三強の野望

さて、先週は旧興銀系の不動産会社ユニゾを巡るTOB合戦を取り上げたが、TOBといえば規模が桁違いに大きいものとして直近でそれを計画している可能性があると話題になっているのが仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによる米宝飾品大手ティファニーへの買収提案だろうか。

買収提案額は提案前の値に22%のプレミアムを乗せた1株120ドルといわれ、この報を受け当のティファニー株は前週末比30%以上も急騰しこの提案額を早速上回って引けたが、同社の経営陣にはLVMH擁するブルガリゆかりの人脈が居る関係もあって一連の買収案仲介の背景にはブルガリの影が見え隠れするとの噂も出ている。

LVMHは此処を手中に収める事により他のスイスリシュモンやケリング等との競争に備えると見られているが、冒頭の急騰劇では一日で実に時価総額が約4000億円も膨らむような規模案件だけに実現が叶えば欧州企業による今年最大の買収案件となる。折しも3強の一つケリングもまたスイス高級時計ブランドの買収観測が浮上しているだけに、今後の再編と併せその勢力図変遷にも注目しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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