選択と集中
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今月の日経紙「私の履歴書」は資生堂の前会長が書いているが、この資生堂といえば先週末に同社が日本で代理販売を行っている「ローラ・メルシエ」の販売を、事業の選択と集中を進める戦略の一環で10月末をもって撤退する旨を発表している。同ブランドは下地やベースメイクはじめ多彩なアイテムを揃え、官能的?な香りの一部商品など愛用者も多かった事で残念がる向きも少なくないか。
このローラ・メルシエは資生堂が2016年に買収しているが、同じく買収したブランドではその3年後に米スキンケアブランドの「ドランク・エレファント」も買収している。こちらは環境や肌への負荷が少ない天然由来成分を売りにしていたブランドであったが、このドランク・エレファントもまたローラ・メルシエより一足先の先月末に既に国内販売を終了している。
資生堂といえばもう一つ、買収したローラ・メルシエは5年後に2021年に米投資ファンドに売却しているが、その翌年にはやはり輸入販売を手掛け上記ブランドと共に三越等の大手百貨店で展開していた「ドルチェ&ガッバーナビューティー」も撤退表明している。一部ECなどからこのドルガバビューティーのアウトレット案内が来た事があったが、この辺の事情が背景にあったか。
斯様に人気のあった欧米ブランドが数年で次々に撤退の憂き目に遭っているが、コスメ業界といえば近年は韓国勢の台頭が著しくこの辺も大きく影響しているのかも知れぬ。最後に資生堂といえば余談にはなるが、横浜の資生堂パーラーも今年の8月に閉店してしまう。実に40年の営業に幕を下ろすわけだが、銀座と同じメニューがお安く頼めてかつてよく使っていただけに何とも残念である。