UUUM上場

さて、昨日はユーチューバーのマネジメント業務をおもな事業とする(UUUM)がマザーズ市場に新規上場となったが、蓋を開けてみれば初日は買い気配のまま値付かず、上場2日目の今日は差し引き34万株の買い気配で始まり、結局注目の初値は6,700円と実に公開価格2,050円の約3.27倍となった。

所属クリエーターは(ヒカキン)氏や(はじめしゃちょー)氏等々有名どころが名を連ねているがそれだけに小学生でも同社を知っていたのには驚いた。ヒカキン氏など大株主に名を連ねているがその数六万株、初値でナンボとソロバンを弾きたくなるが、2008年に上場した一流アスリートマネジメント業のサニーサイドアップ上場の時にもサッカー元日本代表であった中田氏も数十万株の大株主だった事から同じような下衆の勘繰りで話題になったのを思い出す。

とはいえココと明確なる類似企業が存在しない初物IPO案件、先に取り上げたVALUもそうだが近年のテクノロジー進化でIPOの顔ぶれも本当に変わってきた。かつてライブドアの小学生株主が話題になった事があったが、上記の通り小学生でもこの企業を知っているのを見るに今後の分割如何では憧れる小学生の株主がまた話題になってもおかしくはない、そういう世の中になって来たという事か。


疑似株式に非ず

本日の日経紙企業面には「個人価値株式「VALU」騒動 売り逃げ対策で取引制限」と題し、今月中旬の人気ユーチューバーらによる売り逃げ騒動を踏まえ、来月4日からは1日に売買出来るVALUの取引単位であるVAの上限を決めるなど取引規制を設ける発表を運営会社がした旨が出ていた。

このVALU、当欄では先週取り上げた際にはこれからブレイクするアーティストの資金需要などなるほど双方にマッチしたサービスとした通り、逮捕されて話題になっている生き人形作家などこうしたサービスで優待等を駆使すればそれこそ胡散臭い人物と下手な事件に巻き込まれなくて済んだばかりか、その道でまた素晴らしい世界が開けた可能性があったのは想像に難くない。

ともあれサービス開始早々にこうした「事件」が起きて考えようによっては早めに取引規制や利用規約の見直しが出来たといったところだが、それでも今回はほんの一歩。先に書いたように社会が変わりゆくサービスが確立する前に利用者保護の為のルール作りは焦眉の急となっている。


NEO納豆

本日のTBS系「マツコの知らない世界」では納豆が取り上げられていたが、確かに最近では納豆も趣向を凝らしたものが増えてきたように感じる。番組中でも老舗の塩麹の納豆、流行りのSNS映えしそうな女性プロデュースの納豆バター、昔JALのCAからよくいただいたドライなっとうを彷彿させる乾燥納豆等々いろいろ紹介されていた。

実際にこんなバラエティー番組で取り上げられるくらいであるから売れ行きの方も好調となっており、全国納豆協同組合連合会によると昨年の市場規模は過去最高の約2,140億円となり、食べる頻度が増えた人は25%、7割が豊富な栄養を理由に挙げているという旨を日経紙でも見かけた事がある。

またぞろフードファディズムなのかその手とは異質なものなのか、この手の健康食品ブームというとかつては紅茶キノコから始まり、寒天、ヨーグルト、チョコレート、そしてこの納豆もかつては盛り上がった時期があったが斯様なサイクルはいまだ形を変えて続いている。


買収さまざま

さて先週の日経紙にはSGX(シンガポール取引所)が値動きの大きいレバレッジ型のデリバティブを上場し、また昨年買収した英バルチック海運取引所もテコに海運関連の新規デリバティブ商品の開発も進めている旨の記事を見掛けたが、最近またぞろ取引所関係の記事を同紙で目にする機会が多くなってきた。

上記のSGXは英バルチック海運取引所を買収、そして同じアジア勢では香港取引所が英のLME(ロンドン金属取引所)を買収しているが、こちらの方はLMEの売買低迷が足を引っ張る格好で約2000億円を投じた割に買収効果が思うように上がっていない旨も見掛けた。

アジア勢といえばもう一つ、CHX(米シカゴ証券取引所)の買収に向け意欲を燃やしていた中国の重慶財信企業集団率いる中国投資家グループであったが、議会メンバーから反対意見が上がりその行方が注目されていた件でSEC(米証券取引員会)はこの買収についての承認採決を延期する旨の発表で中国資本による初の米取引所買収は阻止された格好になった。

斯様な買収劇の背景にはアジア経済の成長が続くなかで各々取引所間の競争が激化している事があるが中には当初描いていた青写真通りに事が進まぬケースや、やはり規制当局の壁が高く立ちはだかり国を越えた合併など一筋縄ではゆかぬケースなど依然として多いのが現状である。


寿命ある株式

さて、今週は先週起きた個人の価値を仮想株式として売買する「VALU」を巡る騒動が週初から話題になっていた。事は著名ユーチューバーがツイッター上で意味深なリップサービスを表明、仮想株式が急騰したところでこのユーチューバーはじめ取り巻きの関係者連中がこれに合せ保有仮想株を売り抜け、優待を仄めかすコメントも消去し抜け殻となった仮想株は暴落の憂き目に遭ったというもの。

このVALU、約2ヵ月ほど前から始まっているサービスだが、例えばアーティストなど資金が必要な個人が自身の価値を売る事で資金調達が可能となり、出資者もこの人物から優待を受けたりまた有名になるに連れ価値も上昇し、インカムゲインだけでなくキャピタルゲインも得られるというなるほど双方にマッチしたサービスである。

とはいえこれまた黎明期に付き物の上記のような事件も勃発するワケで、一昔前の株式詐欺で広義で篭脱けの類ともいえこれが株式だったら間違いなく犯罪となるところだが、如何せんVALUはビットコインを使う仮想株式と金商法の対象でない為に相場操縦やインサイダー取引を規制出来ないところが抜け穴となっている。

近年のテクノロジーの進化でビットコインなども含めて今迄想像出来なかったようなサービスや商品が出現してきているが、今回のようなわずか1週間以内で起きた事件も踏まえ早急な利用者保護の為のルール作りが社会を変えてゆく前に必要になる最優先課題となってくるのではないだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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