新陳代謝の構図
さて、先週金曜の日経紙一面には「世界の株、時価総額最高」と題し、5月末の世界株の時価総額が76兆ドルとなり、2年ぶりに最高を更新した旨が載っていた。かつての時価総額上位企業であった銀行や資源の顔ぶれは一変し、その牽引役となっているのは米アップルや米アマゾン等のIT企業という。
米アマゾンといえばつい先週には初の株価1,000ドル突破を達成していたが、1997年に上場してから20年で分割等も考慮したその株価は実に約500倍となるなど大化けを果たしている。時価総額もトヨタの3倍近くに膨らんでいるが、日本はそのトヨタが時価総額1位である。
先週末に漸く2万円の大台を回復してきた日経平均だが、上記のトヨタは年初比でマイナスのままで、IT分野で牽引する企業の不在で指数は一桁の上昇率とその出遅れ感は否めないところ。斯様に米市場と相違する環境下でこのトヨタ等のコア系の動意薄は長期資金の流入不足も意味しており、この辺の構図の変化が今後の持続性と絡め焦点となってくるか。