脱日銀トレード

本日の日経紙マーケット面には「日銀、ETF購入ゼロ」と題し、5月最終日の昨日も買い入れを見送り結局先月は買い入れに動かなかった旨が載っていた。月間ベースでは2013年春の異次元金融緩和開始後で初めてゼロとなった格好だが、最後に観測されたのが4月の21日にTOPIXが大幅続落し1900ポイントを割った時の701億円購入というから確かに久しく鳴りを潜めている。

周知の通り日銀は3月の金融政策決定会合で年6兆円程度としてきたETF購入目安を撤廃の政策修正を表明していたが、上記の購入はこの表明以降初の事であったもののこれまでの一定の下落率というような単純推測では肩透かしに遭い、マーケット関係者の間では悉くコレと言った法則?で測れなくなったのは否定できないところだ。

ところで日銀といえば先に発表された2020年度の決算では保有するこのETFの時価から簿価を差し引いた含み益は21年3月末時点で15兆4444億円と過去最高を記録、実に前年の50倍に急拡大している。財務体質が一層株価に左右され易くなっている背景を鑑み新法則?探りもよいが購入論議と並行し出口政策も自ずと意識されて来ようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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