3ページ目

絶好のタイミング

本日は経済財政相発言による円安一服から日経平均こそ後場は多少ダレたものの、相変わらず個別の回転が凄まじい。大型ならまだしも中、小型なんぞで一寸仕手化したものなどは数回転でそれこそ発行済株式をこなしてしまうケースが多数散見され個人含めたデイトレーダーの存在感が浮き彫りになる。

そういえば先週末の日経紙にはマル信の取引が急増している旨が出ており、大手ネット系7社の今月の1日平均(4〜9日)売買代金は先月平均の約2倍になったという。周知の通り規制緩和で証券取引所が受け渡し前の証拠金使い回しが可能になり、マル信利用が急増したという構図だが昨年後半からの金融緩和期待の好材料出現もあって絶好のタイミングに乗ったという感じか。

売買代金も不振を極めていた頃は商取のプロップのように狭いパイでの食い合いが多かったが、こんな甘い香りに釣られて新参者が急増すればリクイディティに大いに貢献することになり腕に覚えのある向きにはまた一段と取り易い環境になるというものだ。

ところで取ったら取ったで収めなければならないものだが、政府は個人が投資から得た配当や譲渡損益を通算して課税する仕組みを拡充、損益通算対象を公社債等債券にも広げる方針を固めた。上記の件も含め個人の眠っている資金が動き出すように税制面からも環境を整えるという事だが、それこそ先ず配当・売買益課税軽減措置は恒常化し最終はやはり全ての損益通算体制ということになろうか。


卓上論者でも当たる年?

さて、本日の日経平均も政府・日銀の連携強化による強力な金融緩和策への期待から続伸しての引けとなった。一昨日の日経紙にも株価見通し上げ相次ぐと出ていたが、こうなると上がってきたから上方修正、上方修正されたから上がるのスパイラル現象となり楽観ムードが蔓延してくる。

見通しといえば日経恒例の「経営者に聞く今年の見通し」は、昨年の大納会を年初来高値で締めた株式の急騰によって判で押したような年末高という大半の回答が当たってしまったという珍事?となった。

こんなまぐれ当たりから今年の見通しもどれだけ風呂敷が広げられるのかと思っていたのだが、意外にも年明けの日経紙のそれは大手証券など恒例の年初安・年末高という数年間続いてきた「お約束相場観」が今年は一寸違っていたのが印象的。有望銘柄にしてもアベノミクスにおけるその経済人脈から、昨年まではキャピタルゲインという観点からは相手にもされなかった重厚長大銘柄等これまたどの程度をもって有望というのかどうかだが当たってしまう?かもしれないなと。

ともあれこうした機運で長年眠っていた資金や口座が喚起され血の巡りが良くなるのは悪いことではない。劣悪環境下での企業努力から強靭な体力を構築しリバウンドでも経済も回るようになれば、あれだけ散々云われていたリーマンショックやら欧州危機まで必要悪だったとの論が出てくるから面白い物だ。


時価総額再浮上

週明けから調整色が続く日経平均は本日も朝方は続落歩調であったものの、窓埋めからは一気に切り返しとなり個別も高値更新が目立った。しかしアベノミクスが囃され年末年始だけでも主力のコア物など時価総額の増加が著しいのは想像に難くはない。

こんなコア物の時価総額を昨年比で見てみると同じ業界でも個別で明暗がわかれていてなかなか面白い。円高や中国異変やらの環境変化もあったが、主力事業や補完など上手く振替えられた向きは全体相場の温まりで戻った以上のプレミアムがはっきり付いており解り易い成績表となっている。

ただアジア全体でのコア物の時価総額ランキングを見てみるとやはり韓国や中国勢の躍進が目立ちこちらではまた別の構図となる。数年前はベスト10圏外であったものが躍進し、トップに君臨していた日本企業はベスト3にも入っていない。長らくの円高で更に生産体制の見直を進め強靭な体質になっているとは思うが、成長戦略を深め変革の取り組みの手綱を緩めないことが再浮上の条件になるのはいうまでもないか。


費用対効果

さて、昨日の当欄でも冒頭で一寸触れたが威勢のいい大発会と共に同じ中央区ではマグロの初競りで億の大台に乗った話題でまだ彼方此方騒がしい。1999年以降でマグロが最高値を付けたと騒がれたのが2年前でこの時は3,249万円、それが昨年「喜代村」の登場で5,649万円と跳ね上がって最高値を更新したが、今年は一気にこれが約3倍であるから尋常ではないだろう。

こんなものを真面目に計算しても仕方ないが、本マグロの歩留まりは約50%としても寿司ネタでシャリの上に鎮座するであろうモノは原価で数万円、ここから販売価格ということになるとそれこそ一貫10万近くになってしまうが、これが通常価格の数百円で提供されたというから社長の「話題作りを期待しているわけではない」という発言はなかなか信じ難く苦しいものがあろう。

日本橋で老舗の寿司店を営む知人もこの異常さには閉口、ウチも勿論だが一発のセリに資本金を上回るような投資は普通出来ないでしょうと苦笑していたが、この値でも費用対効果は抜群であろうし、競り上がったこの値で更にそれは倍増といったところか。民放やら新聞やら彼方此方騒ぐであろうし、そういった意味では芸能人の派手な結婚式と同じようなものか。

競り合う相手が居なくなれば何処かで終焉を迎える狂想曲だが、はて来年はどんな光景が築地で展開されるのであろうか。


辰巳天井後編

皆様、新年あけましておめでとうございます。

ここ数年何処でも初商いは堅調傾向が続いているが、今年も例年通りの堅調というより景気のいい暴騰発会。初商いといえば日経の春秋にも書いてあったが、築地のマグロもとうとう億の大台に乗りなんともこちらもバブリーなスタートとなった2013年である。

今年は「辰巳天井」も後半ということでこの年末年始の爆騰を見ているとますますこのアノマリーもシナリオに沿って動いているなという感じがしてくるものだが、このジンクスを破れるか否かはやはり金融緩和強化はじめとした、所謂相場が先喰いしてきた部分が現実のものとなるかどうかだろうか。

相場といえば周知の通り、1月1日付けで東京証券取引所グループと大阪証券取引所が統合し、JPX(日本取引所グループ)が発足している。この経営統合によって株式売買代金ランキングでは世界第3位に躍り出ることになるが、デリバティブでは17位と大きく下がる。そんな訳で同所CEOはデリバティブ市場のテコ入れが急務との考えを折に触れ表明しているがこれに絡んではやはりコモディティーが気になるところ。

この辺に関しては対象を従来の株式や債券等に加え商品先物等にも広げ海外取引所との提携も視野にともしているが、総合取については「文化」の違いが大きくまだ時間がかかると漏らしている。一方でTOCOM側は今年半ばか遅くとも年内には結論を出すと明言しておりこの辺がどういったランディングになるのか引続き注目事項となる。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。



クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2013

1

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31