業界と当局

来年からの新しいNISA(少額投資非課税制度)の「成長投資枠」で投資出来る第1弾が発表されているが、昨日の日経紙金融経済面にはこの選定基準を巡って詳細なその条件面などが厳しすぎるなどとして運用業界と金融庁との間で不協和音が生じている旨の記事が出ていた。

この中でも信託期間や毎月分配型など約款変更や追加などを施せば条件をクリア出来る状態になるものもあるが、除外商品を金融庁の条件に合うように作り替えるのが難しいモノとして挙げられるのがデリバティブ系か。侃侃諤諤の末にヘッジ目的に限定したデリバティブ使用の旨を約款に記載すれば条件を満たすことになった模様だが、デリバティブは現場で携わった人間でしか理解出来ない投機の解釈があるだけに何とももどかしい。

今後も上記のように約款を変更するなどして条件を満たしたファンドを毎月追加してゆくはこびとなるが、現場と当局の解釈を巡る温度差をどう縮めてゆくかも課題か。いずれにせよ新生NISAの厳しいとされる「ふるい」が投信の選別を今後加速させることになってゆくのかどうか、この先も注視してゆきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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