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高級品の大衆化

さて、たまたま立ち寄ったコンビニで「俺のスイーツ」なる物を見掛けたが、どれもビックポーション仕様で男性視点満載な商品のイメージを受けた。冠に「俺の」が付いていることであの立ち食いの俺のシリーズのレストランとのコラボかとも思ったが、こちらはサンクスでどうやらこれは別モノのよう。

むしろコチラの方がこの名を使い始めたのが早かったワケだが、相乗効果がありや否やこちらもヒット商品になっているという。ところで上記のファミマといえば先月末に販売を予定していたフォアグラを添えたハンバーグ弁当の発売を、フォアグラの飼育は残酷との抗議意見があった事で中止発表をしたのを思い出した。

三大珍味の一つであるフォアグラ、気になるのはそのカロリーくらいだが確かにその飼育過程を見てしまうと一寸複雑な思いにもなるが、それにしても数十名の抗議で販売中止までになるとは一寸意外でもある。しかしココは斯様にやめてしまったが、最近はヤケにフォアグラの登場頻度が彼方此方で上がっている気がする。

仕入れノウハウの寄与はあったとしてもなかなか採算に乗せるのは難しいだろうが、景気回復の波で人寄せパンダ的効果が高いのだろう。景気回復による高級品の大衆化が何処まで進むのかこの辺も非常に興味深いところ。


相乗効果は未知数

昨日は百貨店について一寸触れたが、この流通系といえば本日の日経紙社説には「流通業界で進む多角化戦略に潜むワナ」と題して、流通業界で業態の垣根を越えた買収や出資が昨今盛んになってきているものの、企業規模を拡大しメニューを増やしてもただちに相乗効果が表れるわけではないとの旨が載っていた。

近いところでは昨年末のセブン&アイ・ホールディングスの相次ぐ買収劇が記憶に新しい。私もTOB先の一つであるニッセンをたまたま直前に買っていたので、このTOBで年末に一寸した恩恵にあずかったが、これ以外にもその後のバーニーズやフランフランなど矢継ぎ早の買収はけっこう目立ったものである。

また直近では百貨店のエイチ・ツー・オーリテイリングも中堅スーパーのイズミヤを小会社化するとの発表があったばかりだが当のイズミヤの株価は反発する一方で、みずほや野村は統合に不透明感として相次いで目標価格の引き下げを行いエイチ・ツー・オーリテイリングは大幅安と明暗を分けていた。この辺も疑問符を如実に表しているといえようが各社共に今後の舵取りが注目される。


水合わず

本日の日経紙真相深層には「三越+伊勢丹 大阪の誤算」として三越伊勢丹HDが大阪の百貨店事業から事実上撤退するさまが書かれていた。この辺は先に同社はJR西日本と共同運営する百貨店、JR大阪三越伊勢丹の面積を5万平方メートルから6割減らすと発表している通りで、鳴り物入りの乗り込みも3年足らずで幕を下ろすこととなった。

競合店に入居している有力ブランド誘致が美味くかみ合わなかったのが主因ともいわれているが、この辺は東証大証統合前の重複上場構図にも似ているか。他、幅広い層を手厚くカバーする戦略が中途半端感を際立たせたという見解に加え首都圏で近年よく見られるブランド縦割り撤廃構成も西では水が合わなかったようだ。

ともあれ昨年の全国百貨店売上高は全店ベースで一昨年比1.2%増と実に16年ぶりにプラスに転じたという。上記のJR大阪三越伊勢丹にとって大きなネックとなった阪急うめだ本店を含めた阪急などの売り上げの伸びが顕著だった模様だが、アベノミクスに乗じた高額消費が牽引したのは想像に難くない。となれば大納会をピークに大幅下落が続く日経平均がこの辺に影響してくるのかどうか、引続き推移を見守りたいところ。


逃避した資金

週明けの本日も連鎖的な世界株安の流れから日経平均は大幅に3日続落となった。一目均衡表やら移動平均線やらと次々とテクニカル指標を持ち出して下値メドを測るコメントが彼方此方で見られるが、下げが下げを呼ぶスパイラルな動きで順次追証回避の処分売りが誘発されるわけでこの辺はあまり事前に測るのも意味がないだろう。

新興国景気の先行き不安からこうして株式市場も調整色が一段と強まったワケだが、一方ではこんな不安を背景に金市場に逃避した資金が流入しているとの観測も出ている。先週末の日経紙にも、金市場に逃避資金と題して当面の先安感は薄らいでおり投資家の多くは米財政・金融政策や地金需要の行方に注目している旨の事が出ていた。

この地金といえば本邦では田中貴金属が先に発表したところによると、昨年の販売量は前年比63%増の37.3トンに増加し、また買い取り量は23%増の35トンと9年ぶりに販売が買い取り量を上回る事となった。円建て事情や消費税率引上げという特殊事情も背景にはあろうが、本格的な資金逃避下では金へシフト等と悠長な動きも絶たれ一緒くたに外す動きになるのが普通でそう考えると今は未だ余裕がある段階ともいえるのか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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