23ページ目   商品先物

プラチナシーズン

本日の日経紙商品面には「白金、供給リスク再び」と題して、プラチナの主生産地である南アフリカで約2年ぶりとなる鉱山労働者の賃金交渉が本格的に始まったものの、賃上げ幅を巡る労使の溝は埋まらない事で国際市場での供給リスクが意識されている旨が載っていた。

プラチナといえば工業用途の裾野が広く景気動向に敏感なだけに、昨年以降中国等の新興国景気減速で不透明感が強まり昨年だけで価格が3割も下落するなど低迷著しかったものだが、末尾にあるように最近のランド安がコスト抑制要因になってきている。ドル建ての輸出価格が低迷してもランド建てでの値上がりから増産意欲は旺盛な構図が出来上がっている。

斯様な収益環境の改善を背景にした賃上げ要求の強まりから上記の労使交渉も難航必至との見方が浮上し、一昨年を彷彿させるような交渉長期化が懸念される事態となっているが、ファンダメンタルズも斯様に森と木の部分とで拗れているだけに価格が不安定になる懸念は一昨年同様に強まってきそうだ。


東商取金現物取引スタート

本日から東京商品取引所では金の現物取引がスタートした。ユーザーは取引員等を通じ東京商品取引所が運営するオンライン上で注文を記入、条件が合えば取引が成立する仕組みで売買対象は100グラムと1キログラムの金地金、100グラムも対象に入れたところが小口需要も視野に入れているか。

実際にこの辺は初日には14枚の売買があったが、100グラム対象のものであった。渡しは偽物流通防止もあって出来ない仕組みになっており、先物から現引きするようなパターンでも特に好みのブランド指定は出来ないが、ここでも田中貴金属工業などのブランド力の高い企業の地金はなかなかお目に懸かれそうにもないという。

ところで田中貴金属工業といえば、同社が先に発表した1〜6月の金地金販売量は前年同期比で30%増となった模様。ブレグジットを切っ掛けに金融市場の混乱や経済不安から中長期的な投資資金の分散先として金が見直されている格好だが、東商取もこの機に乗じての現物取引スタートというところだろう。大手店頭販売からETFまで現物取引は多岐にわたるが、ニッチの取り込みでブランド力の劣勢までカバー出来るか否かに注目したい。


コモディティー二極

昨日は英国のEU離脱決定で大揺れとなった株式市場やオプション、それにFX市場も取り上げたが、コモディティ−の方もまた然りで先週ETF人気と取り上げた安全資産とされる金が急騰する一方で、リセッション懸念を背景にオイル関係は急落の憂き目に遭った。

これによって上記のSPDRなどイートン・パーク等一部のヘッジファンドが大量に投資してきただけに応分の利益となったのは想像に難くはないが、それら以外も今回の金価格の方向性の不透明が続く裏でのETF残高漸増傾向はこの先のユーロの構図に対する不安の裏返しの表れとも取れる。

前回も日欧のマイナス金利政策など世界的な低金利環境下で利回りの低下した国債保有リスクが高まっている旨等を支援材料に挙げておいたが、これまで金利を生まないというデメリットが事あるごとに取り沙汰されてきた金もリスク分散の受け皿的役割が恒常化する可能性が出て来たか。


金ETF熱

先週の株式市場は英国のEU(欧州連合)離脱懸念への不安から大きく揺れたが、こうした金融市場のリスク回避姿勢の対でファンドが逃避資金を金に振り向け、ニューヨーク証券取引所に上場する金ETFの代表銘柄SPDRゴールド・シェアの金保有残高は15日時点で900.75トンと、2013年10月上旬以来約2年8ヶ月ぶりに900トンを突破した旨が先週末の日経紙に出ていた。

この前週の段階でも保有残高は年初比で37%多く約881トンであったが、やはり増加傾向が続いている。加えてちょうど一週間前に当欄で「レジェンド復活」とした著名投資家のジョージ・ソロス氏の投資ファンドも上記SPDRのコールオプションを保有している事も判明しておりこの辺も価格頭打ち以降の残高減少に歯止めがかかっている所以だろうか。

最も旬な材料としてはやはり今週の国民投票が焦点ということになろうが、価格に関してはFRBの利上げ踏み切りを絡め踊り場とする見方も一部にある。ただ日銀や欧州のマイナス金利政策など世界的な低金利環境下で利回りの低下した国債の保有リスクが高まっている事も背景に残高漸増傾向はまだ当面継続される可能性も強いか。


レジェンド復活?

週明けの日経平均は英国のEU(欧州連合)離脱問題への警戒感の高まりや円高から大幅に3日続落となった。これとは対照的に金価格はこの英国のEU(欧州連合)離脱を巡る懸念から1週間で相場の上げ幅は5%に達し、国際価格の指標となるニューヨーク市場先物相場は約3週間ぶりの高値まで上昇してきている。

この金といえば先週は著名投資家のジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメントが株式を売却する一方で金都金鉱会社の株式を購入したとの一部海外紙の報道が伝わり、当日前場の株式市場では別子こと住友金属鉱山株が日経平均への寄与度トップに躍り出る場面もあった。

とはいえ証券各社では総じて慎重、みずほ証券は買い推奨継続しているものの大和証券はJOCに関連する追加損失計上リスク等から目標価格を引き下げ、UBS証券はPERやROEなどが同業他社より割高として投資判断をニュートラルからセルに格下げしており、早速本日の下げで往って来いとなっている。

結局、不透明な金属市況をどれだけ織り込んでいるかというところだろうが、この辺の個別株はともかくもレジェンドプレーヤーの復活は何かを意味しているや否や。今後EU離脱を巡る英国国民投票含めた数々の政治イベントを控えこの辺の思惑は一段と募りそうである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2026

3

1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31