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ふるさと納税版100億円還元

さて先週水曜にスマホ決済PayPayの第2弾100億円キャンペーンを当欄では取り上げたが、この直ぐ後に出てきたのはナントふるさと納税の100億円還元キャンペーンであった。今月アマタにも「裏?ふるさと納税」と題し、アマゾンギフト券を加えた静岡県小山町の高返礼率を取り上げたばかりだが我が道を行く自治体の駆け込みは止まらずといった感じ。

これは周知の通り大阪の泉佐野市が2月・3月限定で無くなり次第終了とした閉店?キャンペーンの事で、その内容は同自治体独自のふるさと納税サイトからの寄付限定ながら自治体が支払う民間仲介サイト経由寄付額の10%程度の手数料をアマゾンギフト券で還元という理屈で、その寄付額によっては返礼割合が5割を超えて来る。

同自治体政策推進課では法施行される前の閉店と位置付けてのキャンペーンとしているが、かつて同じく還元率5割を敢行し総務省の御達しをそのまま受け入れるつもりはないとしていた群馬草津市まで今では3割は守るべきとTVで苦言を呈している。

また今日の午後には同自治体のホームペ−ジで市長が総務省に対して真っ向から反論のコメントを公開しバチバチの展開となっているが、駆け込み勝負に出たとはいえ総務省一部幹部は6月の通知法律化の際には過去に悪質な行為をした自治体を外す可能性も仄めかしており、はたしてヤリ得で終わるのか否か今後も駆け引きが注目される。


米国債売り・金買い

本日の日経紙商品面には「金銀各差、リーマン波83倍」と題し、金融市場の混乱や地政学リスクを背景に逃避マネーの流入が活発化した金の一方で、産業用の需要比率が高い銀の上値が重くなっている事から両者の価格差がリーマンショック並みの高水準になっている旨が書かれていた。

直近でFRBは追加利上げを急がない方針を示唆し足元のニューヨークの金先物相場は9か月ぶりの高値水準となっているが、もう一つ金といえば中国をはじめとした強硬外交対象国の金保有にも変化が表れている。同国の金保有量は昨年末に1852トンと前月末より10トン増え、その増加は16年10月以来となっている。

その裏で米国債の保有は減少しており昨年10月末で1兆1389億ドルと5ヵ月連続で減少、またロシアもこの1年で約270トンの金を積み増しており昨年末段階での金保有量は2113トンとなっているが、こちらもまた米国債保有量は8割減少となっている。金保有ランキングの6位と7位がこうしたドル離れを探る動きとなっている事で、その余波が金市場に及んでいる格好となっており今後の推移にも目が離せない。


第2弾キャンペーンとか

本日の日経紙マーケット面の銘柄診断には昨日突飛高した事でヤフーが挙げられていたが、同社に絡んではソフトバンクと共同出資するスマホ決済会社のPayPayが昨年12月に続いて2度目の100億円を利用者に還元するというキャンペーンを12日から始める旨を発表している。

このキャンペーン、当欄でも取り上げた通り昨年は上限設定無しという事もあり各店舗で異常な混乱をきたし利用者の殺到によってわずか10日間という短期間で終了した経緯があったが、今回はこうした点を踏まえて1回につき還元額を1000円とするなど上限を設定する旨の説明が為されている。

前回の覚えからこの報が伝わった直後には再度高額消費が伸びるとの思惑でビックカメラ株がいち早く上げ幅を広げたものの、会見で付与上限に言及すると急速にその上げ幅を削り往って来いの展開に、一方で少額商品など日常的利用の拡大が期待出来るとの思惑でユニーファミリーマートHD等は堅調を維持する展開となっていた。

そうした部分もあって加盟店拡大が如何ほどになるのかというところも焦点となろうが、前回も書いたようにいまだ日本ではキャッシュレス決済分野は諸外国に比べて大幅に出遅れている。政府のキャッシュレス対策も各所といま一つ噛み合っていない部分もありこの辺は今後も紆余曲折が予想されるか。


敵対型再び

さて、先週の株式市場ではデサント株が突如として連日のストップ高を演じ何所よりも目を惹いていたが、これは周知の通り伊藤忠商事による同社へのTOB表明を背景にしたもの。この辺に絡んでは本日の日経紙企業面で伊藤忠がデサント株の保有比率を3割から最大4割に引き上げ経営陣の刷新などを求める考えに対して、デサント側はこのTOBに対して反対する方針を固めた旨が出ていた。

毎度この手の報道ではよく見られるパターン通りデサントでは当社が決定・発表したものではないとのコメントを出していたが、当欄でこの件に触れたのは昨年10月にオリックスによる大京へのTOBと共に取り上げた時でどういった幕引きになるかと末尾で書いておいた。

さすがというかジョルジオ・アルマーニやブルガリを日本のマーケットに導入し現在の収益の柱になっているブランドビジネスを確立した立役者が率いる商社だけあって肉食系らしい行動だが、上記のオリックスのパターンとは毛色が違い王子HDの時を彷彿させる敵対型の再来となっており紙戦争の時の三菱商事のようなホワイトナイトが現れるのかどうか引き続き注視しておきたい。


裏?ふるさと納税

本日の日経紙・列島追跡には「基準に反し、返礼に金券」と題し、ここ何度か触れてきているふるさと納税制度における総務省による6月からの基準厳格化を前に静岡県の一部自治体が駆け込み的にお得感の強い返戻品で多額の寄付を呼び込んでいた事がわかり物議を醸し出している旨が載っていた。

一頃のふるさと納税バブルの時はそれこそ返礼率5割超など当たり前で某自治体は換金性抜群の純金製手裏剣を出して来た経緯等もあったがそれは総務省が御触れを出す前の話。今回この頁で挙げられていた小山町はこの町と縁もゆかりもないアマゾンのギフト券を返礼品に加えていた上に、調達額も総務省の求めである3割以下という基準を無視した4割相当としていた事で物議を醸し出したというところ。

ココが悪知恵?を絞ったのは例えばメジャーどころではなく、特設サイトを設けた上で更に当初は週末限定等で返礼率の高いクオカードなどを掲載するなどの細工をしていたところだが、TV等でも担当者が堂々と自論を繰り返していた事でそれなりに腹を括った上での行動だったのだろう。

現在同自治体はふるなびなどでは今月から申し込みを再開した模様だが、大手のふるさとチョイスなどは現在も申し込み不可となっている。駆け込みに絡む問題を以前より指摘してきたが総務省の一括りの通達に「売り」を持たない向きとの格差バランスを取る難しさが改めて浮き彫りになっている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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