増幅要因
今週の日経平均は昨日の1,343円高という歴代6位の上げ幅を演じたのも束の間、一転してザラバでは800円以上も急反落するなどジェットコースターさながらの乱高下の毎日で非常にボラタイルな展開が続いている。当欄では近年の日銀によるETF吸い上げの影響もあり一部高寄与度銘柄の板が薄くその辺もボラを増幅させている一因となっている旨を書いたが、先物市場の景色も東日本大震災以来久し振りに見る相場が展開されSPAN証拠金もうなぎ登りとなっている。
先物といえばこれに併せてオプション市場でも先に書いたようにわずか1円のプレミアムがたった4日の間に450倍にも大化けしたり、SQが目前に迫った昨日などほぼ望みの無くなっていた行使価格18750がアットザマネーまでになり、前場は1円だったコールの19250は後場には28円まで暴騰する始末とこれも4年ぶりに見る異常な相場であった。
当然ながらSQ目前にこれだけボラが激しい状況になれば損失回避のリバランスから大挙して売買が傾けばこうした狂乱相場にもなろうが、昨日の日経紙にも「市場揺らす仕組債」と題しデリバティブが誘う特殊な需給要因からのノックイン現象で下げが広がる状況も生まれている旨が載っていた。
仕組債発行の背景には超低金利による運用難があると同紙には書いてあったが、これと同様にセルボラで悠長にプレミアム取りを目論んでいた向きへ東日本大震災の災難が降りかかったように息を吹き返したヘッジファンドの暴力的な売買がこうしたところへも影響を及ぼしている。今月初めに「短期選好」として取り上げたレバ型ETFなど近年の金融商品の多様化も、久し振りにノックインなどの言葉を思い出させてくれたというところだろうか。