購買意欲を刺激 

本日の日経紙投資面では、日清食品ホールディングスの2026年4~6月期の連結決算で国内外での値上げが浸透し純利益が前年同期比18%増の132億円だった旨が出ていた。国内では「カップヌードル」等が販売を伸ばした旨が出ていたが、同社のカップヌードルといえばCMもなかなかのバズり具合で今年はシーフードヌードルのそれが某美容クリニックのオマージュ?でなかなか笑える。

このシーフードヌードルは昨年も同じく“霊長類最強”と謳われたレスリングの吉田沙保里氏が某バラエティー番組で話題になった連続風船割りをオマージュしたものが話題になっていたが、こうなると次は何を出してくのか待ち遠しい。またこのカップヌードルでは数年温めていた製法を確立し直近で「冷やし」も販売に踏み切るなど攻めた戦略が奏功している。

ところで食品系で話題を呼んだモノといえば、今年は他にナフサ不足を逆手に取ってカルビーが白黒パッケージにしたポテトチップスを売り出した件もあったが、こちらは話題を集めた当初こそ前週比45%増だったものがその後は4週連続で落ち込み、ピークからの減少幅は直近1年で2番目となったという。価格転嫁に苦闘する食品業界だが、レーティングも明暗で今後も各社の戦略には注視してゆきたい。


ブランディングとPBR

本日の日経平均は202.63円高と反発となったが、個別では昨日に市場予想平均を上回る連結純利益と27年3月期通期の業績予想も上方修正しストップ高比例配分となったカシオ計算機は本日も続伸し年初来高値を更新していた。これに限らず“時計株”は好調でシチズン時計は先月末に上場来高値を更新し、またセイコーGも本日は年初来高値を更新してきている。

このセイコーGだが、先週末の日経紙投資面には「セイコーG、ヴィトン並み」と題し、同社のPBRが3倍を超えて欧州高級ブランドの仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンに追い付いた旨が出ていた。このPBRは本日の終値では既に4倍をも超えてきているが、ブランド戦略が奏功し高付加価値な腕時計の販売を世界で伸ばし高級ブランド企業に変貌してきたという。

確かに「GS」も近年では大きく成長し「クレドール」も一昔前とは価格帯が随分と変わったなと感じるが、日本企業のブランディングに関してはもう10年以上も前に当欄で「ブランド構築の重要性」と題して書いたことがあり、当時の時計市場の金額シェアは国内勢の23%に対してスイスなどは66%と史上を席巻していたといっても過言ではなかった。

世界最大級の時計見本市である「バーゼルワールド」が高額な出展料を背景に出店企業数が半減する中でも、ブランドイメージを浸透させる必要性からGSはブース設置を敢行してきたものだが、このバーゼルワールドは事実上消滅してしまったものの当時の地道な努力が実りつつあるといえ、今後も株価指標と共に度の動向には注視しておこう。


消費税減税が値上げトリガー?

周知のように先週末に首相は現在8%となっている食料品の消費税率を、来年の4月から2年間の限定措置で1%に引き下げる意向を表明しているが、食料品といえば今月も値上げ喧しく帝国データバンクによれば主要食品メーカーにおける今月の値上げは2311品目にのぼる。値上げ品目の2000品目超えは先月に続いて2か月連続となり、前年同期比では80%増加となる模様。

依然として中東情勢の緊迫化でホルムズ海峡混乱を背景としたナフサなど石油製品高騰によるトレーやフィルムなどの資材費上昇などが影響しているが、今月の最多は加工食品の1419品目で加工肉大手の日本ハムやプリマハム、それに缶詰大手の極洋やはごろもフーズなどが1日出荷分や納品分から値上げする。

また円安による輸入コスト高も恒常的になっているが、斯様に二重三重の値上げ圧力がかかっているなか、この度の食料品消費税減税という買い控えを防ぎ易いタイミングに歩調を合せ、企業側の中には値上げする動きも想像に難くないか。そういった意味でもはたして狙い通りに物価上昇に即効性のある対策となったのかどうか、その辺の行方も見ておく必要があるか。

しかしこの消費税減税、自民党内でも賛否両論となっている模様だが財源の確保は特例公債(赤字国債)に頼ることなくとはしているものの現状で詳細は不明、今後もこの辺の不透明が拭えないと金融市場が判断すれば、捨て身の介入で150円台に戻った円も再度円安の憂き目に遭い金利上昇と併せこれが物価高となる可能性も秘めているだけにこの辺の政府発信にも注視しておきたい。


地銀再編の波

さて、先週末には愛媛銀行と愛媛県地盤で伊予銀行を傘下に置くいよぎんホールディングスが、経営統合で基本合意した旨の発表があった。これによりいよぎんHDは2027年4月をめどに愛媛銀行を完全子会社化するということだが、2020年に可決・成立した地方銀行同士の統合・合併を独占禁止法の適用除外とする2030年までの特例法の適用を申請する見通しという。

両行の経営統合予定は上記の通り2027年4月めどというが、地銀関係ではこの2027年4月には群馬銀行と第四北越フィナンシャルグループが経営統合を予定しているほか、千葉銀行と千葉興業銀行の経営統合、それからあいちフィナンシャルグループと三十三フィナンシャルグループも経営統合で基本合意している。

冒頭のいよぎんHDの背景には政府が重点分野に位置付ける船舶関連の旺盛な資金需要があるというが、両行の経営統合後の総資産は12兆円規模となり愛媛県内で7割超のメインバンクシェアを持つ地銀グループが誕生する。この規模は上記の統合予定の地銀勢の中では、あいちフィナンシャルグループと三十三フィナンシャルグループの統合後総資産11兆7520億円とほぼ同等となるか。

政府が重点分野に位置付ける経済安保強化の動きでは、いよぎんのような造船関連だけでなく今後活発化してくるであろうところのAIや半導体産業関連にも新たな資金需要が生まれてくるのは想像に難くない。加えて地銀は預貸率の上昇という課題も浮上してきている事で、これに絡む預金獲得など一層の基盤強化の動きからの次なる再編劇の動きに注目しておきたい。


モメンタムが振り回す

令和8年熊本地震により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。


本日の日経平均は昨日の2566.27円安に続く大幅続落となり5月中旬以来、約2か月ぶりの安値となった。これでも本日の安値から戻した感はあるものの、ザラバではお隣の韓国市場でKOSPIにサーキットブレーカーが発動される場面があり、こうした局面での日経平均の下げ幅は1900円を超えあわや6万円台の大台割れ寸前まで急落する場面があった。

昨日の日経紙でも「日中2%超、3か月連続」として、日中変動率が今月は平均2.5%と先月の2.6%に続き変動率が高い状態が続いている旨の記事があったが、これらの背景にはやはりAI・半導体関連株の寄与が高いが、筆頭ともいえるキオクシアHDなどついこの間の上場来高値から7割弱も暴落し先の決算発表後の急騰分が“往って来い”となっている。

しかしこれら構造的な変化も大きいだろう。上記の韓国市場では単一銘柄のレバレッジやインバース型のETFが新たに誕生、日本市場でも昨今ではマル信買いがかつてないほど活況を呈し過去最大水準に膨らんでいるのが現状で、“落ちてくるナイフ”を掴みにゆく向きが急増した証左でもあるか。

そんなこんなで曲りなり?にも先月に国内時価総額で1位に躍り出たばかりのキオクシアHD株だったが、本日の終値でははや9位に転落している。同社は明後日に4~6期決算発表を控えているがさてこれで株価がどうなるか?この内容には耳目が集中するのは想像に難くないが、なんともヒリつく局面の先をまずは見てみたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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