個人への課題
過日の日経紙法務面には「個人投資家 物言う株主に」と題して、少数株主の意見を経営に反映させる目的で導入された株主提案権の利用が権利意識に目覚めた個人株主の台頭で増えてきている旨が載っていた。
今から二年前ほど前に当欄では「日本版スチュワードシップコードの行動原則がどの程度意識されているのか各社の姿勢も注目されるところ。」と書いたが、昨年はコーポレートガバナンスコードと共に二つのコードが始動となり、このタイミングで鳴りを潜めていた村上ファンドも久し振りに始動したものの他の一件で別の大物と共に再度葬られた感じもする。
このファンドも一頃は新興ファンドなど形態を変えた総会屋かと揶揄された時期もあったが、プロキシーファイトにまで発展する事案ならずとも近年では随分と個人の垣根も低くなったような気がする。総会屋活動が鳴りを潜めアクティビスト・ファンドも悉く司法の壁の前に退場していった今、漸く個人も日の目を見る事が出来るようになり今後は対話のあり方が課題になるか。