今度はLME
今週は貴金属の暴落というか乱高下が凄かったが、非鉄もまた先週末のたった2日間で銅先物価格など約13%の暴落を演じるなど総じてメタル系が波乱の様相である。さてこのメタルといえば、先週末には約130年の歴史を持ちメタルの取引高では世界最大の規模を誇るLME(ロンドン金属取引所)が、海外の複数の取引所から買収の申し出があり身売りを検討していることを明らかにしていた。
買収を申し出ているのはCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)やSGX(シンガポール取引所)等とみられ買収額は10億ポンド規模ともいわれているが、今年2月のドイツ取引所とNYSEユーロネクストの経営統合に向けた協議開始以来の一寸した縁談である。このSGXなど先のオーストラリア証券取引所買収案が豪政府の拒否で破談になったばかりであり、本件に関しては「報道や憶測についてはコメントしない」と慎重な姿勢が窺える。
斯様にオーストラリア証取も現状では白紙になってしまったが、今年はLSE(ロンドン証取)による加TMXグループ買収計画もまた白紙になっている。こうした国際的な取引所統合はやはりそう簡単には纏まらないものの、水面下では粛々と進行という感じか。
しかし、こうしてみるとくだらない既得権益に固執している国内勢の面々はなんともという感じだが、そうこうしているうちにも週明けの大量保有報告書では大証株式をドイツ銀グループが5.12%取得していることが明らかになり、また翌日の記者会見で東証社長は「スケジュール感は別にない」として特定の期限内合意にはこだわらない考えを表明している。この大量保有報告については一般ディーリングの用という模様だが、こんな内輪で縁談がゴタついている間に他が手土産を携え虎視眈眈と狙っている可能性もゼロとはいえないかもしれない。