費用対効果
さて、昨日の当欄でも冒頭で一寸触れたが威勢のいい大発会と共に同じ中央区ではマグロの初競りで億の大台に乗った話題でまだ彼方此方騒がしい。1999年以降でマグロが最高値を付けたと騒がれたのが2年前でこの時は3,249万円、それが昨年「喜代村」の登場で5,649万円と跳ね上がって最高値を更新したが、今年は一気にこれが約3倍であるから尋常ではないだろう。
こんなものを真面目に計算しても仕方ないが、本マグロの歩留まりは約50%としても寿司ネタでシャリの上に鎮座するであろうモノは原価で数万円、ここから販売価格ということになるとそれこそ一貫10万近くになってしまうが、これが通常価格の数百円で提供されたというから社長の「話題作りを期待しているわけではない」という発言はなかなか信じ難く苦しいものがあろう。
日本橋で老舗の寿司店を営む知人もこの異常さには閉口、ウチも勿論だが一発のセリに資本金を上回るような投資は普通出来ないでしょうと苦笑していたが、この値でも費用対効果は抜群であろうし、競り上がったこの値で更にそれは倍増といったところか。民放やら新聞やら彼方此方騒ぐであろうし、そういった意味では芸能人の派手な結婚式と同じようなものか。
競り合う相手が居なくなれば何処かで終焉を迎える狂想曲だが、はて来年はどんな光景が築地で展開されるのであろうか。