変動率に商機
ちょうど1週間前の当欄では「増幅要因」の題でジェットコースターさながらの乱高下の毎日が続いている旨を書いたが、昨日の日経紙マーケット面にも今週過去20日間の変動率が米量的緩和の縮小懸念が始まった2013年6月以来、2年3ヶ月ぶりの高さとなった旨が書いてあった。
文中では長期投資家による買いが入りにくく、実需の売買が縮小するなかで短期投資家による売買が主導する展開が続くとも書いてあったが、今や急増するETF残高も本来であれば長期投資のツールというのが世界標準なのだがとりわけ国内ではレバ型の短期売買等に傾斜しこうした構図も成り立ちにくい。
とはいえこうしたレバ型が売買代金ランキング上位の常連になってきているなど短期系が流行っているだけに、日経平均VIの急上昇やリーマン・ショック直後以来の高水準を記録している恐怖指数であるVIXの50台への上昇などにも商機を見出すETN系も賑わい、大手金融機関も変動率に注目した商品の上場を検討する動きも出ているという。
とはいえこうした眺めは裏を返せば投資家心理の冷え込みを端的に表しており、ボラへ賭ける投機や商品開発の熱は乱高下離脱の先行き長期化を表しているともいえようか。