療分野まで新サービスが登場しペットビジネスの市場規模は一昨年で1兆9108億円となり、これが来年には2兆円の大台を超えてくるとの一部予測も出ているとの日経ヴェリタスの記事が載っていた。

確かに最近はほぼ人間並みかそれ以上?の製品が登場している。昨年末にお台場で開催されたフェスタでは犬の皮膚や健康をサポートする“ツバメの巣エキス”をゼリー状のスティックにしたモノや、皮膚をやさしく吸引して筋肉をほぐすマシーン、また大正製薬もビフィズス菌を配合しペット用として初めて開発した犬用のビオフェルミンを発表。ニオイに敏感なためにプレーン味で錠剤から粉タイプに変更、犬にも腸活の文化が広まっているという。

斯様な栄養バランスのよい製品の広がりもあってペットの寿命も年々伸びてきており、これに並行して保険市場の方も成長している。こちらの市場規模は10年前の492億円から23年には1252億円と約3倍まで伸びてきており、本日はプライム上場のペット保険大手アニコムHDが日経平均が一時1200円以上も急反落する中を堂々の上場来高値更新となっている。

背景には少子高齢化や単身世帯の増加も影響しているが、家族同様の扱いで健康管理の意識も強くペットにかかわる支出も惜しまない。上記のようにペット関連企業の一角は投資家からも物色の矛先が向けられているが、異業種などの参入もありペットテック市場の成長は想像に難くなく嗅覚の鋭い投資ファンドなど水面下で動きは活発化しており、今や成熟消費市場の様相とひと頃から景色は変わり変わってきているとつくづく。


あれから15年

2万1千人以上もの多くの人が犠牲となり、今なお2万6千人以上の人が避難生活を送るあの東日本大震災から本日で15年を迎えた。被災地をはじめとして各地自治体ではこれに絡んだ追悼式が行われて多くの人が黙とうをささげたが、インフラ再建がほぼ完了するなか今月末で国が掲げる第2期復興・創生期間が終わる。

この東日本大震災以外でも2000年代は中越地震に熊本地震、北海道東部地震に近いところでは一昨年の能登半島地震などなど地震大国の日本だが、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率もこれまでから更に引き上げが為されている。そういったことでこれまでの教訓を生かした事前復興などの大切さをこの15年を機に改めて再認識しようとする動きもみられる。

現実的な問題は廃炉で、昨年も書いた通り最難関とされる燃料デブリに関しては2024年末に約0.7グラムの取り出しに成功し、昨年に行われた2回目の試験取り出しでは約0.2グラムが採取されている。デブリは1号機から3号機まで合わせ約880トンが残っているとされるが、はたして2051年までの廃炉完了という目標とのギャップはここから少しでも埋まってゆくのか否か、復興を左右する要なだけに引き続き官民の本気度が試される。


ボラティリティ急上昇

本日の日経平均はトランプ米大統領の対イラン戦争が間もなく終結するとの発言を受けて過度なリスク回避姿勢が後退、幅広い銘柄に買いが広がり1519.67円高と急反発して引けた。先週初めに当欄で「パンドラの箱を開けてしまったかと思う割にはこの程度かという感もするが・・・」と書いていたが、昨日は一時4100円以上も暴落し日経VIもなかなか目にすることのない57まで急上昇と改めてこれを織り込む動きになったようだ。    

それもこれもこの戦闘の裏で乱高下している原油相場に因るところが大きいが、この原油先物相場が昨日に一時119.48ドルまで急騰したものの、主要国の石油備蓄放出観測から一転し今度は一時80ドル台まで40ドル近く急落するなど値幅は過去2番目の大きさとなった。東京市場でも先週挙げたWTI原油価格連動型上場投信や、WisdomTreeWTI原油上場投信などはこれに合わせ乱高下が続いている。

上記のように先物市場で原油相場が100ドルを超えたあたりで国内も様々な弊害が謳われはじめているが、影響が出始める順番でガソリンや軽油に灯油、次に電気代から更には生鮮食品類から日用品全般に医療現場まで多岐にわたる。実際に関連企業も大手どころでは出光興産はエチレン製造設備停止の可能性を通知、三菱ケミカルや三井化学は揃ってエチレン減産を開始しはじめている。

こうした事態を受け経産省は国内の石油備蓄基地に放出への準備を指示したことが明らかになっているが、現在の戦闘が終結しておらず肝心のホルムズ海峡が正常に戻るまでは市場の警戒感は燻り続けるのは想像に難くない。しかしレアアース然り、この原油やLNG然りで資源調達をほぼ依存している日本の弱さがつくづく浮き彫りになろうというものだが引き続きマーケットに注視しつつ事態の収束を祈りたい。


ミモザの日2026

桜の開花を前にしてイエローのミモザを各所で見かける今日この頃だが、ミモザといえば昨日は「国際女性デー」であった。今月はこれにちなみ神宮前の国連大学ギャラリーでは国連女性機関が主催する「アンステレオタイプ展」など国際女性デーに絡む催しが月末まで開催され、グループ社員の女性比率が8割を超える資生堂などがこの展にキービジュアルを提供するなど制作協力している。

昨年の日本の「ジェンダーギャップ指数」は一昨年と同じく118位であったが、健康や教育分野は他国とさほど見劣りするものではないが、足を引っ張ているのはは毎年の如く政治・経済という構図だ。大手企業等では女性役員登用が急がれて久しいが、2020年代で女性管理職比率30%を目指し、一昨年に女性役員比率が50%とプライム市場でトップになった大和証券G社長は高市政権が出来たことは女性活躍の象徴的な出来事と先の日経紙で述べている。

同氏が述べているように自民党立党70年で初の女性総裁が誕生するという“ガラスの天井”破りで今年のそれに期待がかかろうというものだが、日経紙では過去50年間の在任期間をみる事で変数に大きな変化は生じないことで同指数全体に与える影響は軽微という。そう単純ではないと改めて認識するが、少なくともDEIには前向きな影響が期待できるだけに政治や企業における意思決定領域が広がるよう引き続きの取り組みが重要だろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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